楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント 最小限必要なもの

電子工作に使う電源のいろいろ   (1-3)

最初のうちは、こちらの記事で作った5V電源だけでLED工作やトランジスタを使ったものは十分楽しめます。 ただ、5V電源だけでは物足りない場合もでてきますし、同時にいくつかの電源電圧を使う場面も出てきますので、サラッと読み流しておいてください。

ここでは、直流安定化電源や三端子レギュレータによる電源や自作できそうなものなどを紹介します。

リチウム電池充電用アダプターを利用する

私がよく使っている「可変直流安定化電源」

可変直流化電源装置

電子工作は、お金をかければキリがありませんが、色々な実験を楽しみたい方は、このような可変の電源を購入しておくといいでしょう。

もちろん価格と性能は切り離せないので、予算があればいいものを買えばいいのですが、私は、最低限の費用で楽しみたいと考えているので、この程度の安価なものを自分で納得しながら使っています。 



この安定化電源(STP3005D)は、5千円ちょっと高いものではありませんが、重宝して使っています。

仕様は5A30Vで、電圧を可変して使う使い方がほとんどですが、これを「定電流電源」として、例えば、電流の最大量を100mAに規制する使い方が出来ることも便利です。(0.1A単位ですので、使うのは限られていますが・・・)

少し予算に余裕があるようならば、このような「可変電源」を持っておくとかなり便利に使えます。

その他の電圧でも、結構よく使います

先に紹介したスマホ充電用アダプターを使った 5V1A程度の「安定化電源] があれば、大抵のものに対応できますが、これとは別に、3-12Vの電源がほしいときがしばしば出てきます。 そこで私の使っているいくつかの電源を紹介します。

交流用トランス

交流用トランス

これは、6-12V(実効値)の交流トランス(TOYOZUMI HT-1205 : 700円程度)です。 

このHPの記事には、交流をそのまま使うものはほとんどありませんが、このHPでは、LEDの交流点灯や三端子レギュレータの記事で使用しています。

これが1つあるといろいろなことに使えて便利です。

直流安定化電源

以前によく使われていた下左のようなAC-DCアダプターは、ほとんどが非安定電圧のアダプターでした。 

その電圧を測って見ると、呼び電圧に比べてびっくりするほど高い電圧になっていて驚いたことがあります。

非安定のAC-DCアダプター

このような電圧であっても、これはこれで問題はないのですが、電子工作に使おうとすると、これではちょっと困ることもあるので、できれば、定電圧のアダプターを使うようにしたほうがいいでしょう。

私は、下の写真のような市販品のアダプターも常用しています。 

これは安定化電源のアダプターで、様々な場面で各種の電圧が使えるうえに、安価ですので結構便利です。

安定電源の例

安定電源の詳細

この製品本体後ろのスイッチで6段階の電圧を切り替えるようになっており、電圧も安定しており、1Aまで使用できる仕様で、いろいろなDCジャックを付け替えるようになっているスグレモノです。

長期間使っているもので、2000円前後で購入した記憶なのですが、アマゾンの記事を見ると、最新製品が2,738円で販売されているようです。 いろいろなタイプの製品が販売されています。

  → Amazonのマルチアダプターを見てみる

パソコンのUSBを電源に使わないように!

パソコンのUSBから5Vで安定した電圧を引き出せるので、いろいろな機器も販売されているのですが、これはおすすめできません。

電子工作中にショートさせたり大きな電気を使う場合も出てきます。 USB機器はたくさん売り出されていますが、基本的には、パソコンのUSB端子からは電気を取らないようにするようにしましょう。

大きな電流で使いたい

1A電流でも結構大きな電流ですが、もっと大きな電流で使いたい場合もあると思います。 

私は、下のようなアダプターやスイッチング電源ユニットを使うこともあります。

使わなくなったアダプターなどを捨てないで残しておくと、意外なところで役に立つこともあります。

その他の安定化電源

ただ、大電流で使おうとすれば、熱の問題がでた時の対処が難しいこともあって、私はできるだけ大きな電流の工作はしないようにしています。 

みなさんも、電流による発熱には最大限の注意をお願いします。

工作好きな方は、電源ユニットを作ってみましょう

ACアダプターを使って、12V用電源に、三端子レギュレータを使って電源ユニットを自作しましたので、簡単に紹介します。

自作した安定化電源

自作した電源回路図

写真のように、約16V 電圧が出ている非安定のAC-DCアダプターを使って、12V用の三端子レギュレータ(78012AP)を取り付けただけのものですが、簡単に製作できるので、作ってみてはいかがでしょうか。

