少し前までは、LEDの点灯の仕方としては、①電源電圧と②使用するLEDの種類(順電圧が2Vか3V)がわかれば、③オームの法則を使って ④「抵抗器」の抵抗値を計算できる … という手順で、さらに、その値に近い抵抗器を使って点灯させるという説明でした。
もちろん、基本はこれでいいのですが、明るすぎると使いにくいこともあるので、少し考え方を変えたほうがよい感じです。

オームの法則は 電圧V=電流A x 抵抗R で、この中の2つがわかれば、残りが決まります。
この場合は、一般的にLEDは10mA程度の電流で発光させるので、求める抵抗Rは 電圧/電流 から、(5V-2V)÷0.01A=300Ω の抵抗を使えばいい … と計算で抵抗値を求めてきました。
しかし、最近は、砲弾型のLEDは高輝度タイプになり、輝度も大きく変えられますし、色やメーカーによっても特性が違っていたり、大電力タイプなどの様々な新しいLED製品が販売されてきていますから、今までのように、「タダ、点灯すればいい」ということではなく、LEDの使い方や考え方も、もっと変わってもいいはずです。
ちなみに、LEDを点灯させて計測してみたところが …

これは1つの例ですが、ここでは、「5Vの電源で2Vの普通タイプのLEDを200Ωの抵抗値で発光させて測定したのが上の数値です。
普通オームの法則 電圧V=電流A x 抵抗R の計算値と、この実測値を比べてみましょう。
抵抗値がわからない場合は (4.92-2.18)÷0.0133≒206Ω で計算できます。
また、電流値は (4.92-2.18)÷198=0.0138 と、
そして、抵抗器での電圧低下は、 0.0133x198≒2.63V という計算値です。
つまり、測定値と計算値の関係はきっちりとは合いません。
「オームの法則は正しい」ということは変えられませんから、これは、測定精度の問題や測定の方法に問題があるということですが、それよりも、今までの2Vの普通タイプのLEDは、この程度の違いがあっても、どうでも良かったのでしょう。
計算値と実測値はきっちり一致させるのは至難の業
このように、素人が手持ちの計測器で測定するのは難しいことで、オームの法則の計算した値と実測値が合うほうが不思議でしょう。
そこで私は、こちらのページなどで、「200Ωの抵抗値で点灯させてみて、その状態で抵抗器を変えてみる」ということをおすすめしています。
LEDの種類が変わっても、LEDでの順電圧(LEDでの電圧降下)は1.6V~3.7V程度で、流す電流もmax15mAと考えておけば、5Vの電源では、
(5-1.6)/0.015≒227Ω ~ (5-3.7)/0.015≒87Ω なので、まず、200~220Ω程度の抵抗を付けて点灯して、その状態で明るさや電流量を見て、抵抗値を変える方法が実用的でしょう。
通常は5mA程度で充分に明るいので、500Ω程度の抵抗でもいいのです。
そこで、ここでは、LEDの基本的なことをおさらいする意味で、いくつかのことを紹介します。
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LEDのつなぎ方を逆にすると光らない
LEDは整流作用のある「ダイオード」ですから、プラスマイナス(アノード・カソード)を逆にすると点灯しません。

プラスマイナスを逆につないだ時の電圧が「逆電圧」で、「逆につないでも電流が流れない」と言っても、ダイオードですから、「逆電圧の許容値」があります。
データシートを見ると、ほとんどのLEDの逆電圧は5V程度です。
このHPでは5Vの電源を用いており、さらに抵抗を直列にして使っておれば、逆に接続して電圧を加えても点灯しないだけで特に問題も起きませんから、特に逆電圧は意識することもないのですが、電圧を高くして、直列に多数個のLEDをつなぐ場合は、24Vとか100Vの電源を使いますので、逆向きにつながないように注意しないといけません。
LEDは逆につなぐと点灯しないことを確認してみます
下の左側写真は通常のLEDの点灯状態です。
そして、右側は電源のプラスマイナスを反対につないでいますが、電流0.00mAで全く流れていません。

