楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

磁気に反応するホールICをつかってみる

「ホールIC」は、ホール素子を使ったICで、磁気の強さに応じて「電圧」を出力するしますので、バイポーラトランジスタのような感じで使うと、磁気の大きさで電流をコントロールするような用途に使えるので、簡単な例で説明します。

初心者にも使える、いくつかの磁気センサ

磁気を利用するセンサ類

磁気に関係するセンサ類には、「ホール素子」「磁気抵抗素子」「リードスイッチ(こちらに記事)」などがあります。


「ホール素子」は磁気によって「電圧を出力する素子」で、磁気の大きさで電流を制御します。これから説明しますが、磁石を近づけると電流が流れるようにするトランジスタのようなものと思えばいいでしょう。 

「磁気抵抗素子」は、こちらのページで取り上げていますが、「磁気の大きさと方向で電気抵抗が変化する素子」です。 ただし、磁気の方向を感知する性質は面白いのですが、抵抗差が少ないので、増幅する必要があるなど、少し工夫が必要になります。

そして、「リードスイッチ」は、「磁気によってON-OFFするスイッチ」です。

このリードスイッチはこちらのスイッチのページの中で紹介する、磁石を近づけると接点が閉じる「スイッチ」です。簡単に使えるので、面白い使い方ができそうです。

これらはいずれも安価なものですので、是非購入して使ってみてください。

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磁気という言葉は難しく考えないで、磁石を近づける、遠ざける・・・という感じで、それによって反応するセンサーをいくつかを用いると、位置の検知やモーターなどの回転状態が感知できるなど、様々な用途に使うことができそうです。

その他に考えられる用途には、たとえば、 ①磁気によるON-OFF(フタの開け締め検知)  ②距離測定(磁石との距離検知)  ③回転状態の検出(モーターの回転位置・回転数検知)  ④電流の検出(電流の磁気変化) などいろいろなことが考えられますが、ここで紹介する「ホール素子を用いるホールIC」は広い用途に使えそうです。

ここでは、難しい理論や専門的な使い方などは別にして、趣味の電子工作に簡単に使えそうなホール素子を使った「ホールIC」の簡単な使い方を紹介します。

ホールIC

ホールICは、ホール素子にスイッチ機能を内蔵して一体化したものと考えていいでしょう。 磁石(マグネット)を近づけるとON-OFFスイッチに使えるセンサーです。

ここでは、SK1816GのSIPパッケージという、トランジスタのように、足のついているものが使いやすいので、これを使って説明します。

上の写真のように、小さなもので、価格も @50円程度 です。

ホールICの端子の図示

3本の足は、1:電源  2:接地 3:出力 の端子になっています。

ホールICはONかOFFという、デジタルのような出力ですが、ここではそれをスイッチにして、アナログ的な使い方をしてみます。

同じように、ホール素子を使った『リニアホールIC』という、このホールICとは違った別ものがあります。 

このリニアホールICは、磁気の極性や強さに応じたアナログ電力が出力されるので、位置や角度などの検知ができることから、これはまた色々な使い方ができそうなスグレモノといえるでしょう。

ただ、リニアホールICに比べると、この「ホールIC」は非常に安価で、ICの内部でいろいろな処理がされているので、ただ、電源につなぐだけで動作し、常温~100℃程度の環境で使うのであれば、簡単に使えてノイズの影響も受けにくいので、電子工作でなにかしようと思えば、使い勝手の良いセンサーかも知れません。

電子工作用途としては、「扉やフタを開けると何かが起こる」「磁石を近づけると何かが起こる」 ・・・ というようなことだけでも、いろいろなシチュエーションで使えそうですし、その使い方としてはON-OFF、近接感知、回転感知、などと無限にあると考えられるので、使い方はアイデア次第でしょう。

  

使用例:磁石を近づけるとLEDが点灯する回路

ここでは、磁石を近づけるとLEDが点灯する回路を作ってみます。

下左は原理図で、右は、今回の回路です。 ホールICに磁石を近づけるとLEDが点灯します。

この回路中の 0.1μF のコンデンサはノイズ除去のためのものです。 また、B接点スイッチは、一度ON状態になると、その状態がずっと保持されたままなので、それを消灯したいときにスイッチを押せば消灯するようにしています。

B接点は何もしていないときは導通しており、押すと回路が切断されるスイッチです。(押すと導通するスイッチはA接点スイッチといいます)

そして、後で説明していますが、この回路では、LEDが点灯していなくても、常時、ホールICを通じて少しだけですが電流が流れています。

ホールICでLEDを点灯する回路例

ブレッドボードに組んだ様子

横から見た様子

動作を確認してみましょう

磁石をホールICの印字面に近づけるとLEDが点灯します。

このホールICの場合は、磁石の「N極」を近づけると点灯し、その状態で「S極」を近づけると消灯します。

NとSを交互に近づくと順次にON-OFFします。 つまり、「N極」と「S極」を区別するようです。

いったん点灯すると、磁石を遠ざけても、LEDは点灯したままです。

そこで、点灯状態でスイッチを押すと(B接点なので押すと回路が切れるので)点いているLEDは消灯します。

スイッチから手を離すと、再び回路はつながって、ホールICには微小電流が流れますが、LEDは消灯したままです。

このとき、回路には7.6mAの電流が流れています。

「N極」を近づけてLEDを点灯させたときの電流は20.9mAです。

LEDは通常の2Vタイプですので、制限抵抗220Ωに流れる電流の計算値は (5-2)/220≒0.0136A で、ICの電流を合わせると、13.6+7.6=21.2 となるので、ほぼ計算通りの電流が流れているようです。

