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部品数が少なくて確実に発振する「弛張発振回路」

この記事は約5分で読めます。

弛張発振は、「しちょうはっしん」と読みます。 緩めたり引っ張ったりして発振する … というイメージでしょうか。

一般的に、発振回路の分類方法には、CRによるもの・LCによるもの・発振子よるもの などの分け方以外に、「弛張型」と「帰還型」という分類方法があります。

書籍などに載っている発振回路の多くは「帰還型」に分類されるもので、弛張型は紹介されていることが少ないので、私の記事でも帰還型をよく使うのですが、この帰還型は、正帰還(ポジティブフィードバック)のものと、CRL(キャパシタンス、抵抗、インダクタンス)を用いた『共振』を利用するのものがあって、WEBにもいろいろな回路が紹介されています。

水晶発振子など用いたものや、CR発振、LC発振、マルチバイブレータなども帰還形にして発振させることが多く、波形や電圧分布などがきれいな形になるものが多いので、方形波、正弦波などの基本波形はこのような帰還型で作られることが多いという理由なのでしょう。

それに対して、もう一方の弛張型は、断続するON-OFF信号が発振信号となるもので、回路が単純なものが多いようです。

このHPでも紹介している N555タイマーIC を用いた発振などは、この弛張型に分類されて、きれいな方形波で発振するものもあります。

しかし、どちらかというと、弛張型は波形の良さよりも、回路の簡単さが優先される感じです。

また、弛張発振に分類されるものには、ネオン管を用いた発振、アーク発生時の放電を利用した発振、リレーのON-OFFを用いたものなどがあり、前のページで、弛張発振の例として、PUTを用いて紹介しています。

下は、前のページで取り上げた、PUTを使った回路です。

PUTによる弛張発振回路の例

PUTをトランジスタに置き換えました

PUTをバイポーラトランジスタに置き換えても、うまく発振します。

PUTはトランジスタ2つの等価回路で説明されていたので、これを 2SA1015と2SC1815に入れ替えた回路にしたところ、これも同様に、うまく発振してくれます。

トランジスタを使った弛張発振回路の例図1

これも、やはり、RとCで発生するノコギリ波を利用して発振させて、LEDを点灯させている回路です。

この例では、2SA1015と2SC1815のコンプリメンタリペア(特性の似ているPNPトランジスタとNPNトランジスタの組み合わせ)をつかっていますが、PNPとNPNトランジスタであれば、コンプリメンタリペアでなくても、利用できる気安さがあります。

回路は、PNPとNPNトランジスタを(ここでは、2SA1015と2SC1815を使用)配置するだけです。

ここで使った2SC1815と2SA1015

ここでは、発振を確認するために、上の回路図の①②の位置で、波形をオシロスコープで見ました。

①②の位置での発振波形

②のノコギリ波にあわせて①が発振しており、LEDに流れる電流を測定すると、0.9mA で、かろうじてLEDが点灯しており、点滅の様子はわかります。

(注)この写真は、比較的ノイズの少ない状態をとったものです。これはブレッドボードでのラフな配線ですし、画面の設定でも見え方が変わりますので、1つの例としてみておいてください。

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ここで、RとCを変えたときの発振の様子を見ましょう

この回路で発振することが確認できたので、抵抗とコンデンサの値を変えて、さらに、電源電圧を変えて、その時の点滅周期を調べてみました。

CRを変えてブレッドボードに配線

CとRの値を変えたときの点滅時間の変化

この実験をしたときは、ブレッドボードでの配線のためもあって、発振の安定性はあまり良くありませんし、ノイズも多い発振になっていますが、表のように、抵抗値やコンデンサ容量を変えると、LEDの点滅周期が変わるのがわかります。

点滅が早くなってくるとLEDは点灯したままのように見えます。

これは、20回/秒(0.05秒)程度の点滅になると、点滅していても、人間の目が認識できないためですが、さらに、もっと抵抗値とコンデンサ容量を小さくしていくと、光ではなく、音の周波数変化で発振の様子がわかるでしょう。

これについては、こちらのページで、PUTを使った低周波発振の状態をトランジスタで電力増幅してスピーカーで音の違いを確認していますので参考にしてください。

このように、Rの大きさが変わると発振周期が変わるのであれば、CdSセルが使えるだろう … と思って、下のように、追加して遊んでみました。

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CdSセルを使って遊んでみました

抵抗値を変えると周期が変わていることから、CdSセルを回路に入れると、明るさの変化や点滅周期に変化が出るはずです。

CdSセルは、明るさによって、抵抗値が変化します。

太陽光の直下では数100Ωですが、暗いところにおくと10MΩくらいの抵抗値になり、非常に大きく抵抗値が変化します。

そこで次のような回路を考えました。

CdSを使って周波数変更する回路例

この図のようにCdSセルを接続たブレっdボードの回路を明るいところに置きました。

周囲が明るいと、CdSセルの抵抗値が下がっているので、コンデンサに送る電気がアースに逃げるので、LEDは点滅ません。

そして、周囲を暗くしていく(セルを手で覆う)と、CdSセルの抵抗値が増えるにしたがって、電流がアース側に逃げにくくなるので、LEDが遅い周期で点滅しはじめて、さらに暗くなるにつれて点滅周期が速くなっていきます。

真っ暗にすると、上で見た、CdSセルのない回路)のように、LEDが普通に点滅するようになります。

CdSの位置を変えてみます

CdSを使って周波数変更する回路例(2)

つぎに、この回路のように、220kΩの下にCdSセルを直列につないでみましょう。

このようにすると、明るいときには、CdSセルの抵抗が小さいので、CdSセルがない場合の、一番上の状態と同じ状態の点滅状態です。

そして、暗くなってくるにつれて、CdSセルの抵抗値が増えるので、コンデンサに電気が溜まりにくくなって、点滅間隔(発振周期)がゆっくりになるのがわかります。

ここでは、220kΩを変えてみると、さらに変化がわかりますが、15kΩ以下にならないようにするのがいいようです。

CdSセルは、抵抗の変化が非常に大きいので、このように、簡単に発振周期の変化を楽しめますので、電子工作には使いやすい部品です。