LEDは一種の「ダイオード」で整流作用があるので、プラスマイナスを逆にすると全く電流が流れないということがわかります。
ここで、オームの法則での関係をおさらいしてみましょう。
ここでは、3mmの白色LEDを5Vの電源で200Ωの抵抗器を直列にして点灯させるのですが、高輝度タイプLEDなので、点灯するとLEDで3V程度の電圧降下するので、余分な2V 分を200Ωの抵抗器で下げている状態です。
抵抗器に流れる電流は、オームの法則の 電圧V=電流Ax抵抗R から A=V/R =2V/200Ω=0.01A(10mA) と計算できます。
点灯状態での実測値は 9.76mA ですから、ほぼ計算値の10mAで点灯しています。
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LEDは発光部が一度焼損すると使えなくなる
LEDは電流が流れることで発光します。
そして、電流を多く流すにつれてLED内部の熱が上がり、充分な放熱ができないと焼損します。
私の勤務した工場の天井灯を省エネ化で、水銀灯からLEDランプに変えたところが、工場は火を使う作業をしており、LED器具付近の環境温度が60℃~80℃と高温でしたので、このLED照明器具は半年(約5000時間)程度しか使えず、費用の無駄をした経験があります。
現在は、耐熱タイプのLED天井灯が販売されているので、それが使われていますが、LEDが熱に弱いと言うことをよく知らなかったために、省エネになるはずがコスト高になってしまったという失敗談です。
LEDメーカーの日亜化学さんの資料にあるように、LEDは高温環境には非常に弱いということを知っておく必要があります。(寿命時間の関係のデータは見当たりませんでした)
周囲温度は重要な要素で、LEDにカバーを付けるなどで、放熱を妨げると寿命を縮めます。

LEDはこのような「環境温度」だけではなく、電流を流しすぎると内部で熱が発生しますので、ともかく「LEDは熱に弱い」というイメージを持っておいてください。
LEDのデータシートの一般的な値も見ておきましょう
汎用のLEDを購入すると、〇〇V〇〇mAなどの表示もないし、データシートもない商品も多いようですが、基本的なことを見ておきましょう。
LEDによっても、個々の仕様は違いますが、着目点は同じです。

まず、絶対定格値(Absolute Maximum Ratings)のところを見てください。
絶対定格値とは、この値を超えて使うと、LEDは焼損してしまうという値です。
特に重要な点は、LEDに流す電流量ですが、仕様よりも低い 15mA以上は流さない … と覚えておくのが無難です。
そして、上のグラフのように、加える電圧で流れる最大電流量が決まります。
もちろん、このグラフは、どのLEDにも使えるものではありませんが、①点灯させるために必要な電圧 ②焼損させないための電流と、それにするための電圧の幅 などを見ておくといいでしょう。
この表では、①2V用は20mA、3V用は30mAを超えてはいけない ②5V以上の逆電圧で使わない ③高温環境はよくないので、通常は常温で使う ④はんだ付けの際に温度に注意する などの項目を確認しておきましょう。
次に、同様のものですが、LEDで有名な日亜化学工業さんの白色LEDのデータシートも合わせて示しておきます。


この例のように、砲弾型で単体のLEDではよく似ているものの、メーカーによって違っています。
このために、特に、特殊な使い方や絶対定格値の限度付近で使いたい場合などは、使用するLEDのデータシートを見て、使用条件を決めるのが無難です。
ただ、電子工作で使う場合は、通常は15mA以内使うようにして、放熱に気をつけて温度が上がらないように使うということに注意していると問題はおこらないでしょう。
LEDに流れる電流量と見た目の明るさについて
LED特性のグラフの例(日亜化学さんのカタログ111130による)をみると、電圧を上げていくと、電流量に対する明るさの程度は小さくなっています。
つまり、20mAで点灯していたLEDに2倍の40mAの電流を流しても、2倍明るくはならないことがデータで示されています。

電流を多く流しすぎるとLED内部の熱でLEDの劣化が進み、寿命を縮めるだけですから、普通タイプでも高輝度タイプでも、仕様の上限で使用しないで、15mAを超えないで適当な明るさになるように設計するのがいいでしょう。
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