大阪城でぜひチェックしたい隠れた見どころ
G20大阪サミット(H31年)で安倍首相のエレベーター付きの大阪城について物議を醸した発言がありました。 このように、今の大阪城はエレベーター付き鉄筋コンクリート造りなので、興ざめする方もおられるかもしれませんが、私を含めた大阪人は、そんな大阪城も太閤秀吉さんも意外と好きなんです。
ここでは大阪城観光の際にはほとんど訪れないか見落としてしまいそうなところを紹介しています。
大阪城には公衆トイレが20か所あります。それをこちらで紹介しています。




角度によってカッコよく見える天守閣
【大阪城案内マップ】グーグルマップで見る大阪城・大阪城公園です。次のところを紹介しています。
□ 黄色 1:日本庭園 2:ばけもの屋敷跡・掃射痕 3:化学分析場あと 4:1番櫓 5:遊び場 6:有料遊び場 7:配水池 8:金蔵 9:ミライザ 10:売店あと
□ 青色 1: 石垣遺構 2:梅林 3:桃園 4:大阪城ホール裏付近
○ オレンジ 1:大阪城遠景 2:銀橋からの風景 3:桜の時期の絶景スポット 4:桜門前 5:観光バス駐車場付近 6:大阪城ホール前付近 7:ビルに映る大阪城1 8:ビルに映る大阪城2 9:森ノ宮側入口付近 10:売店あと
どっしりと中央に高くそびえる天守閣ですが、空から見ると、大阪城ホールや太陽の広場の野球場の大きさに比べると意外に小さいことがわかります。
都市の真ん中にあっても緑の多いこの公園は、大阪府民の憩いの場所となっています。 H27年より、管理を民間に委託して対策が講じられ、来場者や運営収入は伸びているようですが、一方、自然破壊と思われるような開発の仕方もあって、感心できないところも目立ってきています。


(撮影場所:オレンジ①)
車で来場する場合は公園内に大阪城公園駅前駐車場(1時間350円)がありますが、駐車台数も170台程度と多くなく、東端の環状線沿いなので近いともいえません。健康のためにも、大阪メトロ、JR環状線、京阪電車など、電車の利用がおすすめです。周辺駐車場に止めても、結構歩くことになります。
私は生まれも育ちも大阪で、緑の多い大阪城・大阪城公園が好きです。
観光客や来場者の皆さんを見ていますと、新型コロナの影響で様変わりしています。 団体の来場者は、駐車場でバスを降りて、まっすぐに天守閣を目指していますが、それでは味気ないので、ここでは、ちょっと寄り道していただきたいところを取り上げてみます。
ビュースポット

銀橋から見た夜の桜之宮公園(撮影場所:オレンジ②)

桜の時期の大阪城の絶景スポット(撮影場所:オレンジ③)
遠景からの夜の大阪城もいいです。 特に桜のシーズンは何よりで、ライトアップされているところも多く、幻想的です。
上左の写真は、造幣局横にかかる通称「銀橋」から桜ノ宮公園を眺めています。
この時期には、川筋一面がピンク色になります。
桜のシーズンに大阪の川を巡る水上バス「アクアライナー」に乗ると、この下の写真位置から見る桜が大阪城で一番美しい場所だ・・・と紹介され、しばしエンジンを止めて景色を観賞させてくれるサービスもあります。 ぜひ、桜の季節には、川面からの大阪城の絶景を楽しんでください。

現在の大阪城は、昭和6年(1931年)に再建され、その後、空襲や台風の被害などで修理されています。 この写真は、平成7年から2年間かけて改修工事をしたときの写真ですが、恥ずかしながら、この改修は私の記憶から抜けています。
中国系の方がメインゲスト
現在は、新型コロナの影響で様変わりしていますが、近年、大阪城を観光する人の数は中国系の旅行者が日本人を上回っています。
天守閣の入場料は大人600円(15歳以下無料)ですが、中国系旅行者の多くは天守閣には登らずに、お目当ての写真撮影と食べ物を終始楽しんでいるようです。
過去には、韓国からの方が中国系以上にたくさん訪れていた時期があったのですが、天守閣の展示は「秀吉の朝鮮討伐」などもあるので、嫌な気持ちを感じていた方が多のではないかと気をもんでいたのですが、中国系の方は「秀吉」とは関係が薄く、大阪城の外観を見ているだけで、きっといい観光地だと感じていいただけると思います。
さらに、近年は、このお決まりルートだけではなく、大手門側(西側)や極楽橋側(北側)に回る中国系の方が増えてきています。 観光の仕方も通り一遍ではなくなくなってきて、色んな所を見るようになっています。 ともかく、はやくコロナ騒動が収束してほしいものです。。
大阪城の天守閣の前の広場では、毎朝、ラジオ体操が行われています。 また、午前中の早い時間からランニングやジョギングをしている人が増えています。
この写真は、桜門(天守閣前の広場に通じる南正面の入り口)と南駐車場の様子です。


