製品の仕組みを知る楽しみ

ジェットウオッシャーEW1250Pのホース交換

パナソニック製のジェットウォッシャーのホースが破れて、水漏れするので、修理しました。

Doltzウォータージェット修理済み外観

購入したのは2013年で、いまは製造中止になり、この機種の後継品としてEW-DJ61などに変わっています。

販売当時からホースの予備品などの販売はされておらず、販売店修理のみの対応するという保証内容で、さらに、自分で分解修理しないように・・・との注意書きがあります。

メーカーに問い合わせはしていませんが、3000円以下では修理をしてもらえそうもないと思うので、自己責任で修理したのですが、何かのヒントや参考になることがあれば利用ください。

ホースは特殊品で、同等の市販品は見つかりませんでした

本体取付部写真1

ノズル側取付部写真2

本体取付部と、ノズル部を分解したホース取付部を外してみると、使用されているホースは、実測で、外形4.1mm、内径2.55mmです。

しかし、取替部品のみの販売はなく、メーカー送りの修理のみの対応です。

一般に販売されている細いホースは、「外形4mm・内径2mm」か「外形5mm・内径3mm」のもので、内径が2.5mm というものは見つかりませんでした。

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このジェットウォッシャーは、保証期間の1年では問題が起きませんでしたが、3年程度使用後からホースが破れるトラブルが始まりました。 1箇所が破れると、正常に動作しません。

ホースだけの問題ですので、ホームセンターでホースの代替品を探したところが、市販のものは、シリコンチューブ、ビニールチューブ、ブチルゴムなどの耐熱チューブ・・・などがあるのですが、同じサイズのものも、そして同質のやや硬質のホースはありません。

最初から付いているホースは、収納に便利なように、丸くまとまるように成形されている特殊なもので、差込口には、ホースを差し込んであるところが、水の圧力で抜けないように、バネを利用して締め付けてあります。

その部分近くでホースに亀裂が入って、水漏れを起こし始めると、どんどん水漏れが進行していったのですが、ほとんど一般の方が内部を開けて修理するのは無理ですので、メーカーは、「販売店を通して修理してください」としているのでしょう。

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内径3mmのビニールホースで検討

ノズル側最大径写真3

まず、ともかく、分解してみます。

写真のように、ノズル側の差込口の最大径が3.25mmで、先の写真のように、本体に取り付ける差込口の出っ張っている部分の最大径が3.35mmです。

もしも市販の内径2mmのホースであれば、1mm以上広げて差し込むのはきついので、今回は、内径3mmのホースを使うことにしました。

ホームセンターで購入した40円/mのビニールホース写真4

ホームセンターで1mあたり40円の切り売りしているビニールホースです。今回は、使い勝手を考えて、125cmの長さの切り売り品を購入しました。

購入したホースを実測すると、内径3.0mm、外形5.1mmで、ノズルとは、0.25-0.35mmの「はめシロ」の締まり具合ですが、柔軟性と密着性があるので、これで問題はなさそうです。

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分解・再組み立ての手順と注意点

注意:下の写真は、取替後の状態の写真です。

ホース取替後の本体との連結部写真5

本体側の固定部分は、ネジ2本を外せば、写真1のようになっていて、太くなっている部分はバネを利用した「抜けどめ」が差し込まれていますので、それをずらして差し込み部分からホースを外します。

固定している状態で引き抜くのは、少しやりにくいので、ネジを外したうえでホースを取り外すのがいいでしょう。

本体への接続部のパッキン部分写真6

使用していたままなので、かなり内部は汚れています。外した部分は写真6のようにパッキンがあるので、傷つけないようにして、周りのよごれを清掃します。

ホースを取り替えた後写真7

ホース(チューブ)を差し込むと、写真7のように、ゆるく密着して固定されます。これでOKです。

取り外したバネ(写真14)は、内径が小さすぎるので、これは使いません。

しかし、このバネがなくても、写真7のように、しっかりと固定されており、修理後に圧力がかかっても、水漏れしないので、これでOKと思います。 もしも不安なら、細い針金などで根本を固定すればいいでしょう。

あとは、元通り、2本のネジで本体に固定しなおすだけです。

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持ち手ノズル側は、少し大変ですが、難しくはありません。順番にやっていきます。

ノズル先端部の拡大写真8

ノズル先端のキャップを外します。キャップの横に小さな「切れ込み」があるので、それを利用して外してください。キャップを差し込んであるだけです。

キャップを外したときのワイヤリング写真9

キャップを外すと、ノズルの固定リングがあります。写真9のリングの左側を細いペンチなどで持ち上げて、上まで持ってきてから右側に押して滑らせながら抜き取ります。

リングの詳細写真10

このリングは、平行部分で写真11のノズルの溝にハマってノズルを固定するものです。

ノズル差込口の内径測定写真11

リングを取り出したときに、変に曲げてしまってリングを変形させてしまった場合は、このノズルの溝部分にリングの並行部分がくるようにする必要があるために、リングを最後にはめ込んだときの平行部分の寸法が5.0-5.2mmになるように成形しておくと、ノズルがしっくりとハマるようになります。

写真10のように平行にするのではなく、広げたときに5mmになるには、少し平行部内側が広がる感じになるのがベストでしょう。

ノズル部本体の3本のネジを外して解体写真12

ノズルの解体は、まず3本のネジを外します。このとき、きっちりとしたプラスドライバーを使うようにして、ネジ穴を壊さないようにしましょう。

ノズル先端部の取り外しネジ写真13

ノズル先端部は残りのネジ1本を取ると、写真13のようになります。古いホースを除去し、写真12のように、ホースを裏から通して写真13のように差し込みます。

抜けどめに使用していたバネ(写真14)は使用しません。無くても問題はありません。

この部分も、写真13のように、差し込んだホースはしっくりと固定されていますが、心配なら、針金などで縛ってください。 この写真13のように、挿しただけの状態でも、水漏れは起きていません。

組み立てには使わないスプリング写真14

この写真14の、2つの「抜けどめ」用のコイルは使用しませんでしたが、安定して使えることを確認するまでとっておいてください。(私は、使うことがなかったので、その後処分しました)

組み立ては、分解した逆の順序で行います。

以上で補修は完了です。

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ちなみに、最初から付いているホースが破れたときには、すでに保証期間がすぎており、ホースの替えだけを販売していないので、使用するのをあきらめて、外国製の安い携帯用のウオッシャーを購入したのですが、やはり、使用感は、この製品に劣りました。

すでに、後継機が販売されていたのですが、新品を買うのも、これを捨ててしまうのもももったいないとおもって、自分で修理しようとトライしました。

このような修理ができたポイントは、ノズル差し込み部分の寸法の締めしろが0.25-0.35mmと、少し太くなっていたことで、市販のやわらかくて密着性のある「安い」ビニールホースが使えたということです。

修理する場合は、まず分解して、市販品が使えるかを実測するなどで確かめた上で作業に入るようにしなければならないことに注意しておいてください。

これについてはうまく修理できたから良かったものの、自分で修理する場合はあくまでも自己責任になります。それでも良い・・・という場合は、この記事を参考にして修理してくださいネ。



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(来歴)R2.1記事作成  R2.8様式2カラムに  最終R6.1月に確認
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