バータイプLED(5ドット・10バー)を使ってみる
このHPは、電子工作の初級者のために、アナログ回路を中心に、いろいろな電子部品の使い方を楽しんでもらうためのヒントなどを書いていますが、ここで取り上げているレベルメータなどに使われているバータイプのLED表示器は、本来はデジタル回路で使うものですが、ここでは、それをアナログ的に使うことを試しています。
バータイプのLEDをアナログ的に使うには、7セグLED(→こちら)で取り上げたのと同じように、1つずつのバーを光らせるしかなさそうな感じですから、デジタルで使うような多彩な使い方は無理なのですが、各バーのスイッチが光るようにしたり、スイッチで切り替えることでレベルメーターのような表示ができそうです。
そのためにどうしてもデジタル部品と一緒に使うようになってしまいます。この記事は本来の使い方ではありませんが、何かのヒントになればと思って紹介します。
ここで使用するバータイプLED
ここでは、10バーのOSX10201-GYR1と5バーのOSX05201-GGR1を使います。
このLEDの左下に小さな切り欠きがあり、それを基準にピンの位置決めをします。
それぞれのLEDセグメントが独立していますので、下の写真のように、それぞれに電流制限抵抗(ここでは220Ω使用)をつけて通電すれば、位置や順番を表示させる「表示器」として使用できます。
下の写真は、ピンを差し込んだバーが光るような使い方です。
PRこのように、やはり、アナログ的な使い方としては、このように限定されてしまいます。
全点灯させると、LEDの色によって輝度の違いがでてしまいますので、それが気になるようなら、それぞれのバーにつないだ制限抵抗の値を変えて輝度を調整すれば見やすくなります。(これの考え方やり方は今までに試してきたページ(→こちら)を参照ください)
デジタルICと一緒に使ってみます
上のように、アナログ的な使い方では、簡単な「表示器」として使う使い方ぐらいしか出来ませんので、すこしデジタル的な使い方を取り入れて、 ①制御IC(DCT7350-0)を使った連続点灯 ②レベルメータ用IC(LA2284A)を使ったレベル表示などの使い方を見てみましょう。
下が、バーLEDのピン位置です。
ここでの「デジタル」と言っても、簡単にいえば、スイッチで切り替えるだけの回路だと考えればいいのですから、何かに応用できそうであれば、アナログオンリー・デジタルオンリーではなく、これを参考に、どんどん利用していただくといいでしょう。
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10バーLEDを点滅させる出力制御ICについて
車やバイクで、ブレーキランプが順に点灯したり、ランダムに点滅しているのを見たことがある方もおられると思いますが、それは、「出力制御IC」と呼ばれるものを使って、そのような動作をさせています。
ここでは、CDT7350-0 というICを使います。
このICのデータシートは中国語で書かれているので、Google翻訳を利用しながら読んでみますと、「このICは自動車のブレーキランプ用に使われており、ブレーキを踏むと、色んなパターンでブレーキランプを点灯させる」・・・という用途でこのICが作られているようです。
ここでは、ブレーキランプの代わりに、10バーLEDに使ってみます。
データシートには、「12V(2から15V)で、ボリュームを使って点滅速度を変えることができる・・・」と書いてあります。
データシートにある回路を、私の手持ち部品(一般的に入手できる部品)が使えるように、次のように回路の一部を書き換えて動作を確認してみました。
データシートによれば、点滅動作は、(1)フラッシュ (2)全点灯 (3)全点滅 (4)前後にフラッシュ (5)連続点灯 ができる ・・・ とあります。
回路図に対応したスイッチをON-OFFすると、 ①順番に点灯し往復移動 ②全点灯 ③L1のみ点灯 ④全灯が点滅 ・・・ の4パターンで点灯するようです。
このとき、スイッチを2つ以上を同時にONにすると、正しく作動しませんので注意ください。
この回路でアレンジできる部分としては、回路中の 1MΩと0.001μF を他の数値を変えると動作周期が変わります。 1MΩを大きくすると周期が長くなります。
ただ、①の点滅移動では、1灯ずつ移動する場合と2灯ずつ移動する場合があって、多分、スイッチノイズの原因でそのような変な動作になるようで、いろいろやってみても、安定した動作をしません。 ノイズが原因とすると、対策も大変なので、ここでは、特に対策などはやっていません。
①の点灯移動と④の全点滅の様子をユーチューブに上げておきますのでご覧ください。(→こちら)