(撮影場所:オレンジ⑤)
観光バス専用の南駐車場は朝早くからバスが入場します。 このあたりを歩いていると、中国系の旅行客が多いので、歩いていて日本語を聞くと「ほっとする」という感じになるのも変な感じです。
彼ら中国人の挙動は大阪城に限った状況でないのですが、元気いっぱいで、ハイテンションで早朝から精力的に観光に繰り出している姿を間近に見ると、国民性・経済力の凄さを感じないわけにいきません。
1970年代の日本人の海外旅行ブームと比べられることが多いのですが、当時は「農協」の預貯金による旅行が原動力だったので中高年層が主体でした。 しかし、現在の中国系観光客は若い人が多いところを見ると、本当に底力のある経済力を感じます。
中国語の発音が複雑なのでつい大きい声になる…ということを聞いたことがありますが、バカ声で話すのははしたない感じがするとはいえ、ともかく、大勢の元気な方が大阪にいらっしゃることはありがたいことです。

ただ、経済情勢も変わってきたのか、コロナウイルスの問題が起こる前でも、一時期に比べて、かなり中国系の観光客は減っている感じがしていました。
そのマイナス分を取り戻そうとしているのか、今、大阪城公園内は娯楽スペースを増やそうと躍起になっています。
管理を民間に委託して、環境破壊が加速しています。 売店のほとんどがローソンに変わりましたし、その他の店舗のスペースを増やそうと工事も進んでいます。 大阪市側の民間委託をしたことの評価はまずまず・・・ということですので、やや残念ですが、これからさらに変貌していくのでしょう。
日本人の方は、・・・といえば、むしろ天守閣付近よりも、大阪城ホール前辺りのほうがたくさんおられます。
JR大阪城公園駅か森ノ宮駅を利用する方が多いので、どうしても、その動線に沿って開発されています。


(写真:オレンジ⑥付近)
一方の外国人の方の行動範囲は、旅のパンフレットが充実してきている影響もあって、かなりレアな部分(例えば、外堀など)に広がってきています。
日本人の方のルートといえば、・・・
子供連れなどの方は、大阪城ホール前を通って、極楽橋から天守閣に向かう人が多く、若い人たちのグループは、飲食やショッピングなどが目的で、天守閣方面に行かない人達も多いようです。
上の写真は大阪城ホール前噴水付近で、この付近はほとんど日本人の若い年齢層の方です。
外国人の方の大阪城は『観光』ですが、日本人は『娯楽』ということなのでしょうか。
ともかく、大阪城公園駅から大阪城ホールまでの道は、いろいろなお店が乱立しましたし、グラウンド(太陽の広場)や大阪城ホールでは、各種イベントなども行われますので、このあたりは、「大阪城銀座」と言っていいほど沢山の人が集まります。
イベントの列に「並ぶ」のは苦でないのか、このような行列はイベントのたびに見受けられます。
ビルに映る大阪城




(以上:オレンジ⑦付近)
(オレンジ⑧付近から)
大阪城の北側でビジネスパーク(OBP)の西端に、壁が総ガラス張りのクリスタルタワーというビルがあります。全面ガラス張りですので、そこに写る大阪城の姿は感動的です。
ガラスに写って鎮座する大阪城を見ることができるポジションは、ガラス面に対してお城の位置と等角度になる位置しかありませんので、上下角度を含めると見えるところは限られています。
私の推奨するベストな位置は、大阪城ホール北側の石垣に張り付いてビルを撮るのですが、ビルと大阪城を眺めながらBESTポジションを探すのも面白いでしょう。
天守閣が見えた最遠位置は、写真の大阪城グラウンドから(上の写真)ですが、望遠鏡を持って移動すると、もっと見える範囲が増えるでしょう。
クリスタルタワーは、ビル全面のガラスで周りの景色が写るように設計されているようで、近代的なスマートさが感じられるビルです。
本来、高層ビルと大阪城は似合いそうにないのですが、OBP(大阪ビジネスパーク)が整備されたのは1986年頃と古く、私の頭の中でのこのミスマッチや違和感はすでに消えてしまっています。
景観に配慮している建築物?


