楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

LEDで遊んでみよう

  

電子工作の初歩では、LEDに関する記事が多いのですが、ここでも、数字(特に「電圧」)を考えながら、理屈よりも「実際にやってみる」ことで、感覚的にLEDを理解していきましょう。

LEDを点灯させる基本回路

  

LEDを点灯するための基本回路図


LEDや抵抗などの部品は、非常に安いものが販売されています。アマゾンのページを紹介しておきますが、非常に安いですので、数が多くても、購入して実際に楽しんで見るのもいいと思います。→ Amazonの電子工作用LEDのページへのリンク


上の図は、何度も出てくる基本的な「LEDの点灯回路」です。もう一度簡単におさらいしましょう。

通常の砲弾型のLEDに大電流を流すと、発熱のためにLEDは破損します。

通常のLEDは順電圧2V で、電流は15mA以下で使用するようにします。

そのために、電流制限用の抵抗を回路に「直列」に入れることによって、I=E/R で電流の制限をします。

この順電圧とは、LED1つで2Vの電圧降下があるということですので、①2V以上の電圧がないと点灯しませんし、電圧をそのままLEDにかけると、電流が流れすぎてしまう場合もあるので、②電流を15mA以下に抑えるために、、この図のように抵抗を直列に接続するのが一般的な使い方です。(もちろん、定電流ダイオードを使うことも行われますし、その他の方法もあります)

例えば、電源の電圧が3Vであれば、LEDで2Vが必要ですので、(3V-2V)=1Vの電圧を下げるための抵抗を用いるのですが、このとき、LEDに15mAの電流が流れるとすれば、(直列の回路ですので)抵抗にも15mAの電流が流れているので、オームの法則を用いて、R=E/I から、R=1/0.015=67Ω の抵抗をつなげばいいということになります。

ここまでは、いいでしょうか? 

こういう考え方で、その他について、いろいろと試してみるのですが、小中学校で習った「電灯の場合の明るさ」について、直列つなぎと並列つなぎでは、どの様になるのかを確認しておきましょう。

直列と並列について電灯で明るさをイメージしてみましょう

家庭用の電球は「ワット数」で明るさが変わりますね。家庭の回路は上のように電気器具が並列につながれています。

ワット数の違いによる電灯の明るさイメージ

電灯(白熱電球)は、最近は見かけなくなったのですが、多分、このようになることを小中学校で学んだと思います。(小学校のときは豆球での実験をやったこともありました。並列のときは同じ2つの明るさのものを直列にすると、暗くなる・・・という実験もしましたね)

家庭の電灯などの回路は、全て並列につながれていますので、「ワット数の多いほうが明るい」ということを記憶していると思いますが、直列にすると、(これをやることはまずないと思いますが) このように、ワット数の小さい電球のほうが明るく輝きます。(明るさの図示は、3つを比較したときのイメージですので、絶対的な明るさではないことに注意下さい)

この3つの電球の直列では、W(電力)= IE = I2R でRの大きさに比例するので、直列の場合は抵抗の大きい10W電球が電力を消費するので、Rが大きいほうが明るく光る・・・ということになります。

並列にすると、各電球にかかる電圧が同じなので、W=IE=E2/R から、Eが一定なので、抵抗の小さい方がたくさん電気が流れて明るく輝く・・・ということになります。

LEDの場合も、個々のLEDによって電圧降下があるので、つなぎ方によってはこれと同じになるはずですが・・・さてどうでしょうか?

LEDを2つ直列・並列にした場合はどうなるかを考えてみる

LEDが2つの場合では、3Vの電圧でこれを実験しようとすると、LED1つの順電圧が2V程度なので、4V以上が必要になリます。つまり、3Vでは点灯しません。

そこで、5Vの電圧で下の3つについて実験してみます。①がLEDが一つ、②が直列つなぎ、③が並列つなぎです。
LEDの接続例


LEDの明るさや電流値がどうなるのか、一緒に考えて、そして実験して確かめてみましょう。

①の回路

①の回路で、220Ωの抵抗を接続して黄色のLEDを接続しました。

そうすると、下の写真のように通常に点灯します。この時の電流は、テスターで測ると、13.1mAの電流が流れています。

LEDをつけてみる

また、テスターを用いて測定した220Ωの抵抗の実際の値は217Ωで、電源の電圧は、4.94Vでした。

この場合では、抵抗とLEDを直列につないでいるので、抵抗にもLEDにも同じように13.1mAの電流が流れているということです。

そして、電流が抵抗とLEDの2つを通過して4.94V分の電圧降下が起きているのですから、このときに、抵抗での電圧降下は、E=IRから、0.0131mAx217Ω≒2.84V ですので、LEDでの電圧降下は、4.94-2.84=2.10V ということになります。

これを「LEDの順電圧は2.1V」といいます。言い方を替えれば、2.1V以上の電圧が必要だというのですが、本当でしょうか?

