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部品数が少なく確実に発振するPUTによる発振回路

この記事は約6分で読めます。

発振回路では、書籍に紹介されている回路をブレッドボードに組んでも、うまく発振しないか、周波数や様子がおかしい? … ということは、しばしば起こります。

発振回路は、 ①コイルを使わない「CR発振」  ②コイルを使う「LC発振」  ③その他 例えば、発振子を使うもの … 等があります。

私の感じでは、コイルを使う発振回路は、うまく作動してくれない場合が多いようなので、ここでは、コイルなしで、部品が少なく、実際にうまく作動する(した)もので、できれば、「音がでる」「LEDが点滅する」… という動作をする回路例を紹介します。

もちろん、電子工作を楽しむための内容ですので、「音の発生や光の点滅」を目的に、比較的周波数が低いものをWEBや書籍にあるものから実際に回路を組んで、うまく発振していることを確認したものですので、さらにアレンジしていただくといいでしょう。

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PUTを利用した弛張発振回路

「PUT」はプログラマブル・ユニジャンクション・トランジスタのことです。

写真のように、バイポーラトランジスタ(このHPでも多用している2SC1815など)と同じような形をしています。

ここで使うPUTの外観

ここでは、2N6027(UTC製)という型番を使用しています。

価格も50円以下と安価で、5個ぐらいを一度に購入しておくと、気軽にいろいろと試して使えるでしょう。

データシートによれば、一般的な用途として、弛張発振回路やタイマー回路に使える … とあり、WEBをググると、いくつかの記事が見られます。

PUTの図示

PUTは上のように、ダイオードのアノードからゲートの足が出ている図示記号で、3本の足は、A:アノード K:カソード G:ゲート と呼びます。

また、PUTはNゲートコンプリメンタリサイリスタともいわれる「サイリスタの仲間」ですが、一般のサイリスタとは、中身や使い方は全く違います。

データシートにあるPUTの使い方

ここで使ったのが、UTC社の2N6027のデータシート(英語なのでわかりにくいですが … )をみると、下のような試験回路が掲載されています。

ここには、CR値や電圧の情報が書かれていないので、ルネサスエレクトロニクス(従来のNEC)さんの技術資料(下図右側)を参考にして、ブレッドボードで回路を組んで動作させてみます。

PUTの参考回路図

発振の様子の波形 発信の様子の波形(2)

少し見にくいですが、図のch.2のノコギリ波とch.1部分の変化みるために、時間軸を引き伸ばしてみると、上右のように、Ch.1は周期が約6msで発振していることがわかります。

初期の電源電圧が12Vで、電圧を下げていくと、9V程度で発振が止まりました。

このHPでは、5V電源を主に使っていますので、12Vではなくて、できれば、5Vで動作して、なおかつ、周波数を変えてみたいし、さらに、LEDで、周期を変えた発振のようすを見ようと、上の回路を少しアレンジしてみました。

PUTを使った発振回路

1つの例ですが、下の回路でうまく発振します。

アレンジした回路

発振は、ノコギリ波の周期を決める抵抗値とコンデンサ値には、ある程度の有効な範囲があるようで、このように、10kΩ・47μF にすると発振しました。

PUTのアノード・カソードからLEDに流れる電流は、計算値では、5/10000で 0.5mA と小さい値です。

LEDは、0.5mA程度の電流でも充分に点灯しますので、この回路を基本の回路として、抵抗やコンデンサの値を変えた場合の変化をみてみます。

この回路で、LEDが点灯した状態で①の部分での波形を見ると、上のようになっています。 黄色い線が①の波形、水色の線が②の部分の波形です。

ノコギリ波に対応して発振しているのがわかります。

そこで、次に、10kΩの抵抗値を変えて変化をみます

10kΩを、約3倍の33kΩと約1/3の3.3kΩにすると、LEDの点滅周期は下の表のように変わりました。

抵抗を大きくすると長周期(周波数が下がる)に、小さい抵抗に変えると、短周期(周波数が上がる)に変化しました。

電源電圧は、3.5~5Vと書いていますが、これを外れても発振します。

ただ、抵抗が10kΩのときには、3.5V~10Vを外れたときや、また、抵抗値を3.3kΩにしたときには、3~9Vの範囲を外れたときには発振が停止してしまいます。

ただ、5Vでも発振することから、電源電圧は 3.5~5V と書いてあるようです。

ブレッドボードに組んだ状態はこのような感じです。

ブレッドボードに組んだPUT発振回路

PUT発振の結果

電圧と抵抗を変えたときの点滅周期の変化

この表のように、若干ですが、電源電圧も発振周期に影響するようですが、この程度の変化は、LEDの点滅の様子を見ても、分からない程度です。

そこで、電圧を 3V→6V→9V に変えて時の波形を見たところ、6Vと9Vでは0.3秒の周期が、3Vでは0.6秒でした。

波形の変化状態

また、抵抗値の変化では、10kΩよりも大きな抵抗に変えると、点滅周期が長くなり、小さな抵抗値にすると、周期が短くなります。

つまり、この抵抗器で、コンデンサ47μFに流れ込む電気量を変えることで発振の周期が変わるようです。

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次に、コンデンサを変えてみました

抵抗値を固定して、コンデンサ容量を変えて周期が変わるのを見てみています。

コンデンサを小さな値にすると、点滅回数(周波数)は増えることが予想できるのですが、ただ、LEDの点滅は、20回/秒(20Hz)以上になると、人間の目では点灯しっぱなしになって、判別できなくなるので、光ではなく、音の変化(周波数変化)で発振の周波数を見てみました。

(参考) 上の写真の波形は、きれいな発振波形でないので、LEDを固定抵抗(3.3kΩ)に変えて波形を見たところ、下図のようなシンプルな波形になりましたので、CR以外に、LEDも、発振の状態に影響しているようです。

波形の変化状態2

(お断り) このように、今回の実験では、発振の仕方自体は安定していないようです。これは、ブレッドボードで回路を組んでみていることもあるなど、やはり、不安定な要素はありそうです。それもあって、この記事に沿って回路を組んでも、同じような発振の様子になるかどうかはわかりませんので、この点はご承知願います。

発振は不安定ですが、それなりに発振しているようです

発振の状態は、ちょっとした条件で変わる不安定なものですので、これらの数値も、あくまでも一つの例でみていただくといいですですが、PUTをつかって、うまく発振しない・・・ということはなさそうです。

音を鳴らすために回路を変えてみましょう

音を出すためには、低周波増幅回路(点線で囲んだ部分)を付加する必要があります。

そして、周波数は、抵抗とコンデンサを変更して、発信する条件を見つけるのですが、ここでは、「C」を変えることで、周波数変化がわかるように、下の回路にしました。

発振を音で聞く回路の例

「C」の値を、0.47μF、0.22μF、0.1μF・・・と小さくしていくと、振動数が上がって、スピーカから出る音が高くなっていきます。

もっと小さな値にすると、さらに高い音になります。

発振状態を変えるコンデンサ容量と周波数の例

このように、PUTを用いて発振回路を組むと、簡単な回路で幅広い周波数の発振ができることがわかりました。

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