もちろん、デジタル的に、Aruduinoなどのワンボードマイコンなどを使ってスイッチングさせると、もっと多彩なことができそうですし、ICにある「MODEピン」を使って点灯を変化させる使い方もあるようですが、これは完全にデジタルの世界ですので、ここでは、データシートにある使い方の紹介に留めます。
PR次の5バーLEDも同様で、最初に示した特定のセグメントを点灯させる以外は、アナログ的な使い方ができそうにないので、ここでも、デジタルIC使う例を紹介します。
レベルメータICを使って5バーLEDを点灯させる
ここでは、レベルメーター用のIC「LA2284A」を使います。
このICも、デジタル的に使うものなので、いくつかのレベルメータ用ICが販売されています。
10バーのレベルメーター用ICには、DCT7350-0(出力制御用IC)やLM3914N-1(10ポイントリニアスケールレベルメータIC)があり、5バーLED用にはLA2284A というICがあります。
これと10バーLEDなどと一緒に使えば、アナログの音量レベルがセグメントの点灯のデジタルレベル表示にすることができそうです。
アナログで対応しようとすれば、可動線輪型のレベルメーターなどを使うのですが、これでは、スマートさがありませんし、結構高くついてしまいますが、デジタル表示であれば、かなり安価でそれができてしまいます。
→Amazonでオーディオ用レベルメータの例を見るここで取り上げるLA2284Aは、下の回路図のように、INPUT端子に入るアナログ電圧信号のレベル(電圧の大きさ)を5段階に振り分けて表示させるICですが、アナログでは、電圧計の針を振らせるだけになってしまうものを、視覚的にうまく見せるデジタル表示は、すごい技術だと感心してしまいますね。
ここでは、アナログをデジタルに変換しているのですが、現在のオーディオ分野では、デジタル・アナログが融合されていますので、このような使い方も慣れていったほうがいいと思いますので、そのような見方でお付き合いください。
もちろん、単純に、スイッチを使って5バーLEDの1つのバーだけを表示するようなアナログ的な使い方もできますから、デジタル部品だと思って敬遠しないでください。
ここにある「コンパレーター」は電圧判定機のようなものです。
こちらの記事で、コンパレータの基本の考え方などを紹介していますが、例えば、2.5Vよりも電圧が高いか低いか・・・を判定して、高いとスイッチをONにする・・・などの使い方ができます。
たとえば、電池の電圧が規定値以下に下がったら充電を促す場合などにも、このコンパレータ機能のある専用の部品がたくさんあって、このような考え方で動作させるアナログ回路の例は少ないのですが、デジタル部品では、ヴォルテージディテクターやリセットICなどの多くの部品が、色々な用途に使われています。(私の記事でも少しですが取り上げていますが、ここでは詳しい内容は割愛します)
このレベルメータICも、データシートの回路図を見ると、「INPUT」から入った交流入力電圧をコンパレータで仕分けして、レベルに応じてLEDを光らせている・・・という回路になっています。
もしも音量の大きさをレベル表示をしようとすると、適当な「交流音源」があればいいですし、直接に電圧を加えても仕分け機能が使用できます。次に、使用例を取り上げました。
PR音楽に合わせてLEDが光る回路例
ここでは、下のような電子オルゴール(→こちらの記事で製作)をつないで、その音楽に合わせてLEDが光るような回路を考えてみました。
それが以下の回路です。
(注1)ここでは 電子オルゴールIC UM66T の作動電圧がMax4.5Vであるのに対して、5V電源を使っているために、注1の枠内(2点鎖線)に示すように、電圧を下げて電圧を適合させています。
マイクに入る音量で、LEDが順次点灯する回路例
また次に、簡単なアンプ(→こちらの記事で製作)を使うと、声の大きさでバーICが順次に点灯するような使い方ができます。
やってみると、結構いい具合に作動します。下の回路図が、ミニアンプのページのものです。
1つ上の図にある「INPUT端子」と、この図の「INPUT端子へ」と書いた部分をつないで、上の図の「UT66T」の部分と入れ替えれば、マイクの音に合わせて、バーが点滅します。
このように、レベルメーター部分の回路の取付部品も少なく、部品自体も安いものですので、時間があるときに、「あるレベルの音が入ってくると、ベルを鳴らしたり、ライトをつけたり・・・」というような回路を付け加えるなどで、この回路に追加して遊んでみてください。
参考に、秋月電子さんで購入した参考金額を示しておきます。
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