コンデンサ①はサージ除去用で、②③はリップル除去用です。

①の入力側0.1μFは、三端子レギュレータ78012のデータシートでは0.33μFと書いてありましたが、0.1μFを使っている方が多いようですし、さらに、0.33μFの手持ちがなかったので 0.1μFにしています。 

この0.1μFは、できるだけ三端子レギュレータの近くに取り付けます。 

②③のコンデンサ容量については、他の方の回路を見てもまちまちでしたので、10-1000μF と値を変えてみて、オシロスコープでその違いを見たところ、見た目では大して違わなかったために、適当ですがこの値にきめました。

(手持ちのオシロスコープは最安価なものですので、細かい違いが見えていないと思うのですが・・・ これについては、こちらで紹介しています)

ちなみに、AC-DCアダプター(入力側)のリップルは約4%で、この12V出力側のリップルは2.5%でしたので、これで結構良い状態・・・だと見ています。

安定した直流が得られました

【参考】三端子レギュレータを使った実験

三端子レギュレータについて勉強しながら、かんたんな回路を組んで実験しました。

手元に少電力用の三端子レギュレータL78L05ACZ(5V100mA用)がありましたので、電源や整流などのいくつかの実験をしましたので紹介しておきます。

三端子レギュレータを使った実験回路図

基本はこのような回路です。

それに、5Vの3端子レギュレータを使って、電圧ブースト(より高い電圧を出力する)の状態と、入力電圧と出力電圧の関係を見てみました。

高い電圧を出すブースト回路

GND端子をアースする手前にダイオードや抵抗を入れることで、5V用の三端子レギュレータでも、若干高い電圧が出力出来るようになります。

三端子レギュレータの電圧ブースト回路の例

図の左はダイオードによるブーストで、ダイオードの数を増やすと、その順電圧に関係して出力電圧が上昇します。

図の右側はGND間に抵抗を入れると、抵抗を大きくすることで、やはり出力電圧が上昇します。

電圧ブースト回路の実測例

ここで重要なことですが、このグラフに見るように、目的電圧に対して、十分に高い電圧を三端子レギュレータに加えないと所定の電圧が出ないこともこのグラフからわかります。

三端子レギュレータの電圧降下分は熱になって放出するので、電圧が高いほどいいというものでもないですので、目標の電圧用の三端子レギュレータを使って、電圧を高くしすぎないようにするのが「良い使い方」になります。

つまり、L78L05ACZのデータシートではMax30Vまでの電圧を加えても5Vの出力になるのですが、入力電圧と出力電圧の差が大きいと発熱しますので、出力電圧が5V用のL78L05ACZでは、7-8V程度、12V用の素子では13-14Vのように、あまり高い電圧を加えないのがいいということになります。

ここでは手持ちがなかったので紹介しませんが、「負電源」を使う場合があると思います。この場合は「負電源用のレギュレータ」を使用しなければなりません。

熱についての問題も事前に検討が必要

上の実験では負荷をつながないで電圧を測定していますが、負荷をつないでそこに電流が流れるとレギュレータ内で発熱します。

今回使った三端子レギュレータ

このL78L05ACZは100mA用ですが、半分の50mA 程度の電流を流すと、手でさわれないくらいの高温度(約50℃以上)になります。 

データシートでは、100℃程度までは出力が落ちないようになっていますが、温度による変質や劣化を考えると、50mA程度までで使用するのが限度・・・だと考えておくのが良さそうな感じですね。

データシートを100%信用しないで、熱が危険だと思えば、対策することが大事です。

楽天

この三端子レギュレータは写真のようにバイポーラトランジスタのような形状です。78012のように放熱板に取り付けるタイプでないので、熱については気をつけておかなければなりません。

整流とリップル除去について

半波整流と全波整流回路

交流からトランスで変圧してダイオードで整流して使用する場合は、基本的には、平滑コンデンサで波をなめらかにして直流に近づけます。

今回実験してみると、半波整流の場合でもなめらかな直流になっていたのですが、が、自作する場合は全波整流するほうがなめらかな直流が得られるはずです。

整流用のブリッジダイオードも安価なものですから、全波整流を基本にするといいでしょう。

ダイオードを使って整流した波形例

半波整流はダイオード1つ、全波整流はダイオードを4つ使ってえられます。(整流用のダイオードも安いものが販売されています)

それに平滑用のコンデンサをつなぐと下の写真のように波がなだらかになっていきます。

平滑コンデンサを変えた時の波形の様子

このように、小さな容量のコンデンサでも実用的な直流になったのですが、これには「落とし穴」が潜んでいることに注意しなければなりません。

通常の回路を見ると、数1000μF~1万μF以上の平滑コンデンサが使われているのが普通です。 

これは、負荷に流れる電流などの影響で波形が乱れることを少なくする意味合いがあります。それを実験して確かめてみます。

負荷による影響を見るために使った回路

このような回路(半波整流回路ですが)で負荷抵抗値を変えて、流れる電流とリップル(波の乱れ)を測定してみました。 すると、次のように、流れる電流が増えてくると、リップル量が増えてきます

