前のページで温度センサのうち 0~100℃程度の温度範囲のセンサとして、サーミスタ を取り上げました。ここでは、電子工作で簡単に使える、温度センサICや温度によってON-OFFする電子部品(ここではサーマルスイッチ)について取り上げて紹介しています。
(お断り) ここで紹介する内容は、専門的な内容ではなく、電子工作に使えそうなヒントにできる簡単な内容の紹介です。
温度センサIC:MCP9700A
この種類のICでは、LM35 という型番のICが最もポピュラーなようですが、ここでは、それよりも安価なMCP9700A を用いて紹介します。

温度センサICは、バイポーラトランジスタと同じような形をした、「摂氏温度が電圧に比例して直読できるIC」で、「リニアアクティブサーミスタIC」というのが正式名称です。
ここでもちいるIC(MCP9700A)は、1℃の温度差が10mVの電圧差で、その関係が高精度に維持されて出力されるようになっている電子部品です。
そしてうれしいことに、非常に安価ですし、温度を測るためだけでは、付帯部品もほとんど不要です。
温度変化を電圧変化に変換してくれる使い勝手のいいセンサです

使い方は、3本の足につなぐだけです。
500mVのバイアスがかかっていて、使い方によってはGOODです
このMCP9700Aの場合は、0℃で500mVで、T℃のときは、10mV x T℃ で計算される電圧が500mVにプラスして出力されます。
つまり、 室温10度のときは、10mVx10+500mV=600mV 、100℃では 10mVx100+500mV=1.5V の電圧が出力されます。
ポピュラーな「LM35」との違いは、500mV(0.5V)のバイアスがかっていることです。
言い換えると、LM35は、たとえば、0℃で0V、100℃では1Vの出力電圧ですが、MCP9700Aではそれぞれに500mVが加えられた、0℃で0.5V、100℃で1.5V が出力されます。
価格を考えない場合は、0℃で0mVになるLM35のほうが使いやすそうな気がします。
しかし、マイナス温度とプラス温度を測定する場合や、0℃を跨いだ温度(例えば-20℃から+50℃など)を測りたい場合は、符号の処理を考えなくていいので、この MCP9700A のほうが使いやすいでしょう。
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回路図にあるパスコンは取り付けたほうがいいようです
「外付け部品が不要」とありますが、データシートの注意書きには、図のように1ピン(Vdd)と3ピン(GND)間に0.1~1μFのバイパスコンデンサ(パスコン)を「ピンに近づけて」取り付けること、また、ノイズの多い電源電圧をVddに入れる場合は200Ωの抵抗と1μFのパスコンを使うように … との指示があります。

今回は、Vdd(1番ピン)に3Vの電源をつないで、出力と室温を表示しています。 パスコンは使っていません。
テスターは830mVを示しているので、500mVを引くと330mVで、10mVが1℃なので、ICの温度示度は 33.0℃ ということになります。
横においた温度計も 33℃ ですので、同じ示度になっています。
ここにある温度計の方が、むしろ、いい加減な精度ですので、このセンサーは問題なく「プラスマイナス1℃の範囲の精度」に入っていると考えていいでしょう。
データシートによれば、精度は「25℃を基準として、0~70℃の範囲で1℃以下」とあります。写真で比較している温度計も、同じような素子が使われているかもしれませんが、いずれにしても、たしかに高精度です。
電源電圧は 2.3~5.5V の仕様ですので、上記の 3Vを 5V にしたところ、830mV が 834mV になりました。
電源電圧の違いで0.4℃の差が生じています。
これは少し問題で、この状態では、どちらの室温が正しいのかはわかりませんし、温度の精度測定は正直言って結構難しそうなので、ここでは確認しません。
しかし、付加する電圧で若干の出力(示度)が変わることを含めて、これも誤差の範囲と考えても、±1℃ の範囲で正しい … と考えればいいでしょう。
ともかく、非常に安価なのに高精度なことに驚きます。
このように、簡単に温度が測定できる特徴のあるICですが、WEBの記事では、マイコンを使った例が多く掲載されています。興味ある方は検索ください。
次は温度によってON-OFFする電子部品の紹介です。
電子工作でも使える、温度でON-OFFする「サーマルスイッチ」
このHP記事では、温度センサで、サーミスタと温度センサICを紹介したきましたが、その他にもたくさんの温度センサがありますし、温度でオンオフする部品や機器はたくさんあります。
温度センサとスイッチが一体化している「サーモスタット(温度スイッチ]」、バイメタルなどでオン・オフする「サーマルスイッチ・サーマルリレー」などは、機器類を温度や過電流から守るためなどでたくさん使用されているのですが、ここでは、電子工作で使えそうな、小さくて、安価で、簡単な「サーマルスイッチ」を紹介します。
サーマルスイッチ 67F070(または 67L070)

これは、指定の温度で開閉する「温度スイッチ」です。
この型番はバイメタル式のサーモスタットで、2種類のタイプに分かれていて、指定の温度になると『閉じる(ONになる)』ものと『開く(OFFになる]』ものがあります。
写真の、型番67F070では、末尾の070が70℃の動作温度を示し、Fはその温度になったら「閉じる」(電気が流れる)動作をするものです。
もう一方のタイプの 67L070 では、70℃になれば「開く」(電流を遮断する:OFFになる)動作ですので、購入時には、動作温度と動作を確認して購入する型番を間違わないようにしましょう。
回路に直列につなぐだけで、使用法も取り扱いも非常に簡単で、たとえば、周囲温度が指定以上の高温になれば閉じる動作のFタイプでは、「ファンを回して冷却する」… などの動作をさせることができますし、もう一方の開く動作のLタイプでは、「指定の温度になればヒーターの電源を切る」… ということなどを簡単に行うことができます。
型番によって動作温度が50~130℃までの製品ラインアップがあり、復帰温度も動作温度のおよそ20℃下の温度で復帰して繰り返し使用でき、115V1Aで1万回の開閉寿命があるので非常に安定して使用できます。
ここでは、こういう物がある … ということで紹介していますが、私はこの製品を 100円以下で購入したので「使いやすい」と思って紹介しているのですが、WEBでの製品価格がまちまちなことが気になりました。
この部品に限らず、メーカーや販売店によって、価格が大きく異るものがありますので、高くなければ購入して、遊んでみるといいでしょう。
温度センサーを使用して、実際に何かの動作をさせようとするには、オペアンプやコンパレーターを使って警報を出す方法などは、基本回路を使えば、そんなに難しくありません。
そして、電子部品は安価なものが多いので、時間を見つけて楽しんでみてください。


