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低電圧ボルテージディテクタ R311N-211Aを使ってみよう

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このHPは趣味の電子工作の記事ですので、「何でも使ってみよう」ということを主眼にしています。

ここでは、「低電圧ボルトディテクタ」を、次のページでは、「リセットIC」を取り上げて、取りあえず電子工作で使えるものかどうかをみていきます。

これらの「低電圧ボルトディテクタ」や「リセットIC」は、定電圧の供給が重要なパソコンなどの機器に使われるもので、使用中に急に電圧が下がったときに回路を遮断したり、立ち上げ時に一定の電圧になるまでONするのを待機する目的などに使用されるIC部品です。

使い方は、一時的な過電圧を検知したり、蓄電池の充電が完了すると電源を遮断したり、使用中の蓄電池が(バッテリー)が設定電圧以下になるとランプで知らせる … などの場面で、様々な使い方で利用されています。

この動作や機能は「コンパレータ」の電圧判定と結果の出力 … という機能に加えて、動作の遅延回路を備えていて、チャタリングのような短時間変動に対しても、安定になるように考えられていますし、電圧の異常状態が解消されると元の状態に復帰する「リセット機能」などが内蔵されているものなどがあります。

これらは電子機器類に多く使われており、これらの概要や使い方を知っておけば、デジタルだけでなくアナログ的な使い方でも使えるはずです。

ここでは、低電圧ディテクタ R311N-211A を使って、その動作の様子などを紹介します。

同様ののものがRICOHさん、ROHMさん、日清紡さん、JRCさん等々、たくさんのメーカーの製品があるので、同様の考え方で使えるでしょう。

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低電圧ボルテージディテクタ R3111-211A

R3111 は RICOHさんの製品で、Nchオープンドレイン(Aシリーズ) とCMOS(Cシリーズ)の2つのタイプがあります。 ここでは、Aシリーズの211A を用いて説明しています。

この211Aは 2.1V を境にして、ON-OFF します。(この2.1Vを「検出電圧」といいます)

RICHOさんのカタログによると、乾電池1つから使用できるように、0.9V~6V の検出電圧のものが用意されていて、0.1V刻みの製品がラインアップされているのですが、それらの希望の電圧V の型番が「1個単位」で入手できるのかどうかはわかりませんが、他社製品もありますので、それらも同様に使えます。

このHPでは5Vの電源を使っているので、5Vを想定して使えるものを探せばいいのですが、検出電圧2.1V用しか手持ちがないので、これを使って自由に電圧設定ができることなどを説明しています。

もしも 5V の電源を使用しておれば、検出電圧が4.8Vとか5.3V などのように、電圧変動が起こったときに感知する検出電圧用のものがあればいいのですが、ここでは検出電圧が2.1Vの手持ちのものを使っています。

DIP化したディテクターIC R3111の接続キー

このICは、写真のように、組み込み用(表面実装タイプ)のICです。

小さい部品ですから、ここでは秋月電子さんで販売しているDIP変換用基板「SOT23変換基板」と、ブレッドボードに挿せるピンを写真右のようにハンダ付けして、ブレッドボードで配線できるようにしています。

変換用基板ののはんだ付け

DIP化時のはんだ付け要領はんだ付け作業

このように、自分ではんだ付けしなくてはなりませんが、この「変換基板へのはんだ付け」は、そんなに難しい作業ではありません。

写真のような尖ったコテ先のはんだごてを使えば、簡単にはんだ付けができるのですが、こちらのページの中段で紹介しているような、平べったい先端のハンダゴテでも問題なくはんだ付けができます。

これらを参考に、このような表面実装タイプのICを基板に「半田付け」することにトライしてみてください。

Nchオープンドレイン とは、出力側のFETが1つのタイプです

RICOHさんでは「このICは完全無調整 … 」と謳っており、カタログを見ると、0.1Vごとの検出電圧で型番が用意されています。

このR3111-211A は検出電圧が2.1Vの Nchオープンドレインタイプ の製品です。

つまり、検出電圧の2.1Vを境にして、電源電圧が上下すると出力電圧がON-OFFします。

このタイプは、データシートによれば、電圧監視をしたい場合には、出力端子側につないだ回路がディテクタの監視電圧と異なっていても、プルアップ抵抗を介して使用できるという使いやすさがある … とあります。

つまり、プルアップ抵抗で、検出電圧2.1Vを変えることができますよ … ということです。

もちろん若干のヒステリシス(電圧を上げていった場合と下げていった場合で境界値が異なること)がありますが、211Aの場合は、2.1V±0.05Vの検出精度、ヒステリシス幅も約0.1V程度と非常に高精度です。

詳しい数値はRICOHさんのデータシートで確認いただけますし、データシートには色々な使い方の回路例が示されていて、色々な使い方ができそうですので参照いただくといいでしょう。

