楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

テスターは電子工作になくてはならない友達

  

最近の電子工作といえば、コンピュータやそのプログラミングが合体して、非常に広範囲になってしまっているのですが、逆に、ちょっとした部品を用いて工作を楽しむのと違って、1から勉強するには、1~2冊程度の本を購入して読んでも追いつきませんね。 そしてさらに、理科系の本を書く人の書き方が良くないのか、私が馬鹿なのか・・・ともかく、わかりやすくて充実したう本(書籍)がほしいのですが、ほとんど「ない」ですね・・・。

そのために、なんとか電子工作のエッセンスをわかりやすく紹介したい・・・と、記事を書き始めましたが、ここでは本編とは別に、番外編として、電子の基礎内容であるにも関わらず、私の頭の中にもやもやとしている項目を紹介します。

大事な大事なオームの法則

抵抗値を決めたり電流の値を決める場合に、オームの法則がしばしば出てきます。そして、そのためには、テスターを使う機会がたくさん出てきます。

この内容は、テスターやオームの法則に関係することで、私がよく理解できなかったことを紹介しようとしていますが、専門の方から見れば、笑ってしまう内容かもしれません。

しかしこれも、私の疑問をスキッと解決してくれる書籍がなかった・・・という笑えない問題なので、バカにしないでお付き合いいただくと幸いです。


①LEDの抵抗値はいくら?

LEDを点灯しようという本文はこちらに書いています。

ここで、LEDの抵抗とは何なのか・・・と疑問を持ちました。

テスターではかっても測定できないですね。
私自身、電子工作の初心者ですので、このような、かんたんなことでも、わからないことだらけです。

LEDを点灯するための回路は次のようになっており、書籍には、まずは抵抗値をどうして決めるのかの説明がされているものが多いと思います。次の例でちょっと考えてみてください。

   図1

Aの書籍の説明例では・・・

ある書籍をみると、

電源が5Vで、仕様(順電圧)が2VのLED を点灯させる場合の抵抗値はいくらが適当ですか?

ということで説明をしているものがあります。 ここには、

もしも、手元にある220Ωの抵抗をつないだ場合を考えると、

①電源の電圧5VからLEDの電圧降下分2Vを引いた3Vの電圧降下を抵抗Rが分担しているということになりますので、

②このときに「直列につないである」ので、RとLEDに流れている電流は同じですので、

③オームの法則を使って必要な抵抗器の抵抗の大きさを決めることができる・・・のですね。

回りくどい表現ですが、ここまでのことは理解いただけましたか?

抵抗Rに流れている電流は、オームの法則を使って、I=E/Rから、3/220≒0.0136Aすなわち  13.6mA の電流が流れていると計算できます。

そこでこの書籍の説明は終わってしまっています。

しかしここで、例えば、手元に330Ωの抵抗があって、それを付けて回路を作ってみますと、同様にLEDが点灯します。もちろんその場合は、3/330≒0.009A すなわち約9mAの電流が回路内に流れていると計算できます。

同じような内容で、別の書籍Bでは・・・

「通常、2VのLEDには10~15mA程度の電流を流すようにしますが、その場合は何Ωの抵抗値が適当なのでしょうか?」という答えを求める説明がされているものもあります。

この説明では、

15mAをLEDに流すとして、同様にオームの法則でR=E/I なので、E==5V-2V I=0.015Aとすると、3/0.015=200Ω の抵抗を直列にすればいい・・・という説明がされています。

何気なくAとBを読んで、ここで、疑問がでてきました

ここでいままでAとBの説明では、「LEDが2Vの電圧降下をさせている」というのは、半ば常識のようになっており、既知のものとして説明している書籍の記事も多いのですが、ほんとうでしょうか?

最近は、順電圧が3V-3.5Vの高輝度LEDも安くなりましたので、「これは順電圧2VのLEDですよ!」と書いておいてほしいですが、このあたりの説明が不親切な書籍は意外と多いのです。

そしてさらに、問題はこれからです。

Aの220Ωの回路で、実際の電流を測定すると、12.8mA でした。ここでは、測定しなければ何の疑問もなかったのですが、測ってみると、計算値との違いが出てきたのです。