(オレンジ⑨付近)
(左)はJR森ノ宮駅から、 大阪城公園に入ったところの多目的トイレです。
大阪場内には、公衆トイレが約20ヶ所あり、結構、統一感のない、あまりきれいとは言えないトイレが多いのですが、このトイレはいい感じです。 こちらにトイレすべての外観を紹介しています。
(みぎ)は、地下鉄森ノ宮駅に通じる入り口です。ここからJR森ノ宮駅側に出られます。景観に配慮された設計なのでしょうが、しかし、全体を見渡すと、決してそうではありません。最近の開発は、なんでもありの感じです。
大阪城の日本庭園



大阪城に行かれた方でも、この写真の「日本庭園」がどこにあるのかわからない方も多いでしょう。
日本庭園がある場所は、大阪城の入場口前の広場の西側です。
天守閣前の広場にはいつも大勢の観光客がいますが、 その横にひっそりとある日本庭園を見る人はほとんど見かけません。
説明書きによると、昭和6年に紀州御殿の庭園を整備した・・・とあります。
雑踏から隔離された場所ですので、行かれる機会があればお立ち寄りください。
梅林と桃園
両方とも、花の時期は賑わうのですが、季節外れにはほとんど人が立ち寄らない場所です。


(場所:青色2番)


百人一首の競技の序歌(はじめに読まれる歌:難波津に・・・)の説明があります。
この説明では、「今を春べ」となっています。元歌は、「今は春べ」らしいのですが、「ちはやふる」が有名になっなので、競技かるたに合わせて、「今を春べ」としているのでしょうか。

「ばけもの屋敷」跡や機銃掃射痕など
これらは、 あまり人が行かない、北外濠の近くにあります。

現在、ばけ物屋敷跡は、建物等は何も残っていなくて、林の中にこの立て札だけがあります。
この案内文には、「ばけものは、18世紀初めの享保年間の初めに、戸田大隅守という人が退治した」・・・とあります。場所は、西の丸庭園の北側、京橋口の近くです。
(写真:黄色2のあたり)
この機銃掃射痕ですが、説明には、昭和20年3月から8月に大阪城に8回の空襲があったと書かれています。
山里丸は、 天守閣の北側にあった櫓(やぐら)だったようで、今は何もありません。
その他に、大阪城内や近辺には、軍事関連施設も多かったことから、空爆を受けても仕方がないのですが、京橋口の近くに 「化学分析場跡」や大阪城ホール近くの「砲兵工廠跡」、天守閣横の、現在は「ミライザ大阪城」になっている「旧陸軍第4師団司令部庁舎」なども、ちょっと場違いな建物で面白いです。

化学分析場跡(閉鎖されています)写真:黄色3付近
櫓(やぐら)


(場所:黄色4)
これは特別公開時に見学した「一番櫓(やぐら)」です。特別公開はしばしば行われており、有料ですが、右のように、普段見られない角度から景色を見ることができますので、タイミングが合えばご覧になるのも話の種でしょう。
【豊臣の遺構】
豊臣家のつくった大阪城は、 徳川方にことごとく破壊されて、今は、石垣だけが地下に埋もれている・・・ というのですが、この特別公開時の案内や説明では、あたかも、現在の大阪城が古くからある建物のように説明されているので、変な気持ちになります。その違和感も面白いので、ぜひ経験してみてください。
(場所:青色1付近)
京橋門から出て天満橋駅に向かう途中にある日経新聞社の横に、石垣遺構の一部が移設されています。また、現在も天守閣前の地下で発掘作業が行われています。
アンマッチな子供の遊び場

