普通タイプの砲弾型LEDが使いやすい
LEDを使った電子工作の話題は豊富で、全体を網羅するのも難しいのですが、ここでは、基本的な仕様を知っておけば、いろいろなことに応用できますので、LEDの基本的な特性について取り上げています。
LEDには、普通タイプと高輝度タイプがあり、いろいろ実験などをして楽しむには、高輝度タイプは明るすぎるので、普通タイプのLEDのほうが使いやすいでしょう。
ここでは主に、2V・15mAの普通タイプのLEDの「電圧・電流特性」などの基本特性を実際に実験しながら確認しています。
また、①使用保管時の注意 ②LEDの電流電圧特性 ③基本的な回路 ④電流制限抵抗 ⑤電流と見た目の明るさ などについて紹介しています。
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普通タイプ2V・15mAの砲弾型LEDを主に使います
LEDにはいろいろな種類があります。
(例)手持ちのLED
ここでは、安価で入手しやすく、取り扱いやすい、下の、砲弾型(3mm・5mm)のLEDを使っていきます。 砲弾型でも、普通タイプのものと、高輝度タイプのものがあり、2V・15mAの普通タイプは、2Vの電圧をかけて、15mA程度の電流を流して発光させる・・・という仕様のものです。
LEDは電流量で明るさが変わるのですが、電圧の影響が大きいので、2V以上の電圧をかけて、抵抗器を用いて、LEDの電圧を2Vに下げると同時に、電流を一定にする・・・という回路でLEDを使います。
【まとめ買いしておくと便利】 LEDは、アマゾンや楽天などでセット品を購入すれば、1つあたり数円で購入できます。 最初は多すぎるようですが、このHPでは、50個を同時に点灯させる・・・という内容で進んでいきますので、多めに用意しておくと、いろいろなことに使えるでしょう。
アマゾンのこの、5色、3mm、5mm200個セットは便利混ぜると大変・・・きっちりと区分して保管しておきましょう
最初ですがLEDを使うときの保管の注意事項を・・・。
電子部品の中には、砲弾型LEDと同形状の電子部品もあります。 また、砲弾型のLEDでも、高輝度タイプか普通タイプか、その他の特殊なものなのか・・・ 外観だけではわかりません。
よく似たタイプの一例
ここでは詳しく書きませんが、私のHPの他のページでは、LED砲弾型と同じような形状の電子部品がでてきます。 これらは、形は似ていても、全く仕様が異なる部品があるのですから、ともかく、使うときに混ぜないように注意することを徹底しておきましょう。
3Vの高輝度LEDよりも2V普通タイプが使いやすい
砲弾型の普通タイプは「2V 15mA」という仕様のものが一般的で、実験に使うには、3Vの高輝度LEDは眩しすぎるので、普通タイプが使いやすいでしょう。
PR普通タイプLEDの電圧・電流特性
【メーカーの資料より】 これは、標準的な普通タイプのLEDの特性を調べたグラフで、LEDに直接に電圧をかけて、そのときの電流量を測定した特性グラフの例です。(普通は、このような使い方はしません)
縦軸が対数目盛になっています。 この図は、規定の2Vを超えて電圧を加えると、急にたくさんの電流が流れて、点線部分では、LEDが焼け切れてしまうことが示されています。
電圧電流と、周囲温度に注意
すべてのLEDがこのようになるということではありませんが、この図のLEDの例では、1.7Vで点灯しはじめて、2Vでは20mAの電流が流れ、2.2Vになると、電流が流れすぎて、切れてしまいます。
電圧が高いと、たくさんの電流が流れやすくなって「焼け切れる」のですが、これは、電流によって発生する「熱」が原因で、発光部分が溶けてしまうためです。
つまり、このLEDの仕様2V・15mAは、LEDでは、2Vの電圧降下があり、15mA程度の電流を流して使います。
一般的には、下で説明するように、抵抗器を使って、15mA以上の電流が流れないように、「電流を制限する回路」を組んでLEDを点灯させます。
しばしば、LEDが切れた・・・ということを聞きます。
たとえば、乾電池1個(1.6V)を抵抗器なしに直接つないでも点灯しないのですが、乾電池2個(約3.2V)をつなぐと、一瞬で切れてしまうのは、グラフの特性を見るとわかるのですが、100mA以上の電流が流れてしまうので、LEDがパンクするのです。
