楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント:LED

LEDを点灯させるための電流と電圧について

LEDは電流が流れることで発光します 

ほとんどのLEDは1mA程度の小さい電流で光りだし、その状態より少し電圧を上げると、電流量が一気に増えて、明るく輝くという性質があります。

さらにLEDは熱に弱いという性質があるので、電流による発熱(ジュール熱)や高温環境にさらさないこと重要です。

つまり、電流を多く流すと明るくなりますが、寿命が短くなります。 

それもあって、LEDの種類によって許容電流は様々なのですが、通常点灯する場合には、15mAを超えた電流を流さないようにする … と考えておくといいでしょう。

明るくしすぎると劣化が急速に進み、切れてしまうとそのLEDは使えません。

だから、下の図のように、抵抗器で電圧と電流をコントロールすることが基本になります。

この図で重要な点は、V1=V2+V3  A1=A2 です 

つまり、LEDを発光させるためには十分な電圧の電源が必要ですし、電源の電圧は抵抗とLEDの電圧降下分の和にで、そして、回路に流れる電流はどこでも同じ … というところが重要です。 

この関係から、オームの法則で抵抗に流れる電流からLEDの電流を考えることができるということになります。 大切なことですので、覚えておいてください。 

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LEDの発光には、点灯させるだけの「電圧」が必要

LEDは、光らせるための電圧があります。 

LEDを点灯させるために必要な電圧は、LEDを発光させているときの「順方向の電圧降下」のことで、これは「順電圧」と表示されていることもあります。 

つまり、LEDは
 ①電流が流れて発光し、電流の大きさで明るさが変わります。
 ②発光するための最低電圧があります。
 ③発光すると電圧によって電流量が急激に変化します。 

LEDの特性は、LEDの色によっても、メーカーによっても全く同じではないようです。

そこで、手元にあるいろいろなLEDに抵抗器をつけずに、直接にLEDに電圧を加えて、その時の電流を測った例が下のグラフです。


このように、高輝度LEDであっても、順電圧が大きく2つのグループに分かれています。

グラフでは、2V程度で発光するタイプは1.7V程度以上あればLEDに電流が流れ始めて発光し、3Vタイプは2.6V程度以上の電圧で発光し始めています。 

つまり、LEDを光らせるには、少なくてもそれ以上の電圧の電源が必要になります。

ここでは私の手持ちの新しく購入した高輝度LED4色を使って実験していますが、高輝度タイプのセット品は 2Vのタイプと3Vのタイプが組み合わさってセットになっており、3㎜と5㎜で順電圧が違っているなど、全く同じでないのが少し困るのですが、実施に使うときには、特に問題になるものではありません。

図のように、LEDがいったん光りだして、少しの電圧の変化で急激に電流が変化する点にも注目ください。

下のグラフはLEDで有名な日亜化学さんの白色LEDのデータシートにあった図です。

このグラフでは、3Vのタイプでは 2.75V のときにようやく電流が流れ始めているのですが、上の私の手持ちの3VタイプのLEDでは 2.75V ではすでに十分な明るさで点灯していますので、メーカーや商品によって、特性は微妙に違っているということのようです。

言い換えれば、メーカーの違いやLEDの色の違いなどで特性の違いがあり、点灯の条件は製品によって若干変わっている … ということは頭に入れておくといいでしょう。

いずれのLEDも、電圧上昇につれて、急激に電流量が増えるので、これに対処するために、回路に直列にいれる「電流制限用の抵抗」が必須になります。 

もちろん、通常の使い方では、電源に直結する使い方はほとんどしないでしょうから、電流制限抵抗を用いて発光させておれば、電流が増えすぎることは確実に防げます。

また、(何度も説明することですが) 電流量が多いほどLEDは明るく発光するのですが、電流量の増加に見合った明るさにならないですし、また、短寿命になるので、適正電流で使うようにすることが基本だ … と考えておきましょう。

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抵抗なしに使っている例はありますが … これは特殊です

ボタン電池で3Vタイプの高輝度LEDを抵抗器を使わないで直結で点灯させている製品も見かけますね。

ボタン電池でLEDの直接点灯

ボタン電池CR2032は公称3Vなので、写真のように白色LEDなどの順電圧(順方向の電圧降下)が3V程度のLEDは直結して使えます。 もちろん、2Vの高輝度タイプのLEDでは瞬間に焼けきれますので、どんなLEDでもいいということはありません。

公称1.5VのLR44(LR1154)や単三・単四の乾電池なども2個直列で3VタイプのLEDを直結して使うことができます。

しかし、新品の状態では、電圧が高くて電流も大きいので非常に明るいのですが、電流オーバーの状態ですから、LEDは劣化が進みますし、電池の起電力も早々に落ちてきますので、少し使うと暗くなる感じがありますが、これは仕方がないでしょう。

普通の使い方とは言えませんが、非常用などで短時間使用で使い切りの場合などでは有効ですので、こういう使い方もあることを知っておくといいでしょう。

LEDの電流電圧特性LEDの電圧と電流

この図のように、公称3Vのボタン電池の新品時の電圧は3.3V程度あり、公称1.5Vのボタン電池の購入時の電圧も1.55V程度、乾電池は1.6V強もあるので、高輝度LEDを直結して点灯させると過大な電流が流れて非常に明るく点灯します。

30mAの電流を流した時の明るさの違いを確認してみると、このような状況でした。

最初のうちは「明るいなぁ」と喜んでいると、どんどん電圧が下がって短時間で暗くなっていくのですが、上のグラフのように、電圧が3Vまで低下して 8mA 程度の電流が流れているときが「本来の普通の明るさ」なのですが、このように、使い道に合わせて、うまく使えばいいということですね。

LEDの電流と明るさ

 

高輝度LEDも非常に安価になったので、このように、非常用などで極端な明るさが必要な場合は、使い捨てと割り切れば、このような使い方もアリといえますね。


→次ページ: これからは高輝度のLEDが主流に

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