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ブロッキング発振を利用してBEEP音を出してみよう

この記事は約9分で読めます。

電子工作を楽しむために、発振はよく使いますし、音が出ると楽しいものです。

書籍などには、色々な発振回路の記事があっても、部品の詳細が書いてなかったり、回路を組んでも、うまく発信してくれないこともしばしばありますが、ここに記事にしているものは、私自身が、実際に回路を組んで動作することを確認しており、回路も簡単ですので、比較的に失敗は少ないと思います。

[注意]このHPでは、危険なものは扱いませんが、記事中にあるように、トランスで50Vに昇圧される部分があります。 もちろん、電流が小さいので、危険はありませんが、感電するので、通電中はトランスに触れないようにしましょう。

発振の方法は色々あり、ここでは最も簡単な「ブロッキング発振」という方法を利用します。 また、こちらのページでは、マルチバイブレータと呼ばれる発振でLEDを点滅させる内容を、さらに、こちらのページでは、その他のPUTを用いた発振、弛張発振、水晶発振子による発振などを紹介していますので、ぜひいろいろな発信を試してください。

さて、音が聞こえる … というのは、人間の耳で空気の振動を感じることです。その振幅を与える電気的な方法の一つに「低周波発振」があります。

回路が書いてあっても、うまく発振してくれないものも意外と多くあります。

回路を組んで思ったとおりに動かないとなると楽しさも激減しますので、まず最初は、比較的失敗の少なそうなものを選んで、ブレッドボードで回路を作って、「発振している」ということを体感していきましょう。

もちろん、私自身が電子の専門家でないし、発振の現象や仕組みを充分に理解していませんが、回路を組んで確かめていますので、ここでは、難しいことは考えないで、ともかく発振させて音を出してみましょう。

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ブロッキング発振

もっとも簡単な部類の発振の回路です。

もちろん、「音がなる」というだけのものですから、ちょっとした環境や温度などの条件で音程・音質が変わる … という欠点もあります。

いわゆる、「高品位で安定した発振」というものではないのですが、簡単に回路を組めるのが魅力ですし、回路中のパーツ(抵抗値やコンデンサ容量)を変えると簡単に音が変わるので、結構、アレンジして楽しむことができるでしょう。

さて、その「人間の耳で聞こえる音」 ですが、人間の声は、およそ100~1300Hz程度の周波数で、女の人のキャーという叫び声が4000Hz程度と言われています。 つまり、そのあたりの周波数の音が最も認識しやすい「聞こえやすい音」… ということですね。

また、楽器の基音は(例えば広帯域のピアノで)100~4000Hzといいますし、人間は20-20000Hzの音が聞こえるといいますが、そこで、ここでは特殊な音ではなく、聞こえやすそうな 1000Hz程度の周波数の音をスピーカーから出すことをやっていきます。

最も簡単ブロッキング発振回路の例

これがその回路例です。 トランスの1次側に「中点タップ」のあるものを用います。

ブロッキング回路例

0.05μFは、0.047μFを使用しています。

これらの抵抗やコンデンサは、あとで、いろいろ取り替えて、音の違いを見ることにします。

実体配線組立図

このブロッキング発振の「ブロッキング」は、「阻止する・ブロックする」という意味で、この回路では、電流を阻止することですが、その主役を演じるのがトランス(コイル)です。

トランスに巻いてあるコイルは、電流を流そうとすると「流さないように抵抗」し、電流が途切れると、途絶えた電流を補うように「逆起電力を発生」して、電流を流そうとするという性質があります。

そのために、回路中にコイルがあると、少しの電流変動があれば、定電流ではなくなって、「電流の波(電流の変化)」が生じますので、それをコンデンサで特定の周波数に共鳴させるということを、この回路でやっているようです。

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その発振が、可聴範囲の周波数で、なおかつ、スピーカーが再生することができる周波数であれば、音が出てきます。

ともかく音が出れば、第1段階はクリアです。

発生する周波数を変えてみよう

音を出すとわかるのですが、この共振状態(発振)は、ちょっとした電気的な変化や環境変化で変わりやすく、音がフラフラして安定していませんね。

これも結構、面白いのですが、さらにこれを、少しアレンジして楽しんでみましょう。

抵抗値を変えてみる

ここでは、回路の33kΩを変えてみましょう。

これによって、コンデンサに充電する時間が変化して、すこしですが、共振周波数が変わります。

ここではこの、抵抗値を変えた場合の状態は紹介はしていませんが、抵抗値を変えると、少しですが、音が変わるのがわかります。

この33kΩは、トランジスタ2SC1815のベース電流の制限用の抵抗です。 そして、この数値にした考え方は、こちらのページにありますので、参考にしてください。

抵抗値を変えると、2SC1815のベース電流値が変わり、それで、コレクタ電流量が変わります。

そこで、あまり大きく変えない程度の、10~50kΩ程度にして、音が変わるかどうかを試してください。

この回路は、トランスのコイルに流れる電流が不安定になるのを利用しているのですが、コイルは、予期しない変化を生む場合があるので、音が変わればいいですが、変な発振になる場合もあります。

それよりも効果的なのは、0.05μFのコンデンサを変えれば音が変わります。

コンデンサ容量を変える

回路にある0.05μFのコンデンサを0.01~0.1μF程度に取り替えて試してみてください。

あまり大きく変えてしまうと、音が出なくなったりしますので、いろいろ試してみてください。

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ここでは2SC1815を使っていますが、同様の低周波増幅用のバイポーラNPNトランジスタであれば同様に使えますので、手持ちのものがあれば、どうなるのかを見てみるのもいいでしょう。

