楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント:LED

LEDを使って電子工作は主に、約2Vで発光する砲弾型LEDを使っています。LEDを使うためのイメージを持っていただくためのページです。

LEDは分別して保管する習慣をつけておきましょう

いろいろなLEDの例 

LEDは「light(光) emitting(放つ) diode(二端子半導体素子)」のことで、通電すると発光する部品です。

特殊な製品にはデータシートやパッケージの表示をみると詳しい仕様がわかるようになっていますが、汎用品ではパッケージにも表示のないものもあるので、保管する際に、時間がたっても詳細が分かるようにしておきましょう。


特に砲弾型の部品はLEDだけでないので保管に注意

 

写真のように、特に砲弾型の形状のものには、LEDでも仕様が違うものや、全く違う部品もあるので、保管するときは、品名を明示して、区分して保管するようにしましょう。

購入した時は覚えていても、時間がたつと忘れて戸惑うことも出てきます。

慣れてくれば、適当に使っても問題が起きることはないのですが、正しい使い方で使うためにも、普段からきっちりと区分しておく癖をつけておくのは大切です。

前置きはさておいて、ここでは汎用品の砲弾型のLED(写真の「2V普通タイプ」と「3V高輝度タイプ」)でLEDの基本的な内容についてみていくことにします。

砲弾型以外のその他のLEDについても少しですが紹介しています。サイドの目次(→こちら)から、読みたいところをピックアップして読んでいただくといいでしょう。

PR

大別して、LEDには2Vタイプと3Vタイプがあります

標準的な砲弾型LEDは2Vタイプで、これは、2V程度の電圧をかけると発光するもので、このHP では、なにも断りがない場合は、5mm・2Vタイプの砲弾型を使っています。

これに対して、約3Vで発光する高輝度LEDが安価で入手できるようになっています。 これは「白色」または「高輝度」と表現して区別するようにしています。

例えば、Amazonなどで販売されているもので、「発光ダイオード 3mm 5mm 透明LEDセット 高輝度 円型頭部 白/赤/緑/青/黄 5色 約200個入1,000円」 と書いてあれば「3Vの高輝度タイプ」ということです。

一般的なLEDを購入しても、包装に書かれた最低限の情報以外はほとんど何の説明もない場合も多いのですが、砲弾タイプであれば2Vの普通タイプか3Vの高輝度タイプのどちらかで、2Vの電圧を加えて点灯しなければ3Vタイプです。

逆に、2Vタイプに直接3Vの電圧をかけると、一瞬でLEDが焼損してしまいます。

また、別に詳しく見ていきますが、LED1つに流す電流は15mA以下で、たくさん電流を流しても電流量に応じて明るくなるのではなく、寿命を短くするだけですから、仕様を自分で分かるように明示して、さらに、区別して保管する習慣づけをするようにしましょう。

BTtime 発光ダイオード 3mm 5mm 透明LEDセット LED ダイオード 高輝度 円型頭部 白/赤/緑/青/黄 5色 約200個入

新品価格
¥595から
(2025/3/11 16:47時点)

工作実験では普通タイプ(2V)が扱いやすい

LEDの実験に使うには、高輝度LEDは明るすぎますので、いろいろ実験していると目が疲れるので、この記事では「砲弾型」の2V普通タイプのLEDを多用しています。

高輝度LEDの価格も安価になっているので、できればいろんなタイプや色を取り混ぜて多めに購入していろいろな実験ができるように準備しておくといいでしょう。


LEDはフィラメント豆電球の数十分の1の省エネ部品

従来から使われている豆電球(たとえば3.8V 0.4Aなど)を 3V で点灯させて、その時の電流を実測したところ、 0.25Aの電流 が流れていました。 

その時の明るさは(色の違いがありますが)断然LEDが明るい省エネ部品です。

豆電球の消費電力は、3Vx0.25A=0.75W で、3VでLEDを点灯させると、5mA程度の電流です。 3Vx0.005A=0.015W ですので、1/50 ですので、LEDは非常に省エネの部品といえます。

ちなみに、その豆電球の電圧を少し下げて 2.5V で点灯させると、かなり暗くなりますが、流れている電流は 0.23A(実測)とそんなに変わりません。

これを見るだけでも、LEDの省エネ性はすごいことがわかります。


LEDに電流を正確に流す工夫

LEDは電流量で明るさが変わるのですが、その最大電流量は加える電圧で変わります。

これは少しわかりにくいかもしれませんが、電源をつなげばいいというものではなく、電流量を正確にコントロールする必要で、一般的な方法は、下の図のように抵抗器などを使って電流を制限します。

2VタイプのLEDであれば、2V以上の電源を使って、10mA程度の電流を流す、3Vタイプであれば3V以上の電源を使って、やはり10mA程度の電流を流して点灯させるのが一般的です。