計算値は13.6mAで測定値は12.8mA で0.8mA違います。

いろいろ原因は考えられるのですが、まず、手持ちのテスターで、電源電圧は5Vではなくて4.94Vで、220Ωの抵抗値は218Ωということがわかりました。

Aの例では、(4.94-2)/218≒0.0134、Bの例では、(4.92-2)/0.015=166Ω と、等しいといえないほどの差がある感じです。

そうなると、LEDの順電圧2V・・・も、正しいかどうかが気になります。

そこで、測定した値でLEDの順電圧を求めるために、それを「Q」としてオームの法則で (4.94-Q)/218=0.0128 からQを求めると、2.15V・・・③ という数値が求まります。つまり、このLEDは2.15Vの電圧降下をさせているということです。

これは、そこそこ正しいと思えるテスターとオームの法則で算出したので「そこそこ正しい」数値と言えます。

この「オームの法則は正しい」ということが覆れば、正しいものはなくなるので、ともかく、オームの法則の基本的な定義で、E=IR は正しいとするのが基本です。

変な言い方ですが、このあたりまではいいでしょうか?

そうすると、これから、LEDの電圧降下を考えると、 2.15/0.0128=168Ω という数字が出てきますが、これをLEDの抵抗と見てもいいのでしょうか? ・・・ これが私の疑問です。


固定抵抗の218ΩとLEDのものと考えられる168Ωを加えると、386Ωで、さらに、この回路に流れている電流は12.8mAでしたので、E=IRから、386x0.0128=4.94Vとなり、オームの法則としての数字は合うのですが、簡単に考えても、この考え方は何か間違っている感じがします。

これはどうも、オームの法則の領域外の知識がいるような、難しい問題のようです。

なぜなら、後で、テスターでLEDの抵抗を測った時の様子などを書いていますが、テスターではLEDの抵抗はうまく測れませんから・・・。


これは、テスターで抵抗を測定する仕組みから言っても無理・・・なのですが、抵抗器の抵抗とダイオードなどの電気の流れ方は違うということのようで、私にはその説明はできません。

でも、理由はわからなくても、測定してみるとなんとなくわからないということに納得できる感じがしますね。

電子工作を理詰めで追求しようとするには、趣味のレベルでは届かない難しさがあるのですが、これをいかに自分の納得できる範囲に収めて楽しもうとすれば、「測定してみる」「やってみる」ということが大切だということかもしれません。

電流・電圧・抵抗

電気の流れを水の流れに例えると、電流=水の量、電圧=水を流す力で、オームの法則では、ある電流を回路に流すと、①電圧と抵抗は比例するとあります。

これをさらに言い換えれば、②電流も加えた電圧に比例する・・・という内容がオームの法則です。

これを式にすると、①電流=電圧/抵抗 ②抵抗=電圧/電流 という関係になるということですが、この左辺が定数だと考えると、分子が増えれば分母も増えないといけないことになるので、すなわち、それが「比例」関係になっている・・・というのがオームの法則ですが、このとき、もしも左辺が「0(ゼロ)」であればどうなるかといえば、・・・ この法則は破綻します。

つまり、②で、もしも抵抗が0なら、ショートさせた状態ですので、電流が無限大に流れなければならないのですが、そんなことが起きることはありません。

しかし、①の場合では、「電流が0で流れていないのなら、抵抗は無限大である」ということについては、頭の中で納得できますね。


オームの法則を用いる場合は、導線などの抵抗はないものとして考えるのが原則ですが、未知の電流を測定するのに、このオームの法則の関係式を理解しやすくするためには、ある抵抗値(例えば1Ω)を用いて測ると、計算式がスッキリします。「1」をかけたり割ったりするのですから、はっきりしていてわかりやすいですから。

また、小さな電力では、短絡させて10Aレンジで電流を測っても、テスターが破損するなど、大変なことにならない感じがする・・・というように考えると、この式が見えてきませんか?

E=IRからI=E/Rで、Rが1なら、E=I 電圧=電流になるのですが、ここで、「電流と電圧が同じ」というのも面白いですし、電圧を上げると電流が増えてくるということは、ある程度の電流がなければ電圧は上がらない・・・というようにも読めるのですね。

こういう事を考えていると、「オームの法則は柔軟性があるもので、『うまく』使う」ということが大切なのかなぁ・・・」という感じになって来ます。そのために、自分でいろいろなものを測定していると、何かがわかってくる感じがしてくるのも面白いことです。