しかしここでは、ホールICに流れる電流についての注意が必要です。

SK1816Gの絶対最大定格(抜粋)

これは、今回使ったホールIC(SK1816G)のデータシートの「絶対最大定格」の一部です。

供給電圧(Supply Voltage)は5Vで問題なし、供給電流(Supply Current)7.6mAで問題なしですが、回路電流(Circuit Current)は20.9mA流れています。

表は最大定格なので、20mA以上は流してはいけないのを、ここでは、0.9mAオーバーしています。 このため、電流値を下げないと、ホールICが破損します。

現実的には、長時間点灯させていてもホールICは破損しませんでしたが、ここでは正しい使い方をしなければなりません。

そこで、普通のLEDを3Vの高輝度LEDに変更して電流値を測定すると、16.7mAでした。・・・ これでOKです。

流れる電流の計算値は、(5-3)/220=0.009A  9mA+7.6mA=16.6mAで、実測と計算値もあっていて、これで問題はないでしょう。

普通タイプのLEDを使うのであれば、電流制限抵抗値を(市販されているものでは例えば)330Ωに変更すると (5-2)/330=0.009A と9mAであれば最大定格以内ですね。

このICのデータシートは英語でわかりにくいのですが、このように、データシートは必ず読むようにして安全に留意しないといけません。

これからはアイデア次第・・・

このホールICには大きな電流が流せないので、例えば、リレーを動かしたり、モーターを回すには最大許容電流が20mAでは足りません。

この場合はトランジスタを使えばいいのですが、その方法としては、例えば、ホールICをスイッチにして、出力をNPNバイポーラトランジスタのベースにつなぐことでもOKですし、MOS-FETを使っても出来そうですね。

考え方は、トランジスタのところの記事を参考にしてください。

ホールICの種類

この「ホールIC」には、今回使ったSK1816Gのように、用いる磁石の ①「S極・N極」を区別するもの と、例えば、 ②「S極」を近づけると動作するもの  ③「S極・N極」のいずれでも動作するもの ・・・等があります。

今回使ったSK1816Gは、N極で点灯した後に、磁石を遠ざけても点灯状態が保持されています。 しかし、他のものでは、これとは違った動作をさせるものもありますので、いろいろ使ってみて、目的に合ったものを使う必要があるということになります。

私は、このタイプしか手持ちがありませんので確かめていませんが、このホールICもそうですが、非常に安い部品であるのに無限の楽しみが広がりますので、いろいろなセンサを購入して、いろいろ試してみると面白いでしょう。

蛇足ですが、今回は「100均のダイソー」で購入した超強力マグネットを使いました。 ネオジム超強力マグネットの小さいものを購入しておくと、いろいろのものに使えます。

マグネットのN極 S極の見分け方は?

問われると???となりませんか?

マグネットの見分け方ですが、私は磁針(コンパス)を使います。ベタな方法ですが、実際にはっきりとさせるときには、覚えておくといいでしょう。

磁針のNが北を指すので、地球の北極はS極ですね。北極のS極が磁針のN極をひきつけています。

・・・ 小学校では大事なことを学んでいるのですが、改めてそれを思い出させてくれました。

 

ここではホールICを使った簡単な回路を紹介しましたが、このHPでは、初めて電子工作を始める方が手軽に楽しめるように、アナログ、低電力、直流のものを主に扱い、高度な理論や計算をしなくても理解できる内容にしていますので、実際に手を動かして電子工作を楽しんでいただきたいと思います。

→次のページで磁気センサの一つの「磁気抵抗素子」を紹介しています

→目次のページへ 



  
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(来歴)R2.4記事作成  R2.8様式2カラムに  最終R3.10に見直し
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電子工作記事の目次

最小限必要なことのおさらい(1-1)

最小限必要なことのおさらい(1-2)

電子工作に使う電源のいろいろ(1-3)

最小限 必要な準備をしましょう

LEDで遊んでみよう

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7セグLEDをアナログ的に使う

バータイプLEDを使ってみる

ろーそくICとはどんなものなのでしょうか

モーターを使って遊んでみよう

DCモーターの回転数を変えてみる

DCモーター用のドライバー

モータードライバーNJU7386を使ってみる

電子工作に使えそうなバイポーラトランジスタ

バイポーラトランジスタの互換性を見てみよう

バイポーラトランジスタのダーリントン接続

電界効果トランジスタFETの基礎

発振によってBEEP音を出してみよう

マルチバイブレータでLED点滅

その他の発振回路:少部品で確実に発振する回路

CdSセルを使ってみよう

電子工作に使えそうなスイッチ類

メカニカルリレーを使った自己保持回路

磁気に反応するホールICを使ってみる

磁気センサの「磁気抵抗素子」

メロディーICを使ってみましょう

サーミスタと温度センサICを紹介します

光を利用する発光受光素子

フォトインタラプタとフォトリフレクタ

オペアンプの使い方(1)オペアンプと電源

オペアンプの使い方(2)コンパレータ

オペアンプの増幅回路

オペアンプの増幅(2)

オペアンプを使った発振回路

タイマーIC NE555を使って見よう

タイマーIC「555」を使い倒そう 

コンデンサマイク用ミニアンプを試作

10進カウンタICとシフトレジスタIC

ボルテージディテクタ・リセットIC

バイナリカウンターを使ってみよう

テスターとオームの法則から始まる電子工作

応用のページのINDEX(目次)

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