楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

発振を利用してBEEP音を出してみよう

このHPでは、基本的には低電力の直流をメインに扱っていますが、電子工作では、光、音、振動などの動き(変化)も重要ですので、このページでは、発振を利用して、スピーカーから音を出してみよう・・・というのがこのページの内容です。

ここでは最も簡単な「ブロッキング発振」という方法を利用しますが、こちらのページでは、マルチバイブレータと呼ばれる発振により、LEDを点滅する様子を紹介しています。

さて、音が聞こえる・・・というのは、人間の耳で空気の振動を感じることですが、電気的な信号を音にして出すアイテム(部品)にはブザーやスピーカーがあります。

そのブザーやスピーカーは電気的な振幅を振動板(コーンなど)を振動させて音として放出するのですが、その振幅を与える電気的な方法の一つに「低周波発振」があります。

「発振」の方法についてはいろいろな方法があり、WEBにもいろいろ紹介されています。

もちろんこれらの回路はいろいろなところに利用され、さらに改良されているのですが、じっさいに回路を組もうとすると、細かい部品の値(**kΩ・**μFなど)が書かれていないものも多いですし、詳しい値が書いてあっても、ブレッドボードで空中配線などをすると、うまく発振してくれないものも多々あります。

そうなると、楽しさも激減しますので、ここでは、ブレッドボードで回路を作って、「発振している」という事実を取り上げることにします。

私自身が電子の専門家でないので、発振の現象や仕組みを充分に理解して使えるようになるのは簡単ではないので、ここでは、難しいことは考えないで、ともかく発振という現象を見てみます。

このページでは、できるだけ簡単な「ブロッキング発振」をバイポーラトランジスタとトランス、コンデンサで簡単な回路でをつくって、スピーカから音を出してみようと思います。


ブロッキング発振   

ここでは、もっとも簡単な部類の発振回路を見てみます。

もちろん、「音がなる」というだけのものですので、ちょっとした環境や条件で音が変わるなどもあって、高品位で安定した発振特性ではないのですが、簡単に回路を組めるのが魅力です。

もちろん、回路中のパーツ(抵抗値やコンデンサ容量)を変えると簡単に音が変わるので、結構楽しむことができるとおもいます。

これに味をしめれば、もっと高級な発振回路に挑戦してみるのも楽しいでしょう。

さて、その「音」ですが、人間の声は、およそ100~1300Hz程度の周波数で、女の人のキャーという叫び声が4000Hz程度らしく、そのあたりの周波数の音が最も認識しやすい・・・などといわれています。

また、楽器の基音は(例えば広帯域のピアノで)100~4000Hzといいますので、試すとすれば、1000Hz程度の周波数の音をスピーカーから出るようにすればいいということになります。

最も簡単ブロッキング発振回路

これがその回路です。

ブロッキング回路例

抵抗やコンデンサは適当な値でも構いません。いろいろ試してみましょう。

実体配線

このブロッキング発振について簡単に紹介します。

「ブロッキング」は「阻止する・ブロックする」という意味で、この回路においては、電流を阻止すること・・・ですが、その主役を演じるのがトランス(コイル)です。

トランスに巻いてあるコイルは、電流を流そうとすると「流さないように抵抗」し、電流が途切れると、途絶えた電流を補うように「逆起電力を発生」して、電流を流そうとするという性質があります。

そのために、回路中にコイルがあると、少しの電流変動があれば、定電流ではなくなって、「電流の波(電流の変化)」ができるのですが、実際には、コイルが回路中にあるだけで、電流をON-OFFすると、回りの条件が変化しなければ何らかの「発振(電流の変化)」をします。

その波を共鳴(共振)させるために、コンデンサを入れてやると、共振する周波数がそれによってやや安定したり、容量地を変えれば、周波数が変動します。

つまり、このコンデンサの値を変えると、共振周波数が変わるので、音が変わります。

もちろん、回路の33kΩを変えるとコンデンサに充電する電力によっても変わりますので、共振周波数も変わります。

しかし、ここでは、トランジスタ2SC1815のベース電流の制限もあるので、ここでは、抵抗は固定して考えますが、なぜ33kΩなのか?・・・と疑問を持った方は、前のページ(こちら)を参考にして、2SC1815のベース電流の最大値をデータシートで確認して、抵抗値を決めると、さらに周波数を変えることができるはずですね。10~33kΩなどに取り替えて試してみてください。少しですが、音が変わるのがわかります。

この回路にあるコンデンサを0.01~0.1μF程度に取り替えて試してみてください。あまり大きく変えてしまうと、音が出なくなったりしますが、いろいろ試してくださいね。

さらに、2SC1815については、それに限らず、同様の低周波増幅用のバイポーラNPNトランジスタであれば同様ですので、手持ちのものがあれば、どうなるのかを見てみるのもいいでしょう。