これを確かめるのには定電流の可変電圧の電源を用いて、実際に測定してみました。すると、1.6V程度でON-OFFしました。

つまり、この順電圧2.1Vというのは「公称値」であり、一つの目安ということで考えておくといい程度かもしれません。

それでは、本題に戻りましょう。

②の回路:LEDの直列

②のように2つのLEDを直列につなぐと、どうなるでしょうか?

LEDの直列回路

「直列」ですので、抵抗・LED1・LED2にはすべて同じ電流が流れます。そして、それぞれで電圧降下がおきます。

ブレッドボードに回路を組んで試した結果は、このようになりました。

LEDを2個直列にした点灯

LED1つのときよりも、両方のLEDが少し暗くなりました。電流を測ると、4.8mAになっています。

さらにもう一つ直列にしてLEDを3つつなぐと・・・

LED3個を直列にして点灯

どのLEDも光らなくなりました。もちろん、電流値を測定すると、「ゼロ」です。やはり、電圧不足のようですね。

このときに固定抵抗をなくすとどうなるか・・・

危険!ですのでやらないでください】これは、電流制限抵抗がないので、たくさん電流が流れてLEDが壊れたり、熱が発生して危険な場合がありますのでやらないのが無難ですが、ここでは、実験としてやってみます。

LEDの危険な使用例

2つの場合はかなり明るく点灯します。電流値を測定すると、49.8mA流れています。もちろんこの状態では、LEDはまもなく焼けてしまうでしょう。

LEDの間違った使用例1

そして、LED3つを直列にすると、赤色LEDだけがかすかに光っています。その電流値は0.06mAでした。やはり電圧が不足しており、電気を流せないのでしょうか・・・。

先程計算した黄色のLEDの順電圧は約2Vで実際は1.7V でしたので、1.7x3=5.1で、電源電圧が約5Vであれば、2つは点灯しますが、3つは無理・・・というのがわかります。実際にやってみても、・・・ そうなりましたね。

この、2つのLEDが直列の場合について、確認のために少し計算してみましょう。

LEDが2つの場合を考えると、この時の電流値は、抵抗にもLEDにも同じ4.8mAの電流が流れていますので、E=IRから 0.0048Ax217Ω=1.04V が抵抗での電圧低下になります。

先に計算した黄色の順電圧が2.1Vだったので、緑の順電圧は、少なくとも、4.94-1.04-2.10=1.80Vで、多分これ以上になっている可能性が高いでしょう。

念のために、3つのLEDを①(LED1つと抵抗)の回路でそれぞれの電流値を測定してみました。

黄色13.1mA 緑色12.8mA 赤色14.1mA となりました。つまり、やはりLEDごとに特性は微妙に違うようです。

さらに、この単独の場合の電流値から、緑色、赤色の順電圧を計算してみます。

この場合は、抵抗での電圧低下は、緑:0.0128x217=2.78Vから、順電圧は、4.94-2.78=2.16Vです。

赤色は同様に、赤:0.0141x217=3.06 から4.94-3.06=1.88Vになります。 

3つのLEDの順電圧は、黄色2.1V、緑2.16V、赤1.88Vとなります。

このあたりの計算はオームの法則と加減算だけですが、出来ましたでしょうか。

流れる電流は直列なので、「一定(のはず)」です。このことから、赤色が最も明るいことは、直列の場合は、たくさん電流が流れるLEDが「明るい」ということのようです。

そのイメージを持って、次の「並列」について見てみましょう。

③の回路:LEDの並列

つぎはLEDを並列につないだ③の場合です。

LED2個を並列で点灯

220Ωの抵抗に2つのLEDを並列につなぐと、両方が点灯し、13.3mAの電流が流れています。3つ並列につなぐとどうなるのでしょう。

LED3個を並列につないでみた

3つのLEDを並列につなぐと、3つ合わせた電流の合計が14.2mAですので、平均しても5mA以下ですし、並列につないでいれば、電気を流しやすいLED(この場合は赤色)に電流が流れるようです。