このHPでは通常は5Vの直流電源を用いますので、2VのLEDなら余分な(5V-2Vの)3Vの電圧を抵抗器を使って下げる方法が最も安価で簡単です。

標準的なLEDの点灯回路

LEDはダイオードの一種なので「整流作用」があって電流の流れる方向が決まっています。 

つまり、直流電源のプラスマイナスを逆に接続すると点灯しません。

PR

LEDには極性があり、つなぎかたを間違うと点灯しません

LEDには極性があるので、プラスマイナスを逆にすると点灯しません。(交流でも点灯しますが、これは別に取り上げています)

データシートには「逆電圧」という数値が書いてあり、これ以上の逆電圧を加えるとLEDが焼損します。 多くのLEDの逆電圧は5V程度です。 

このHPでは、通常、5Vの電源を用いるようにしているので、この「逆電圧」を超えることはないので、特に気に掛ける必要はありません。


高い電圧を直接加えると電流を流れすぎる

それよりも、2VタイプのLEDにたとえば 2.5V などの高い電圧をかけないように注意が必要です。

これはいろいろなページで取り上げていますが、例えば、2VのLEDは、2Vでは10mA程度の電流しか流れません。 しかし、適当な抵抗器なしで2.5Vの電圧をかけると、80mAもの電流が流れて、たちどころにLEDが焼き切れてしまいます。

電流による「熱」で発光部分が焼けきれてしまいます。 そこで …


LEDの基本的なつなぎ方を頭に入れておきましょう

LEDの新品状態では、足の長いほうが「+(アノード)」で、LEDを単独で使うことは稀で、通常は抵抗器を用いて、下のような回路にして使います。

(参考)LEDはダイオードの一種なので、整流検波作用があり、直流でなくても、交流でも整流して点灯します。

このHPでは交流回路はほとんど扱いませんが、LEDに加える交流電圧は「実効電圧(テスターで測ったときの電圧)」で考えておけば問題はありません。 たとえば、AC10Vでは最大約14Vの電圧が加わるのですが、これは、AC10Vと考えて抵抗値を決めれば問題ありません。

このHPの電子工作は直流が主体なので、LEDを交流で点灯ではなく、通常は直流で点灯させる回路で使います。


→ LEDを逆につなぐと点灯しないことを確かめてみたなど


→ 電子工作のINDEX(目次)のページへ 

PR
Page Top▲


(来歴)R1.12記事作成  R5.11月ページ再分割   R7.3月ページ分割
PR
電子工作の記事

関連する最初の記事にリンクしています。
全記事の目次はINDEXのページに。

電子工作を始めましょう
 始めるときの第1歩
 教材キットもおすすめ
 電源を用意するか自作する
 三端子レギュレータで電源製作
 難しい理論や計算はいらない
 電子部品の購入

LEDで遊ぶ
 LEDの基礎
 逆につなぐと点灯しない
 LEDのデータシートを見る
 抵抗器を使って点灯させる
 点灯時の電流・電圧・明るさ
 製品によって光り方が違う
 直列つなぎと並列つなぎの場合
 交流点灯・ダイナミック点灯など
 定電流化部品 CRD/CCR
 テスターでチェック・電池で直接点灯
 7セグメントLEDをアナログ点灯
 バータイプLEDをつかう
 ローソクICを使う

DCモーターを使ってみよう
 小型DCモーターを使う
 DCモーターの回転数を変える
 DCモーター用のドライバー
 小さなドライバーを使ってみる

トランジスタで遊ぶ
 バイポーラトランジスタ
 トランジスタの互換使用
 ダーリントン接続
 電界効果トランジスタFETの初歩

いろいろな発振
 発振でBEEP音を出してみる
 マルチバイブレータでLED点灯
 PUTを利用した発振
 弛張発振の例
 水晶発振子を使ってみる

電子工作に使うパーツ類
 フォトレジスター(CdSセル)を使う
 スイッチとノイズ対策について
 スイッチとリレーについて
 リレーを使う自己保持回路
 ホールICを使う
 磁気抵抗素子を使う
 音楽を奏でるIC部品を使う
 サーミスタと温度センサIC
 光を利用する発光受光素子
 フォトインタラプタを使う
 フォトリフレクタを使う
 フォトカプラー・フォトリレーを使う

オペアンプを使う
 オペアンプと電源について
 コンパレータとして使う
 増幅回路の話
 オペアンプを使うヒント
 発振回路の例

タイマーIC 555
 タイマーICを使う
 発振回路にタイマーICを使う

ECM用ミニアンプ試作

デジタルICを使う
 10進カウンタ・シフトレジスタを使う
 ボルテージデタクタ・リセットICを使う
 リップルカウンターICを使ってみる

★その他のページ
 昔懐かしいイライラ棒
 イライラ棒のアクションを追加する
 電子サイレンICを使ってみる
 オリジナル楽器を作ってみた
 発振回路を工作する
 Doltzウォータージェットのホース交換
 LCRテスターキットの組み立て
 オシロスコープを使う
 安価な電子工作キットについて
 テスターがあれば気軽に遊べる
 ミニデジタル電圧電流計をつかってみた

★私の記事(目次)
 電子工作のページ
 遊べるJavaScript入門
 鉄鋼と熱処理のページ


PR