「淀川」は、大阪平野に暮らす人々の生活を支えている最も大切な川です。

琵琶湖から流れ出た川は 瀬田川 → 宇治川 → 淀川　と名前を変えて大阪湾にそそぎます。この淀川の「起点」は京都府の八幡市付近です。

ちなみに、淀川の源流は滋賀県の山奥で、そこから大阪湾までは130ｋｍあり、琵琶湖の出口（瀬田唐橋）からでも75ｋｍの距離を流れているということになります。
私は3回に分けて散歩がてらに「淀川」だけの距離38ｋｍ程度を歩きました。

淀川は大阪府での呼び名

淀川は「琵琶湖」につながっていることは小学校時代から習っていましたし、上流は宇治川だということも、小学校の遠足で聞いていました。　 ・・・　が、ともかく、自分の目で確かめながら「淀川」を歩いてみようというのが今回の目的です。

琵琶湖は大きいのですが、その水は、1か所しかない出口から「瀬田川」となって流れ出ます。そして途中から「宇治川」に名前を変えて、このGogleの写真の京都府の大山崎町・八幡市あたりで、 京都市の西側を流れる桂川と奈良県から流れてきた木津川が合流して「淀川」になります。

川の名前は「その土地の呼び名」と行政管理上の理由で変わるらしいです。滋賀県：瀬田川、京都府：宇治川、大阪府：淀川　ということですね。

この淀川の下流は、大阪市に入って 都島区の毛馬で新淀川と旧淀川（大川・堂島川・安治川） に分かれて、それぞれが大阪湾にそそぎます。

川の名前は最終の河川名で呼ぶ・・・という習わしのようなのですが、淀川の本流は、河口付近で「新淀川」になるので、それが河川名になりそうですが、そうなっていません。

その理由はなにかあるのでしょうが、私自身「淀川」のままでいいと思います。

今回は本流だけを歩きましたので、毛馬の閘門から分かれた「大川」は、大阪の中心地の中の島などを通った後に、「安治川」となり、ユニバーサルスタジオジャパンの近くから大阪湾にそそいでいますが、この「旧淀川」については触れていません。

淀川は日本一支流数の多い川

上のGogleの写真では５本の川が合流しています。
このように、淀川は支川（支流）の数が日本一で、日本一長い信濃川の８８０本をしのいで、 ９６５本の川が合流しているという記事をWEBで見つけました。

淀川の起点

基本的には、大阪府になる地点で川の名前が「淀川」に変わるのですが、この記事に「宇治川の起点」を紹介していたのですが、どうも、複雑なようで、それをこちらで紹介しています。

ここでは、桂川、宇治川、木津川がの3川が合流する地点を起点として、歩いて南下しました。

3川の合流地点は、地点は、京阪電車の橋本駅、阪急電車の水無月駅あたりが最寄り駅ですが、京阪電車の八幡市駅で下車して、「木津川御幸橋（ごこうばし）」を渡ったところの「さくらであい館」の展望台から見るか、「背割堤（せわりつつみ）」を1.5ｋｍほど歩いて先端の「0ｋｍ地点」へ行くのがいいでしょう。

「さくらであい館」では、空撮ビデオが上映されていたり、淀川の歴史なども紹介されています。Googleの地図で見るような状態では見れませんが、360度展望できるので、周りの様子がよくわかります。（H31.1現在は、無料で利用できました）

（お断り）当初より、宇治川と淀川の分かれ目を歩いて調査した記事を掲載していましたが、その後、矛盾や間違いが見つかりました。さらに歩いて詳しく調べた内容を含めて別のページに移しました。（H31.1）

この八幡市駅は、古文の時間に吉田兼好の「徒然草52段　石清水」の話で習ったことがあるのですが、駅を出るとその横にケーブルカーの乗り場があり、写真に見える「男山」の山上付近に神社があります。この高さなので、別に行ったのですが、徒歩でも30分ぐらいで頂上に着きます。　

徒然草では、「兼好の時代に、京都の仁和寺（にんなじ）からここまで歩いてきて、ふもとにある立派な神社(石清水八幡宮・頓宮）を見て、それが 「石清水八幡宮」と間違えてそのまま帰ってしまった・・・」というのですが、この頓宮を訪れると、非常に立派で、兼好の気持ちがわかる感じがします。ぜひ機会があれば立ち寄ってください。

今回は淀川の起点探しですので、京阪電車の踏切を渡って北側に位置する川の起点に向かいます。

　

この「八幡市」辺りで木津川・宇治川・桂川が合流します。

　　

上左から、木津川、淀川、桂川です。この日は、木津川が泥水になっていて、一番汚く、淀川が比較的澄んでいます。木津川は奈良県の木津付近では非常にきれいな川ですので、雨などによって汚れたのかもしれません。

H31.1には、水は非常に綺麗で、桂川では、大きな鯉が泳いでいるのが見えました。
　桂川に泳ぐ鯉
　京滋バイパス付近の淀川（宇治川）
　木津川御幸橋からの木津川

淀川左岸を歩いて・・・

地図で全行程を眺めると、左岸のほうが、川に近くて堤防が整備されていそうなので、ひたすら川の堤防の道を下って行くことにしました。
樟葉（くずは）、牧野の河川敷のゴルフ場の間を抜け、枚方を通り、寝屋川、守口などでは、河川敷はきれいな公園として整備されています。
河川敷は広いので運動場やゴルフ場などが作られ、大阪府民の憩いの場として整備されていますが、すこしの大雨で河川敷が水浸しになります。