こんな遊具も設置されています。
大阪城の景観全体から見るとアンマッチな感じの遊具ですが、森ノ宮駅側の入り口から噴水に向かって入った右側にあります。

上の遊具は既設の無料で利用できますが、その近くには、有料の子供の遊び場などもできており、そちらの入場者のほうが多くなりました。
民間委託によって大阪城への来場者は激増していると報道されているのですが、最近は、私にはそれが少し鼻につき始めています。改造で自然いっぱいの大阪城が新しい大阪城に変化しています。
天守閣の横に、こんなものが・・・




(場所:黄色7)
天守閣正面に向かってすぐ右側隣にある「大手前配水池」が埋まっています。
この看板があるのには気づきにくいかも知れません。
こんもりとした山(盛り土)にあって、そこには、縦30m横60m深さ7mの池が3つ隠れていて、高いところからの圧力を利用して、水道水を周囲に配水しているようです。
この看板には、「景観のためにはすべてを隠した方がいい、でも、何らかの形で知らせておきたい」という複雑な行政の気持ちが現れている感じがします。この配水池を作っていて、豊臣の大阪城の古い城壁を発見したらしいのですが・・・。
そして、現在の金蔵の横に昔の金蔵があったらしく、発掘調査中です。

これが「金蔵」という建物です。この左手で金蔵跡(豊臣の遺構)の調査が進んでいます。
この「金蔵」の中を特別公開のときに見学したことがありました。
千両箱などが置かれて、「お金が入れられていた感」が演出されていたのですが、豊臣時代の金蔵は、ここではなかったのですから、変な感じの展示のしかただったという記憶があります。
【ミライザ大阪城】 金蔵のうしろに見えるイカツイ感じの建物は「大日本帝国陸軍の司令部」のあった建物で、長い間「大阪市博物館」として使われていたのですが、2001年に博物館が閉鎖されてからは、ちょっとした催しに使用されていた程度でしたが、それが改造されて、2017年秋にミライザ大阪城という飲食スペースに変わりました。



ミライザに入ってみたのですが、正直言って、アンマッチでちょっと近寄りにくい感じがしました。(若い方には好評のようですが・・・)
天守閣前にあって賑わっていたこれらの売店は取り壊されてしまいました。


これはH30.1月の取り壊し前の写真で、この場所は、沢山の人が集まっていた場所です。ここは、完全に取り壊されて新しい施設ができるのでしょうが、このあたりは急に寂しくなったようです。
最後に、番外編として、城外の「大阪城の抜け穴』について紹介します。その他の話題についてはこちらにも記事があります。
大阪城の抜け穴~三光神社

城壁の周りに目を凝らすと、排水口のようなものが何箇所か見えます。 これは抜け穴ではありませんが、大阪城には、抜け穴にまつわる話などがしばしば話題にのぼります。
豊臣家が滅びるときに金銀財宝を濠に埋めた・・・ などという噂を、まことしやかに話す人もあって面白いのですが、それがまんざら嘘ではなさそうな内容の話しぶりなので、色々想像できて楽しめます。
ここでは、『真田の抜け穴』と「プリンセストヨトミ」に関するお話を少し紹介します。

写真は、大阪城の600mほど南の「三光神社」にある「真田の抜け穴跡」です。
普段は鉄扉が閉まっています。それが開放される時があって、この入り口をはいると、すぐに行き止まりになっているらしく、外から覗いてみてもそんな感じですが、興味津々ですね。
下の写真の場所は、「プリンセストヨトミ」という小説が、2011年に映画化された時に、大阪城の地下にある「大阪国」への入り口として撮影された「空堀(からほり)商店街」の一角です。


私もこの映画を見ましたが、この景色はコンピュータグラフィックス(CG)で加工されて、この場所の様子も大きく改変されていました。
右の写真の白壁の部分は大阪城に通じる事務所になっていましたし、突き当りに見える赤色テントのお好み焼き屋さんは完全に右側に移転されていました。 このようにCGを使うと、この場所であることもわからなくなってしまいますね。
「抜け穴」「お宝」というのは、大阪人の頭の片隅に今でも残っているようです。 そのために、「お濠を掘ったら何かがきっと出てくる・・・」と思っているのは私だけではないと思います。
・・・ということで、今回は終わりにします。お読みいただき、ありがとうございました。

→ こちらにも大阪城の話題(巨石・勝手に決めたパワースポットなど)
→ こちらには、最近の大阪城の風景・トイレなどを紹介しています。
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