楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント:LED

LEDは、加える電圧が一定量を超えると電流が流れ始めて、その電流量が大きいと明るく光ります。 

LEDには大きく分けて2V用と3V用があり、2V用はよく使われている砲弾型のものは2V15mAで使用するものが多いのですが、これは、1V程度でも発光し、電流が多く流れると明るく光ります。

実際に実験して確かめてみると、品物(LEDの色など)によって、加える電圧と電流が異なっているようで、たとえば、いろいろな色のLEDを使った場合に、同じ程度に光らせるためには何らかの工夫がいりそうです。

LEDの種類や色によって明るさの程度が違う

点灯状態

これは、普通の砲弾型の2V15mAタイプの色の違う4種類(各2個)の5mm普通タイプLEDを並列つなぎにして点灯させると、確かに明るさが違います。 

別のところで説明していますが、並列つなぎにすると、各LEDには同じ電圧が加わるので、電流が流れやすいLEDは明るく光ります。 それを明るい順に並べています。

ここでは、抵抗器を回路に直列にして総電流を制限しているので、流れる電流量が多いLEDは明るく光りますが、そのLEDに電流を取られてしまって、電流の流れにくいLEDは暗くなったり点灯していない様子がみられます。

ここでは、電流の流れ方の違いを見るためだけの実験ですので、5Vの電圧で100Ωの抵抗を直列にして、全体で約30mAの電流が流れしていますが、赤系統のものは明るいのですが、黄色はかすかに点灯している程度で、緑色は点灯していない状態です。 

これらのLEDは1mA程度流れると光りだします。(下のグラフを参照ください) 

大きな電流を流すと切れてしまうので、25mA以内で使用するものとすると、LEDを並列につないだ場合は、同じタイプのLEDの場合であれば、2個の並列では1つのLED に流れる電流は1/2になります。

写真のように8個のLEDでは、それぞれに1/8の電流が流れるのですが、写真のように流れ方の違うLEDを組み合わせると、流れやすいLEDに電流が取られるので、流れにくいLEDは輝度が下がっていくことがわかります。

下のようなデータシートの例をがあります。 

本来は、仕様にあるように、製品の色によって明るさが違っています。

もっとも、下のメーカーのものではないこともあって、上の実験のものとは異なった結果ですが、ともかく、製造時点でLED製品は、色や種類によって輝度の差があるということを知っておいてください。

色によってLEDの特性が違う

(注)このAVAGO社の資料では緑色が最も明るくなっています。しかし、私の上に示した写真のLEDは、(青色はありませんが) 緑色よりも赤系統の色が明るく輝いています。 つまり、メーカーや製品によって明るさが異なるのでしょう。

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電流量を合わせると、見た目で同じ程度に光る

それぞれのLEDの特性によって、電圧を加えたときの電流量は異なっていて、輝度の違いが出るので、色の違う同じタイプのLEDに同じ電流量になるように制限抵抗の抵抗値を調節して、両方のLEDに同じ電流を流した時の状態を確認しました。

その結果は、下のように、LEDに流れる電流値が同じであれば、見た目には同じように発光しているようです。(発光部の明るさを見ています)

点灯状態3

この実験は、明るさが異なるLEDのそれぞれに、可変抵抗(半固定抵抗)を使って15mA(誤差0.02mA以下)が流れるようにして点灯させています。

見た目の発光部の明るさが同じようになっているのがわかります。

つまり、色が違って特性の差があっても、LEDに流れる電流を揃えると、目で見る明るさ(輝きの程度)は同じ程度になります。

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LEDの色や種類で光り方(明るさや電流量)は違う

そこで、手持ちのいくつかの種類のLEDでの電圧と電流の関係を調べてみました。

下の図のように、色によっても、メーカーや商品によっても、電圧とLEDに流れる電流量はまちまちです。(ドットなしの赤の線は、基本特性の一例です)

いろいろな手持ちのLEDで電圧と電流の関係を調べた 各LEDの電圧電流値

2mA程度の電流が流れると発光します。  

LEDは、流れる電流で輝度が変わるのですが、電流が多すぎると短寿命になるので、通常は5~20mA程度を流して使用するのが一般的です。 

しかしこのように、メーカーや色のタイプが違えば、加える電圧と電流の関係はかなり異なっていますから、いろいろなLEDを同時に使って光り方を同じ程度にしようとすると、それぞれの電流を調節する必要が出てくるかもしれないということも出てきます。

例えば、同じ2Vを加えた場合でも、このグラフでは、LEDに流れている電流は製品によって4mA~30mA の差があるので、例えば、いろいろなLEDをつかって点灯させる「電飾」などを作ろうとすると、見た目の明るさを合わるには何らかの工夫が必要になってくる可能性がありそうです。

ここでは詳細に触れていませんが、外観が5mmの砲丸タイプのLEDであっても、メーカーや色で輝き方は違っているということを知っておくといいでしょう。

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