このために、赤色だけが明るく輝き、他の2つは点灯していません。

このように、並列つなぎにした場合は、LEDの特性が微妙に違っただけで、明るさの違いが顕著になる可能性が高いということになりますので、イルミネーションなどに使う場合は、この方法は「良くない」ということになります。

多数個のLEDを点灯させるためには

多数個のLEDを付ける場合

1つの電流制限抵抗に対して複数個のLEDを並列につないで使用するのは良くない事がわかりました。

そうすると、この写真のように、LEDに対して1つずつの抵抗を付けて並列にした上で、電圧に対応する直列つなぎをして多数個のLEDを点灯するのが良さそうです。

多数のLED用の回路例

以上のように、いろいろな回路でLEDの光り方を見てきましたが、たくさんのLEDを一度に点灯させようとすると、全てを「並列」にして個々に抵抗をつけるということでもいいのですが、①直並列を組み合わせて使用する抵抗を減らしたり、②集合抵抗を使ったり(下左)、③それぞれで抵抗値を決めるのが大変であれば、抵抗器の代わりに「定電流ダイオード」(下右)を使用するなどの方法があります。

集合抵抗器の例 定電流ダイオードの拡大写真

最後にここでは、6個を直列にして3列で全18個のLEDを同時点灯してみようと思います。

6個を直列にするので、LEDは3mmの新品のものがありましたので、12Vの電源と220Ωの抵抗で18個のLEDをつないでみます。

220Ωに10mAの電流を流すとすれば、抵抗での電圧低下は、220x0.01=2.2V、12-2.2=9.8Vなので、2Vの順電圧のLEDであれば5つがカツカツという数字です。でも、ここでは6つ直列ではどうなるのでしょうか。つないでみると・・・・

18個のLEDをつけてみた

無事点灯しました。意外に規格の幅がある感じで、(緑の中に、少し暗いLEDもありますが)やってみるとうまく行けた・・・ということでしょう。

ここでは、緑色の1つが暗いのですが、実は、最初は緑の2つが暗い状態でした。そこで、その1つを入れ替えたのがこの写真の状態です。

つまり、個々のLEDには特性にばらつきがあるので、回路を組んでつなげばいいというものではないことがわかります。暗いものは別のものに取り替えるなどの「調整」が必要になるということです。

このLEDは、赤、緑、黄、青、白のLEDの5色がセットになっているものを購入しました。そこで今回は、最初、赤・緑・青のセットを組んだのですが、青がまったく点灯しませんでした。

調べてみますと、青と白のLEDは、順電圧が3V以上の「白色LED」でした。

このように、安価なセット品では、適当に様々な仕様のものが同梱されて販売されていることもあるので注意が必要ですが、それはとやかくいうほどのものではなく、安いのをうまく使うようにするといいと思っています。

この単品に定電流の電圧を加えてを調べてみますと、2.7Vで点灯するのがわかりました。

2.7x6=16.2ですので、9.4Vでは点灯するはずがありません。この電圧では、3つ直列までは点灯しそうだと推測できますね。

このように、中国製の説明表示のないセット品のLEDを購入したのですが、やすいのが取り柄です。いろいろな場合を考えておく必要がありそうなことも、勉強の一つかもしれません。

余談ですが、このような中国製の品物には、非常に安いものも多いのですが、少しなれてくると、非常にお買い得感があります。

最近では、品物の不良品もほとんどありませんし、このあとで使って遊ぼうとしているトランジスタなども、日本製やオリジナル品が廃番になっているものも多いので、中国製の安い製品を使っています。

下に、Amazonのページを案内していますので、覗くと、きっと買ってみたくなると思います。

最後に、面白いLEDを紹介します

以上、いろいろなLEDの接続について見てきましたが、アマゾンで7色に自動点滅するLEDを購入しましたので、これを最後に紹介しましょう。

「順電圧3.5-4.0V LED5mm RGB(Fast)」という表示ですが、1球2円程度で100球入りのものを購入しましたが、嘘みたいな価格です。

変わり種LEDの例

基本の回路で、220Ωの電流制限抵抗にこのLEDをつないだだけですが、点滅する様子を動画で撮りました。→ユーチューブの画像を見る

電源はこれまで使った5Vで、その他もこのHPで説明用に使っているものです。これを数個つないでみるのもいいでしょうし、何かのヒントになればご利用ください。

これらのLEDを使った製品は安価で様々なものが販売されています。下のリンクを参考に、何かの電子工作をやってみてはどうでしょうか。


Amazonの電子工作用LEDのページへのリンク  いろいろと安くて面白そうなものがあると思いますので参考にしてください。


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