図1のLEDの回路で、電源の一方の+4.94V側から電気が流れていき、RとLEDによって電圧が降下して0Vになってマイナス極に帰っているのですが、片側(この場合は抵抗器R)の抵抗値がわかれば、反対側は特に必要ではない・・・ということがオームの法則ということだと考えると、・・・つまり、必要なものを求めるためだけのものがオームの法則であると考えれば、今回のLEDの抵抗などの必要以外のことを深く考えることはしなくていい・・・ということなのでしょう。

つぎに、それでは、LEDの抵抗や輝度についてはどう考えたらいいか・・・ですが、LEDの輝度の大きさは、LEDの順電圧以上の電圧を与えれば光り、そして、流れる電流値によって輝度が変わる・・・ということですが、これについても、それ以外は考える必要がないか、考えてはいけないということとなるのですが、しかしそうは言っても、なにか物足らない感じが残りますが・・・何でしょうか。

LEDは熱で焼き切れる

LEDが切れてしまうのは、LEDにたくさんの電流が流れてしまって、「電流による発熱」で切れてしまいます。

上で書いたように、電流と電圧は等しいようなものということなので、LEDを光らせる最低限度の電圧を超えてしまうと、つまり、高い電圧を加えていくと、下に示した図2の「LEDの特性」で、自然と電流がたくさん流れてしまって切れてしまうということになるということなのでしょう。

電流で切れるのですが、電圧を上げるのも良くないということのようです。

だから、それを制限するために、「抵抗による電圧の低下」と「回路の直列による電流の制限」を同時に抵抗器でやっているということになります。

図1にある220Ωの抵抗のことを「電流制限抵抗」といいます。つまり、電流を制限するのはもちろんですが、高い電源からの(電流だけではなくて)電圧を、LEDに適した電圧(LEDの順電圧)まで下げてやるためのものですね。

・・・。実は私は、このことが理解できるまでに、長い時間かかっていた初心者です。ダラダラと書いていますがすみません。

テスターで直接測っても無駄です

テスターを用いてLEDの抵抗を測ろうとすると、もっとわからないことが起こります。

 

左のように、200Ωレンジで測ると絶縁状態の「1」になっています。

これは、抵抗値が「測定の上限を超えた」という「1」ですが、2000Ωレンジでも「1」で、結局、計算値で出ていた168Ωという、LEDの計算上の抵抗値はテスターでは測定できません。

しかしそれを、20MΩレンジで測ると、変な値が出ます。(写真右)

これはどうも、「LEDの性質」と「テスターの構造」の問題からこのような変な状態になっているというのは想像できます。

詳しくはわからないので、深入りはできませんが、テスターは、内部の電池を使って、その電圧降下の大きさで抵抗を測る仕組みになっているので、このようなダイオードのようなものの抵抗値を測るのは不向きということなのでしょう。

テスター2個で、テスター同士を測ると・・・

ここで、テスター自体が、どんな電圧で抵抗値を測っているのかを調べるてみました。2つのテスターを使って、それぞれのレンジを変えて、テスターの「抵抗レンジの電圧」を測ってみました。

もちろん、この測定方法は正しい測定の仕方ではないのですが、どうなるのかを見るだけのものですので、やってみました。(ここで、写真にでているマイナス表示は結線の仕方の違いですので、ここでは気にしないでください。コードを入れ替えれば、マイナスは消えます)

 

右のテスターの抵抗レンジのうち200Ωレンジでは、約3Vの電圧になっています。これは正しい値でしょう。

なぜなら、黒いテスターは、電圧計(20Vレンジ)を使っていますが、これは電圧計なので、かなり高い抵抗値になっているはずですから・・・。

200Ωレンジで測定できる以上の抵抗になっているはずなので、写真左のように、絶縁状態の「1」が表示されています。これも正しいようですね。

次に、それを20MΩレンジにすると、黒テスターは緑テスターの電圧を、緑テスターは、黒テスターの抵抗値が出ているようになっているはずですが、黒に表示の電圧は0.19Vと、非常に低い電圧に下がっていて、他方は1MΩという、そこそこ高い抵抗値が出ています。

黒テスターの抵抗は1MΩ、緑テスターの電圧は0.19Vということですが、・・・ これは何か変ですね?

テスターの仕様や専門書を読むと、その理由は書いてあると思いますが、専門家になるのが目的ではないので、それは追求しませんが、大事なことは、測ってみて、何か変に感じるということなどを経験することは大事だと思います。

測ってみることで、「間違った方法で値を測ろうとしているようだ・・・」ということがわかれば私のような初心者には、それでかなりの及第点でしょう。

結局、測定している数字が何をあらわしているのかは、これだけではわかりませんが、ともかく、このテスターは、3V程度の電圧を加えて抵抗値を測っているということがわかりました。

テスターを開けて、中を確認すると、9Vの電池が使用されていました。その電圧を下げて抵抗測定に使っているようです。


3VあればLEDは点灯する?

