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水晶発振子を使った正弦波の発振と水晶発振器

ブロッキング発振(→こちら)、マルチバイブレータ(→こちら)、弛張発振(→こちら)など、失敗なしに簡単に発振をしてくれる回路を見てきましたが、発振に関する最後に、水晶による発振を取り上げます。

水晶はきれいなサイン波を出してくれる … と書籍などに書いてあります。 CRを使う発振回路で、きれいな正弦波(サイン波)を発生させようと、ブレッドボードで組んでみても、うまくいかないことを多々経験されている方も多いと思うのですが、ここでは、水晶発振器でのサイン波の発振をみてみます。

また、「水晶発振器(クリスタルオシレータ)」と呼ばれる、回路を一体化した部品は、水晶の発振を利用して、単体で正確な発振をするように作られた使いやすい部品があります。

それらを簡単に紹介します。

ただ、このHPで、これまでに紹介している「低周波発振」と違って、水晶発振子の発振周波数がかなり高いことで、このHPでは、これらの部品を使う記事は、多分、紹介することがなさそうです。 それもあって、ここでは、簡単な紹介だけにとどめます。

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水晶を利用した発振素子

クリスタルオシレータ

「水晶」という名前は、高価でデリケートな感じがしますが、100円以下の価格(OSC1Mは200円程度でした)で、気軽に使えます。 ぜひ、数種類の周波数のものを購入して遊んでみてください。

これらは、電圧を加えると固有振動する「水晶(クリスタル)」の性質を利用して発振させるのですが、「電圧を加えると固有振動し、その振動精度が非常に高い」という性質は、時計やパソコンのクロックなどに使われているとおりで、いろいろな周波数のクリスタルが、いろいろな用途に使われています。

ただ、汎用品の固有振動数はMHz以上の周波数のものが多いですし、もちろん、振動していても、音も聞こえない高い周波数の発振ですが、「きれいな正弦波」を発振する … ということなので、その様子を試してみました。

 

きれいな正弦波を発振させるのは簡単ではなさそうです

書籍にある「正弦波」の発振回路例をいくつかをブレッドボードに組んでみても、きれいな正弦波でなくても、うまく発振してくれない場合も多いようです。

ブレッドボードの部品の配置や配線の仕方が影響しているのかもしれませんが、書籍などに書かれている回路図にも、CR部品の詳細が書かれていない回路図が掲載されていることが多いのをみると、やはり、きれいな発振をさせるのは簡単ではないということかもしれません。

ただ、水晶発振子自体は非常に安定した発振をしているはずなので、そういう組付け上の不安や、周波数が高いことはさしおいて、ここでは、ともかく、水晶発振子を使った正弦波の様子をみてみることにします。

水晶発振子を使った発振回路について

京セラさんなどの水晶発振子メーカーさんのデータシートを見ると、下図のように、インバータICを使って正弦波と方形波を観察できる回路が紹介されています。

水晶発振子の回路例 WEBの図

この記述を見ても、やはり、部品の詳細値を明示するのは大変そうですね。

そこで、WEB記事の「我孫子おもちゃ病院」さんのHPに、「発振回路中の発振用コイルを水晶発振子に置き換えるとうまくいく … 」という例が紹介されていましたので、その回路を参考にさせていただいて回路を組み、オシロスコープで波形を見てみました。

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ブレッドボードに組み付けた回路

今回使った水晶発振子用の回路例

これは、クリスタルの振動を、トランジスタのベースに入れて、それを増幅させた波形をオシロスコープで見る … という回路になっており、少し危なっかしいやり方ですが、ブレッドボードに回路を組んでみました。

ブレッドボードに組んだ回路

かなり適当な組み方なので不安でしたが、ラッキーなことに、サイン波の発振が確認できました。 下は、10MHzの水晶発信子の場合の波形です。

10MHzの水晶発振子の波形

水晶発振子は4MHz、8MHz、10MHzのものが手元にあったので、観察した時の「周波数とVpp(ピークツーピーク:山と谷の電圧差)」を下に示しています。

オシロスコープの倍率を変えるだけでも、見え方や数値が変わりますので、ここでは、そのおおよその発振波形の様子だけを見ていただくといいでしょう。

8MHzと10MHzは、ほぼきれいなサインウェーブですが、4MHzの波形がきれいな正弦波ではありません。しかし、周波数変動もなく、波形も、非常に安定しています。

ブレッドボードに適当に回路を組んでいるので、ここでは、とりあえず、「この回路で波形がみえました … 」ということで、それ以上深入りしませんが、これでご了承ください。

3つの発振波形の比較

水晶発振器(クリスタルオシレータ)の例

手元に、2種類の水晶発振器があったので、それをあわせて紹介します。

水晶発振器2種

これらは、ブレッドボードでもうまく使える形状で、8ピンのICホルダーを使って、基板に組み込むこともできます。

データシートから抜粋

上は、データシートの抜粋で、ここでは、4本のピンのうち、電源と出力用の3本を使って、下の回路で、オシロスコープで発振波形をみました。

波形観察用の回路

SG531P(12MHz)の波形

SG531P測定中

SG531P波形拡大

OSC1Mの波形

OSC1M観察中

OSC1M波形拡大

出力端子の電圧をテスターで測ると、2.4~2.5V になっています。

2つの波形は全く異なっています。

また、データシートには、回路の浮遊容量が15pF以下 … と書いていますが、10~30pFをつけてみても、何も変わらないようなので無視して、フリーにしています。

この波形の違いについて … ですが、私の経験しているところでは、波形が安定していて、発振のタイミングが取れれば、波形はそんなに重要でないことが多いので、使う場合には、どちらの波形でも、問題はないと思っています。

オシロスコープのデジタル数字を見ると、12.000MHz、1.0000MHzというように、非常に正確で安定した発振をしています。

だから、水晶発振子を単体で使うよりも、安価ですし、不安定な余分な回路もいらないので、簡単便利な感じがします。

以上、ここでは、概要の紹介だけにとどめます。