これについてはこちらを参考にしていただくといいのですが、コイル(ここではトランス)によって高い電圧が発生している可能性があります。発振状態

このVppは、波の最高最低の電圧差で、電源が5Vに対して約10倍の電圧が発生しています。 ちなみに、トランスの2次側のc-cの電圧は、4.6Vでした。

変な形の波ですが、記事の後のほうで音の録音を紹介しているように、変な音ではありませんね。


発振はあまり安定したものではありませんが・・・

簡単な回路ですが、少しの部品を変えると音が変わりますし、スイッチを押している間にも音が変わっているくらいなので、いたって簡易的な発振回路といえます。

逆にいうと、簡単に音が変わるのも考え方では「利点」かもしれません。

例えば、お風呂や雨水タンクの水のたまり具合によって音が変わる仕組みが作れそうですから、これを利用していろいろ実験してみると、面白い出来事に出会えるかも知れません。

お風呂の水張りを考えると、 水の抵抗は数10kΩですので、33kΩのところに金属板2枚をつけ、そこに水が来れば、若干電流が流れるはずですので、そうすれば「水の量が増えるとともに音が変わる」という面白いものができるでしょう。(このような工作は、一通りの回路を考えてみたあとで取り上げようと思っています)

楽器のようなものも、この容量変化で音が変わるので、これを利用して面白い楽器やおもちゃを作ることができる可能性も考えられます。

ともかく、このように、先人がいろいろ考えた回路を使って、「オリジナルな電子工作」を考えるのがこのHPの目的ですから・・・。

ただし、再度注意点として取り上げますが、トランスのコイルは10倍の電圧が瞬間に出ている可能性があるので、ビリビリくるかも知れません。(さわっても、死ぬことはありませんが、護身用のスタンガンなどは、この原理を応用していますから・・・)

このような危険なことは頭の中で考えておくだけにして、実際に作って製品として販売するものであれば、いろいろな問題を検討しないといけないことを頭においておいてください。危険なことはしないようにして、安全に留意することが基本です。

*****

ここではスピーカを利用しましたが、取り扱いにくそうであれば、この写真のように、パッシブブザーでも同様に使えます。

パッシブブザーを使って

このように、この回路はあまり安定していない発振回路ですが、楽しみ方はあるでしょう。

例えば、上の状態では、5Vの電源を使用していますが、定電圧装置で加える電圧を変えても音が変わります。

発振回路に深く踏み込むと、よくわからない難しいことがたくさん出てきますが、ここでは「音が出るのを楽しむ」ということだけで考えていけば、結構いろいろ遊べるでしょう。

電源電圧V およその発振周波数Hz 
 2  1170
 3  1270 
 4  1530
 5  2230
 6  2730

これは実測値の例ですが、このように、電圧を変えると、周波数が変化します。


少し違った感じの音にしたい

次に、同じような部品を使って、ちょっと違う感じの音にしたいと考えました。

少し違う回路ですが、考え方はよく似ています。

回路の変更

変更後の実体

よく似た回路ですが、点線の回路を追加すると、音が断続するようになります。ちょっと録音してみましたので、聴き比べてください。(mp3で録音しています)

点線部分のないBEEP音

点線部分を追加したときのBIRD音

0.1μFを0.05~0.3μF、220μFを100~1000μFに変えてみてください。これについても、値を大きく変え過ぎると、音が出ないなども起こりますが、いろいろやってみると結構楽しめます。

以上、簡単な回路で低周波発信を考えましたが、アナログ・DCにこだわらずに、音を楽しむことまで範囲を広げると、いろいろ遊び方が広がって行きそうなので、さらに面白くなると思います。

他の人の記事を見ると、ブロッキング発振回路によって、3Vの順電圧のLEDを1.5V乾電池1つで点灯する記事や(物騒ですが)スタンガンの作り方・・・なども紹介されていますので、探してみてください。

このコイルによって高電圧を発生する仕組みは、蛍光灯やネオン管を点灯させることにも応用されています。

コイルを用いた発振回路もたくさん紹介されています。 

私自身もいろいろとやっていますが、本に書いてあるように、回路を組んでも、うまく安定した発振ができない場合が非常に多いのが実情です。

コイルやコンデンサ容量というものも充分に理解できていないのがうまくいかない理由の一つのようですが、発振は、回路内部で高電圧やノイズの発生源になっています。 

このために、見知らぬうちに外部に影響を及ぼしている可能性もあるので、実際に実用的ななにかに使おうとすると、いろいろな問題について検討することが必要になる・・・ということもアタマに入れておいてください。

もちろん、ここで取り上げる内容は回路を組んで確認していますので直接触っても危険なことはありませんが、しかし、知識はもって危険を避けた安全な電子工作を楽しんでいきましょう。

マルチバイブレータでLEDを点滅させる

明るさで抵抗値が変わる「CdSセル」を使ってみよう

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