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発振の形を見てみましょう

この回路では、コイル(ここではトランス)によって高い電圧を発生しているはずです。

オシロスコープで発振の波形をみてみると、このような波形です。

発振状態

この a-a、a-b は、上の組立図に示した位置です。

Vppは、波形の最高最低の電圧差で、このときにトランスの2次側のc-cの電圧は、4.6Vでしたから、トランスのコイルの作用で、電源電圧の約10倍もの電圧になっています。

このような変な形の波ですが、記事の後で、この音を録音したものを収録しています。 思ったほどに、聞いていて不快になるような変な音ではありません。

これを利用して何かを作る

ブロッキング発振回路は簡単な回路ですし、抵抗やコンデンサなど、少しの部品を変えると音が変わります。

ただ、スイッチを押している間にも音が変わるくらいに不安定で、いたって簡易的な発振回路といえます。

逆にいうと、簡単に音が変わるのも、考え方によっては面白いものでしょう。

抵抗変化で音の変化を楽しむ

これを利用して、例えば、雨水タンクの水のたまり具合によって「抵抗値の変化」で音が変わる仕組みなども作れそうです。

水の抵抗は数10kΩですので、回路の33kΩのところを「金属板2枚」を近接して置き、その金属板に水がくると音がでて、水量が増えて、触れる面積が増えると、抵抗値が減っていくので、若干電流が変化して流れて音が変わっていくでしょう。

この発振では、容量変化で音が変わるので、これを利用して面白い楽器やおもちゃを作ることができる可能性も考えられます。

フラフラした音になるのが欠点でもあり、面白さもあるので、何かをやってみるといいでしょう。

コイルは高電圧とノイズを発生することに注意

トランスのコイルによって、電流電圧が断続すると、高い電圧が発生します。

上で測定したように、5Vの電源が、10倍の50Vになっていますから、手を触れると感電します。

電流が少ないので、危険はありませんが、端子やコイルに触らないようにするのが安全です。

回路中にコイルがあると、このことを常に意識しておくぐらいでいいかもしれません。

蛍光灯は、グローランプの断続を利用して、コイルを使って高電圧を発生させて点灯させていますし、スタンガンなどはコイルを利用して高電圧を発生させているのですが、微小電流の50Vですから、ほとんどショックは感じませんが、汗をかいているとビリビリします。

余談になりますが、大事なことなので、感電について紹介します

「42Vは、死にボルト」という語呂合わせがあります。 42V以上で死ぬ … という語呂合わせですが、一般に、50Vで20mAの電流が体内の流れると、死亡する可能性があるとされています。

人間の身体の抵抗値は、テスターの端子を水をつけて握って測ると100kΩ以上ですが、文献によると、身体の抵抗値は5.5kΩ … という数字があります。

トランス端子で50Vの電圧が発生していて、身体の抵抗が5.5kΩであれば、オームの法則で電流値を計算すると、50/5500≒0.009A つまり、9mA ですし、また、100kΩであれば、1mA以下せすから、いずれも、感電死の危険はほとんどないのですが、ビリビリします。

この回路のように、コイルがあると、高い電圧が発生していることを知っておいて、通電したまま端子などを触るときは、注意しているに越したことはありません。

また、どんな発振でも、ノイズの発生源になっていますので、回りの機器にノイズが出てしまうことも考えられますので、そのこともあわせて頭に入れておいてください。[閑話休題]

パッシブブザーに変えると違う音になる?

ここではマグネチックスピーカ(普通のスピーカ)を利用しましたが、スピーカが取り扱いにくいようであれば、この写真のように、小さなパッシブブザーでも同様に使えます。

パッシブブザーを使って

次に、電源の電圧を変えたときの様子をみてみました

このHPは、5V電源を使うのを基本にしていますが、可変の定電圧電源を使って、加える電圧を変えて見たところ、電圧変化でも音が変わることがわかります。

電源電圧V およその発振周波数Hz
 2  1170
 3  1270
 4  1530
 5  2230
 6  2730

これは実測した例ですが、このように、電圧を変えると、周波数が変化します。 この周波数測定は、オシロスコープを使って測っています。

このように、本などにある回路を組んで音を出すだけではなく、発振回路に深く踏み込むと、いろんな現象に出会えますので、「音が出るのを楽しむ」ためというだけでもいいので、色々アレンジしていくと、結構楽しむことができるでしょう。

さらに違った感じの音にしたい場合は

次に、さらに、ちょっと違う感じの音にしたい・・・と考えて、ちょっとアレンジしました。

点線の部分の部品追加したりして、アレンジしています。 前の回路と少し違いますが、発振のさせかたはよく似ています。

回路の変更

変更後の実体回路

よく似た回路ですが、これらの抵抗やコンデンサは一つの例ですので、これをもとにアレンジしていただくといいでしょう。

点線の回路を追加すると、コンデンサに音を蓄える時間ができて、音が断続するようになります。

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これを録音してみましたので、聴き比べてください

リンクをクリックすると、音が出ます。mp3で録音しています。最初に、PCのボリュームを絞っておいてくださいね。

点線部分のないBEEP音

点線部分を追加したときのBIRD音

音を変更する場合は、0.1μFを0.05~0.3μFに、220μFを100~1000μF 程度で変えてみてください。

このコンデンサ容量を変更するときに、値を大きく変えてしまうと、音が出ないなども起こりますが、これも問題ありません。いろいろやってみると結構楽しめます。