河川敷が広くなっているところには、ワンドと呼ばれる水たまりがあります。

小学生低学年にこの辺りに住んでいました。学校から帰ると、このあたりの河川敷に遊びに来ていました。

当時はこのような整備はされておらず、河川敷が広がっているだけの最高の遊び場で、ワンドでの魚釣りや土手や芦原で遊んでいましたが、人けも少なく、人目につきにくいことで、今なら「危険だから近づかないように」というような掲示のありそうな場所だったのですが、しかし、子供にとっては格好の遊び場でした。

いつまでたっても、うっすらと記憶していますが、芦原の中で人が死んでいたとか、(そのときは子供で、何の話かわからなかったのですが)アベックがひと目に隠れて葦原に入っていく・・・という話題も多かったような、普通の人が寄り付かない場所でしたが、現在は整備が進み、たくさんの人の集まる憩いの場になっています。

毛馬の閘門（けまのこうもん）から新淀川に

　

毛馬の閘門（こうもん）に近づくと、各所に警戒用の看板や「接近禁止」などがみられます。
「こうもん」とひらがなで書くとお尻の穴か水戸のご老公さまを連想するのですが、この「閘」の字はあまり見ることのない難しい字ですが、イメージできる字です。

閘門は扉を利用して水位の違うところに船などを通す装置で、「パナマ運河」が有名ですが、この毛馬の閘門も同じように船を渡すようなのです。今日はそちらの方向へは行きません。
水門（閘門）では、淀川の水を 「新淀川」と旧淀川「大川」に分水しています。

これはもともと、水害に対する治水のためだったのでしょうが、これを作るにはかなりの大工事だったと思います。
毛馬の閘門付近は危険防止のために一般船舶の航行が禁止されています。

この地点は、河口から9.5Kmで、川幅は、河川敷を加えると、600ｍ以上ありそうです。

　　 　

河川敷の公園を抜けてしばらく歩くと、左手に空中庭園のあるビル「新梅田シティー」が見えてきます。
このあたりで、河口まで8ｋｍ。 枯れたアシの絨毯が広がりますが、このアシの高さは2ｍほどあります。

河口0ｋｍに来ましたが、淀川は終わりません

　

そしてついに淀川の河口　0.0ｋｍ地点に来ました。
表示は防波堤の上と下あって、ここでの川幅は1ｋｍ近くありそうです。対岸の工場がかすかに見えるぐらいに大きな河口です。

現在は、この写真のように、道路表示があるので、遠くからでもわかります。これは色んな所で表示がされています。これは、「川の左岸で河口から0.0km」であることが表示されています。

向こうに見えているのは阪神高速の湾岸線ですが、淀川に沿ってその先に500m以上も埋立地が続いていて、更にその先に「舞洲」や2025年に万博開催が予定されている「夢洲」などの人工島があるので、純粋に大阪湾になるのは3kmほど先になります。しかし、右岸側の埋め立てが切れているので、ここが河口0kmということになっているようですね。

琵琶湖から流れ出た宇治川が、淀川に名前を変えて、この河口まで38ｋｍ。それを自分の足で（3回に分けましたが）歩いたことになります。

川の流れは・・・

思い付きですが、ちょっと計算をしてみましょう。
川が毎秒10ｃｍで流れるとして、1時間では360ｍ。そうすると1日では8.6ｋｍ進むことになりますが、淀川の起点から38ｋｍですので、この河口まで4日半ぐらいで着くことになります。

琵琶湖からの距離は75ｋｍなので、９日足らずで大阪湾まで来てしまいます。
上流のほうは川幅も狭いので流れも速く、15ｃｍ平均とすると、１週間かからずに河口に来ていると思うと、 遅い流れに見えても休みなく流れている川はすごいと感心せざるを得ませんね。・・・・　

・・・と思いつつ、川の行く手を見ると、まだ陸地があり、川もまだ先に続いています。埋め立てが進んだためでしょうか。

学校で習ったころには「大阪府が最小面積の府県」だったのですが、大阪湾の埋め立てが進んで陸地が増えたので、いまではその地位を「香川県」に譲り、2番目になってしまっています。ちなみに、下から3番目は東京都、4番目が沖縄県らしいです。

どこまで先まで歩いていけるのか

0km地点よりもさらに　真の河口に向かって歩いて進んでみます。
ともかく進めるところまで先に進むと、大阪北港のヨットハーバーがあります。

　

そしてさらに、歩いて行き着いた先がここです。
右写真の先端は防潮堤防の灯台ですが、海上に作られた波よけですので、そこへは歩いては行けません。そして、左の写真のように行き止まりの柵があって進めません。ここが「歩いて辿れる、淀川の最果て=河口」・・・ということになります。　

向こう岸に見える塔のような派手な建物は舞洲にある清掃工場です。とても奇抜で目立つデザインなので、USJ（ユニバーサルスタジオジャパン）と間違う人が多いようです。
USJはずっと左の奥手にあります。そしてこの右側の防潮堤の奥が夢洲ですが、次期万国博覧会の開催が決まった「夢洲」の人工島はその向こう側で、ここからは見えません。

歩くことができる最先端まで来ましたので、淀川を歩くたびはおしまいです。
お読みいただき、ありがとうございます。

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