ここではその中で、 指定の電圧でON-OFFさせる①レベルインジケータ回路 と、希望する電圧でON-OFFさせる②任意電源電圧検出回路 について紹介します。

ここでは2.1V用の部品ですが、これで、何V にでも設定できるので、その方法も合わせて紹介しています。

①レベルインジケータ回路 :指定の電圧でON-OFFさせる

下図は、検出電圧2.1V以下に供給電圧が下がった場合にLEDが点灯する回路です。 これをデータシートの図で説明します。

LED点灯回路例

このICには5つの端子がありますが、1・2・3の端子だけしか使いません。(4と5はダミーです) また、LED用の電流制限抵抗は220Ωを使っています。

LED点灯の実際

供給電圧(電源電圧)を3.5Vから下げていくと、この状態(2.12V)でLEDが点灯します。

そして、点灯状態から、今度は、電圧を上げていくと、2.20VでLEDが消灯します。

2.12Vが検出電圧ということですが、若干のヒステリシス(点滅時の電圧差)があります。

もちろん、この変化点の電圧は、データシートの許容値内ですので、非常に高精度で「検出と復帰(リセット)」ができています。

使い方はいろいろ考えられます

これを使うと、乾電池などの電圧低下を検知して、回路を遮断することができます。

たとえば、3Vで乾電池やボタン電池を使っていて、2.1V以下に電圧が低下すれば、何らかのアクションをする … などの用途に使うことができます。

もちろん、この後に示しますが、2.1Vではなくて、プルアップ・プルダウンすることで、何Vにでも検出電圧を設定できます

②任意電源電圧検出回路 :希望する電圧でON-OFFさせる

次にここでは、検出電圧が 2.1VのR3111-211Aをつかって、5Vの状態で使う場合 を考えてみましょう。

データシートの図は少し見にくいので、左から右に電流が流れているように、下のように回路図を書き直しました。

考え方としては、電源電圧を2つの抵抗で分圧して、「2.1V」に対応させて検知する … という方法です。 (この方法もデータシートの説明に沿っているだけです)

希望電圧の設定方法

「1」の端子がOUT(出力)ですので、電源電圧が検出電圧を下回ると、電圧が出力されます。(検出電圧以上では出力が「0V=ナシ」の状態になります)

そうすると、例えば、出力側にLED点灯回路があると、検出電圧以下に供給している電圧が下がると、そのLEDが点灯しますし、パソコンなどではこの出力をRESET端子に入れると回路を遮断するように動作する … ということになります。

これを用いて、充電電圧が規定値以上になると充電をやめるようにするとか、逆に、電池を使用していて、その電圧が規定値以下になれば警報を表示する … などに利用できますね。

手元にある電子機器を見てみても、このような仕組みは随所にありますので、このようなICが使われているということですね。

5Vの場合の動作を確かめてみましょう

ここでは5Vの供給電圧のときの動作を確かめてみるのですが、データシートの注意書きに「Raの値を大きくすると誤差が出る」という注意書きがあるので、それを考慮して、あまり大きくない抵抗値でRa・Rbについて考えます。(ここではヒステリシスについては特に重要でないので考えていません)

希望検出電圧について、本来のVDET は2.1V で、それを5Vとして、仮にRaを1kΩとして「希望検出電圧の式」からRbを求めると Rb=724.1Ωとなります。

また、Rbを1kΩにしてRaを計算すると、Ra=1381Ω・・・という値が計算できるのですが、いずれにしても計算される抵抗値は、市販されていない中途半端な値ですので、 Ra・Rb は半固定抵抗を使って あらかじめ Ra1000Ω・Rb724.1Ω に抵抗値に合わせておいて、それを下のように、回路に組みこんで検出電圧を測定してみました。

実際の動作の様子 検出電圧より電源電圧が下がった場合

右側の黒テスターが電源電圧で、左側テスターがICの2番端子に加わる電圧です。

このように、5Vを境界にして、電源電圧の変化で、目的の電圧で出力制御をしていることがわかりますし、IC内部では、本来の検出電圧値(この場合は2.1V)を検出して動作していることがわかります。

こうすることによって、ほしいと思っている検出電圧のICが手に入らなくても、上のような分圧抵抗を用いて目的の電圧で制御できるようになります。

ただ、半固定抵抗器は、温度の変化で抵抗値が変わるという問題があるので、ヒステリシスの幅や検出温度をより正確にしたいのであれば、検出温度にあった型番のICを用いるのがいい … ということになります。

しばしば、この機能は、リチューム電池の充電時期を知らせる用途で使われていますね。

使い方を考えると面白そう

次のページでは、同様に、設定電圧でON-OFFする「システムリセットIC」を紹介しています。

これらは、ちいさなIC部品で、価格も安価ですので、使い方を考えると面白いでしょう。