そこで、抵抗器を使って、LEDにかかる電圧を2Vにして、さらに、15mAが流れるように、抵抗の値を決める回路にしますが、その抵抗値の計算方法は、こちらのページなどで説明しています。 ここでは、少し寄り道して、LEDの特性などを見ていきます。
《ワンポイント・アドバイス》 後で紹介しますが、このグラフのLEDでは、1.7V以下では点灯しないのですが、LEDによって特性の差があり、もちろん、点灯するLEDもありますし、電圧と明るさはそれぞれで異なります。
また、LEDの仕様を見ると、「白色3mmLED 2.8~3.6V・20mA」「白色5mmLED 3.1V・30mA」「赤色5mmLED 2.1V・30mA」「黄色3mm 2.1V・標準30mA」・・・など、種類によって仕様がまちまちですが、もちろん、それに合わせて点灯設計をすればいいのですが、後で説明しますが、明るさの極限を求めないなら、「普通タイプは2V・15mA」「高輝度タイプは3V・15mA」で考えておけば問題ありません。
そして、このグラフには、「室温25℃」の試験条件が書かれています。 LEDはダイオードの1種で、周囲温度によって特性が変わり、「熱に弱い」ので、温度が高いと寿命が短縮するので、放熱に注意する・・・ということを覚えておく必要があります。
PR定電流ダイオードを使うことも・・・
その他のLEDを点灯させる方法としては、上の電圧電流特性に見られる適正電圧で利用することもできますが、少しの電圧変動でも輝度が安定しないので、抵抗器で電流制限するか、「定電流ダイオード」を使う方法が一般的です。
この定電流ダイオードを使うと、下のように、3Vでも10Vでも、面倒な抵抗計算をする必要もありません。 ただ、このように、3倍に電圧が変わると、やはり明るさは変わってきます。 電圧が高くなれば、若干明るくなりますが、その輝度の差はそんなにありません。
定電流ダイオード使った状態を実験で確認してみました
ちなみに、LEDと定電流ダイオードのV1・V2の電圧・電流を測ると、10Vの場合はV1=2.15V、V2=7.85Vで、A=15mAでした。 3Vの場合は、V1=1.95V、V2=1.05V、A=5mA でしたので、電圧が上がれば電流量が増えて、それが明るさに反映しているのですが、後で見るように、この差での明るさの違いはそんなにないので、何よりも、高い電圧でも使えるように、定電流ダイオードが設計されていることがわかります。
ただ、定電流ダイオードは、1つが30-50円以上の価格なので、電圧変動が大きい場合など以外では、安価な抵抗器をもちいて、明るさの程度を調節する使い方をするほうがいいでしょう。
次に、「LEDの電流量の違いと見た目の明るさ」を調べてみます。 どのくらいの明るさが変化するのか、15mAが適当なのか・・・などのイメージを持っていただくといいでしょう。
LEDに流れる電流量と見た目の明るさ
上のLED特性のグラフでは、電圧を上げれば、たくさんの電流が流れて、LEDは明るく輝くのですが、電流を多く流しすぎると、電流による熱のために、LEDが切れてしまったり、寿命を縮めることになります。
普通タイプのLEDは、15mA程度が流れるように設計するのですが、その妥当性を見てみましょう。
下の写真は、うすオレンジの砲弾型LED(2V・15mAの仕様)を使って、可変電源を使って、LEDに流れる電流値を変えて点灯させたものです。(露出が一定でないので、これは、イメージ写真として、見てください)
LEDの電流量が多くなるにつれて明るく光っています。
しかし、イメージ的には、10~20mA程度では、大きな輝度の差は少ないし、流しすぎると寿命が短くなるので、15mAを基準に考えるといい・・・ということがわかります。
もしも、明るさがほしいのなら、高輝度LEDを使えばいいのです。
LEDのカバーはレンズになっていますし、1mAではも、写真とは違って、そんなに暗くないので、あえて、たくさんの電流を流す必要はないといえます。
→(参考)Amazonの電子工作用LEDのページ
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