この200Ωレンジのテスターの電圧が3Vであれば、上のLED点灯回路では、きっと、LEDが点灯するはずですね。思い立ったら、すぐにやってみましょう。

200Ωレンジでは点灯

2000MΩレンジでは消灯

バッチリ点灯しました。

3Vであれば、普通のLEDを直結すると切れてしまうので、あらかじめ、220Ωの抵抗をつけていますが、はっきりと点灯しています。(後でテスター仕様を見ると、電流がすでに制限してあるので、220Ωは取り付けなくてもよかったのですが)

しかし、200Ωレンジを2000Ωレンジにすると、LEDはかすかに点灯する程度になり、それ以上のレンジ(最高2000MΩレンジ)までは全く点灯しません。

さらに、写真のように、2000MΩでは、テスターに表示される数字も変な数字が表示されています。

これらはなぜでしょう

テスターの仕様書を見てみました。

「使用電池9V(006P)、開放端子間電圧2.8V、測定電流max2.2mA(200Ωレンジ)76μA(2000Ωレンジ)」と書いてあり、それ以上のレンジではさらに電流が小さい仕様になっています。

つまり、測定された3Vは、この開放端子間電圧だったようです。そして、最大2.2mA の電流が流れるので、LEDが点灯したということです。(2.2mAでも点灯することもブックリですが)

このことから、電流制限抵抗はいりませんし、3VでもLEDが切れることはないだろう・・・ということが次々にわかってきます。

その他のレンジ(例えば2000Ωレンジ)にすると、仕様説明書にあるように、76μAと電流が制限されているのでLEDは点灯しない・・・ということです。

これで、テスターの抵抗値測定用レンジの電圧で、LEDが点灯するかしないのかについて納得できました。

LEDを点灯させる条件を知るには、LEDの仕様を見れば、それを確認できます。

図2

このグラフの範囲では、最低でも1.7V・1mA程度以上が必要だということになります。

上のテスターの200Ωレンジでは2mAが流れる仕様になっていますので、いちおう「点灯する」・・・ということがわかりますし、実験したことについても納得できました。

これについては、別に、定電圧電源を用いて、加える電圧を変えて実験してみると(LEDごとに違いますが)、上の回路では加える電圧を1.7Vまで下げてもLEDが光っているのが目視できましたし、電流が少なければ、3.5V程度までは問題なく点灯していますので、かなりの電圧幅でこのような順電圧が2VのLEDが使えるということです。

どんどん測定が別の方向にすすんでいくということになったのですが、ちなみに、電源電圧2Vのときの電流値を実測すると0.7mA程度流れており、このときの220Ωの電圧降下分はE=I/R から、0.0007/220≒0V ですので、加えて電圧が1.7Vでも点灯したのですが、先に計算したLEDの順電圧は2.15V と計算されたように、(これには当然、誤差はあるものの)LEDは2V以上の電圧を加えるのが良い・・・ということも何かしら、わかってきます。

このようなことを何回かやっていると、自分の頭の中で、このようなLEDに関する知識が「常識」となっていくのでしょう。いわゆる、「経験」が加わって、「説明しなくても、自分の頭の中では『常識』になってくる」ということになって行くのですが、一番はじめに、「理科系の人の書き方が良くない・・・」と書いたのは、こういう理由かもしれません。

つまり、やはり、ある程度のことを経験しないと、本の内容すら理解できないということになるのですが、それって、何かおかしいのではありませんか?

【今回調べてみた結論としては】

テスターでは、LEDやトランジスタなどの抵抗を測るのは無理があることがわかりました。

もしもトランジスタで抵抗レンジを使って抵抗を測る場合に、3Vの電圧がトランジスタに直接加わるので、危険なこともあるかもしれない・・・ということも何となくわかってきました。

どことなく万能で使いやすいテスターなので、これがなければ電子工作はどうにもなりません。テスターは「強い味方」ですので、まず、何時も用心いて使うことと、使い方になれる必要がありそうですね。 他の電子工作記事を順に書いていっています。気が向けばお読みください。

→電子工作の目次に



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