図には平滑コンデンサを2000μFにした時の一部の値も入れていますが、コンデンサが大きくなるとその影響が小さくなっていることがわかります。

負荷電流とリップルの関係の実験結果

しばしば、「オーディオアンプなどでは、電源部を強力にする・・・」という表現が見られますが、つまり、できるだけ余裕を持った設計をしないといけないということですね。

この場合のリップル10%というのは、HiFiオーディオではあまり良くない数字と言えるでしょう。

少なくとも5%以下にするのがいいので、通常では、できるだけ大きな 10000や20000μFという大きな容量の平滑用コンデンサが使われています。

さらに、次のグラフのように、負荷に流れる電流が増えると、出力電圧が下がってくるという問題も出てきます。

負荷に伴う出力低下を見た実験結果

これの対策として、一般的には、整流後に三端子レギュレータを用いて安定した電圧にすることで対策するといいでしょう。

正負電源を簡単に作る

オペアンプなどで、正負両電源が必要な場合があります。

これを三端子レギュレータを使って作るとすれば、正電源用の普通の三端子レギュレータと負電源用の三端子レギュレータが必要になります。

今回はパーツがないので実験しませんでしたが、例えば、半波倍電圧整流回路を使うことで、「プラスマイナスの両電源」を簡単に作ることなどもできます。

下のような回路に三端子レギュレータをつければ、オペアンプのテスト用両電源になります。

半波倍電圧回路を使った正負電源を得る回路例

このトランスですが、トランス2次側の電圧が6.7Vですが、このような回路にすると、意外なことが起きていました。

平滑コンデンサをつけない状態では、正電圧+2.99V、負電圧2.99Vなのですが、この図のように、1μF~1000μFのコンデンサを図のようにつなぐと、正電圧+9.2V程度、負電圧-9.2V程度になりました。

倍電圧と言っても、変な感じの電圧になっているのですが、ほしい電圧のものにしようとすると、この方法では問題がある感じです。

そこで、もっと高い電圧が必要ならば、目的の電圧用の三端子レギュレータ(正電圧用と負電圧用が必要)を使えばいいということになります。

下はJRCのデータシートによる参考図ですが、このように、正負側のコンデンサやダイオードの向きに注意します。(IN側のコンデンサは三端子レギュレータの近くに取り付ける必要があります) 

正負電源用回路の試案

これは、実際に回路を組んでい確認していませんので、もしも、コンデンサ容量の影響などで、正負電圧に差が出る場合には、容量を変えるなどの工夫が必要になるかもしれません。 もしも興味ある方は作って確認してみてください。

以上です。使えそうであれば参考にしていただければ幸いです。

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(来歴)R3.3記事作成  最終R3.10に見直し
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電子工作記事の目次

最小限必要なことのおさらい(1-1)

最小限必要なことのおさらい(1-2)

電子工作に使う電源のいろいろ(1-3)

最小限 必要な準備をしましょう

LEDで遊んでみよう

Arduino用センサキットのLEDで遊べそうですか

7セグLEDをアナログ的に使う

バータイプLEDを使ってみる

ろーそくICとはどんなものなのでしょうか

モーターを使って遊んでみよう

DCモーターの回転数を変えてみる

DCモーター用のドライバー

モータードライバーNJU7386を使ってみる

電子工作に使えそうなバイポーラトランジスタ

バイポーラトランジスタの互換性を見てみよう

バイポーラトランジスタのダーリントン接続

電界効果トランジスタFETの基礎

発振によってBEEP音を出してみよう

マルチバイブレータでLED点滅

その他の発振回路:少部品で確実に発振する回路

CdSセルを使ってみよう

電子工作に使えそうなスイッチ類

メカニカルリレーを使った自己保持回路

磁気に反応するホールICを使ってみる

磁気センサの「磁気抵抗素子」

メロディーICを使ってみましょう

サーミスタと温度センサICを紹介します

光を利用する発光受光素子

フォトインタラプタとフォトリフレクタ

オペアンプの使い方(1)オペアンプと電源

オペアンプの使い方(2)コンパレータ

オペアンプの増幅回路

オペアンプの増幅(2)

オペアンプを使った発振回路

タイマーIC NE555を使って見よう

タイマーIC「555」を使い倒そう 

コンデンサマイク用ミニアンプを試作

10進カウンタICとシフトレジスタIC

ボルテージディテクタ・リセットIC

バイナリカウンターを使ってみよう

テスターとオームの法則から始まる電子工作

応用のページのINDEX(目次)

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