PR

超音波センサを近接スイッチとしてアナログ的に使うヒント

本来、超音波センサは、デジタル回路で使う方法がたくさん紹介されています。

ここでは、超音波センサを簡単に使いたいと、前のページ(→こちら)では、基本的な送受信用の回路を組み込んだ「超音波センサモジュール」を使って、アナログ的にセンサと反射物の距離を知る使う方法を試しました。

その結果は、モジュールから出る出力は、反射するものまでの距離に応じて「パルス幅が変わった信号」になっていて、アナログ的に電圧を測ると、距離と電圧には直線的な比例関係で扱えることが分かりました。

これを使って、「近づくとスイッチが入ったり、切ったりする動作」が、簡単なアナログ回路でできるかどうかを実験してみました。

パルスを電圧測定する

つまり、出力電圧と距離の関係をグラフや1次式にしておけば、出力電圧を測ると、センサと対象物の距離が分かりますし、逆に、距離によって、出力されている電圧が分かります。

これを利用すれば、例えば、模型自動車を、ある位置に来るとストップさせたり、ブザーを鳴らしたり、DOORを開けたり … ということをさせる事ができますね。

まず、動作電圧(または距離)を設定しておいて、センサーからの電圧でそれを判定することで、必要な動作をさせることができそうです。

ここでは、センサモジュールからの距離の電圧を、コンパレータを使ってON-OFFさせる方法を使います。

コンパレータは、設定した電圧で出力がオン・オフするためのものです。

ここでは、汎用のオペアンプ(LM358N)を使います。 こちらに関係記事がありますし、このページのように、簡単なやり方ででき、いろいろなところに使えて便利なものです。

最終回路は、こんな感じです

今回の回路図

今回の最終回路

センサモジュールの4本の端子がありますが、「Trig」は使いません。

ここでは、「Echo」端子の出力を、オペアンプLM358Nの「+」に入れて、100KΩと330Ωで分圧した判定のための電圧を「-」端子に入れています。

こうすると、距離が遠い(すなわち出力される電圧が高い状態)だと、LEDは点灯しています。 そして、センサに接近させていくと、電圧が低下していき、判定電圧以下になると、LEDが消灯するようになっています。

反対の動作は、入力ピンを入れ替えればいいだけです。(ここではやっていません)

まず、判定電圧確認用に便利なように、写真にあるリード端子を付けておいて、半固定抵抗で電圧を設定します。

前のページで実測した数値を使うのですが、あらかじめ作成したグラフで読み取るか、1次式を計算すればいいので、例えば、15cmにしたい場合は、Y=16.95X+3.9 という一次式でしたから、X=15なので、260mV程度に設定すればいいのです。

精度からみると、 Y=17X+4 として計算しても問題ないですね。

この電圧をセットして、実際に動作させてみると、本(対象物)の向きや角度でかなりばらつきが出ますが、実用できる程度でオン・オフします。

多回転タイプの半固定抵抗を使うと、細かい電圧調整ができるので、設定精度が上がるでしょう。

 

でも、動作は完ぺきではないようです

なにか動きがぎこちない感じがしますし、LEDもちらついていますし、コンパレータでOFFになっていても、完全に電圧が「0V」になっていないようです。

つまり、いくらパルス出力が「テスターで電圧として測定できる」といっても、それは、パルスの擬似的な電圧ですから、この回路を組み込んで製品化する … などは、さらなる検討が必要です。(ここではやりません)

しかし、趣味の工作レベルであれば、いろいろなことに使えそうです。

小さな電圧で、発振を伴う回路ですから、ブレッドボードで回路を組むことにも懸念があります。

もちろん、これらの対策も考えられるのですが、ここでの趣旨は「簡単に使える」ことですので、それらは割愛します。

ただ、上記の回路を決めるために、予備検討をしました。 むしろそれが、回路を考える場合に参考にしていただきたいので、それを説明します。

センサの出力電圧に見合った電圧を取り出して、電圧を判定する

前のページのセンサの測定では、40mV~4V程度が可変できるようにする必要があります。また、小さな電圧でも、コンパレータがうまく作動するかどうかをみる必要があります。

今回は、パルスの疑似電圧で作動させることもあるので、下のような回路で、何点かの確認をしました。

予備試験回路

まず、図1のようにすると、R1が0Ωのときは、330x5/(100000+330)で17mV、100kΩのときは 100000x5/(1000000+330)で 4.98V と計算できるので、端子に加える電圧はOKで、電流も、R1が0Ωで、5/330 と、最大でも15mAですので、問題なさそうです。R1が100kオームでも、電流は極小ですが、動作はOKでした。

そこで、コンパレータ回路のプラス・マイナスの各端子に、この回路をつけて動作させてみました。

コンパレータの予備試験

オペアンプの出力電圧は、実測で 3.4V でしたから、ここでは、状態確認用に、LEDをつけています。

結果的に、50mV以下の小さな電圧でも、正常に動作します。 もちろん、この回路では、完全な直流電圧ですから、LEDのちらつきや、OFFでも完全に消灯しないトラブルはありません。

しかし、今回のように、超音波センサの場合をつけて動作させるとい、LEDのちらつきや動作の不安定さがでています。

これは、超音波センサの本来の使い方でないこともあるかもしれません。

ただ、このように、発振などの高周波を扱うデジタル用の部品を、無理にアナログ回路で使う場合には、私のその他の記事でも、うまく作動しないことがあります。

手を近づけると誤動作したり、機械的なスイッチのノイズを拾ったり … などですが、(何度もお断りしているように)それを完ぺきに改良するのもいいのですが、ブレッドボードで組んでいるものですし、本来、このHP記事は電子工作を楽しむのが主旨ですから、使える程度に、いろいろなアイデアを試して楽しんでいただきたいと思っています。

だから、いろいろ改良するも良し、その他を考えるも良しで、楽しんでみてください。