楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント:LED

  

LEDは極性があるので、プラスマイナスを逆につなぐと点灯しないことを実際に確認してみました。また、LEDは熱に弱いということを意識しておきましょう。正しい使い方をすると非常に長寿命です。

LEDは逆につなぐと点灯しないことを確認してみました

下の左側写真は通常のLEDの点灯状態です。 そして、右側は電源のプラスマイナスを反対につないでいますが、電流が流れていません。

LEDは一種の「ダイオード」で整流作用があるので、プラスマイナスを逆にすると全く電流が流れないのです。

ここでは、3mmの白色LEDを5Vの電源を使って、200Ωの抵抗器を直列にしてあるので、高輝度タイプLEDなので、点灯すると3Vの電圧降下するので、余分な2V 分を200Ωの抵抗器で下げている状態です。

抵抗器に流れる電流は、オームの法則V=AR からA=V/R =2V/200Ω=0.01A と計算できますね。 

点灯状態での実測値は 9.76mA で、ほぼ10mAで点灯しています。

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参考 : 誤差については「こんなものだ」と考えておきましょう

オームの法則は、自分で使えると便利です。(知らなくても電子工作は楽しめますが)

電子工作では、「オームの法則は正しい」として使うことが前提になっています。これでないと何も前に進みませんから。

もちろん、抵抗器などは温度によって抵抗値が変わるし、導線にも抵抗があるので、実際に測定してオームの法則を当てはめても誤差が生じる可能性がありますが、趣味の電子工作では、それらの厳密性は必要ないので、計算値と実測値の誤差については、「こんなものだ」と考えておきましょう。 

上の例でも、小さな数字の違いがありますが、これについても、本当に抵抗器は200Ωなのか、電源電圧の5Vなのか、導線や接続の影響があるのか などを調べて誤差の原因をさがしてみるのもいいのですが、「こんな程度の誤差はある」と考えておきましょう。

最初のうちは、実測してみて納得することが大切です。 そして、計算で確かめられるともっと納得する … というものです。

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周囲温度と電流量を意識して長寿命につなげる

LED単品の定常最大電流をデータシートでみると、一般的に、2Vタイプでは20mA以内、また3Vタイプは30mA以内となっていますが、通常は15mAまでで使用するように考えておきましょう。

例えば、室内にあるLED照明器具を見ると、「消費電力30W」とあり、中を見ると、64個のLEDが使われています。

この全電流量は 30W/100V=0.3A なので、LED1個分では 0.3/64≒5mA と、かなり抑えた電流値でも非常に明るく点灯しています。(この計算は概算でイメージを持つために示しています)

LEDの寿命は4万時間」などの表示を見ることがあります

LEDの常夜灯をほぼ点灯させっぱなしで10年以上使用しているものがありますし、室内のLED蛍光灯も10年使っています。

40000時間/10年/365日≒11時間 つまり10年間毎日11時間点灯しておれば寿命になっているはずですが健在です。

4万時間という数字も仕様にはないので、「正しい使い方をすれば寿命を忘れるほどに使える」という感じです。

ただ、注意する点は、LEDは高温環境に弱い点です。 多数個を同時点灯させる場合などには、その時の周囲温度を45℃以下に保つ必要があります。(下に参考グラフあり) 

夏場の日の当たる部分や高温になる部分を避けて、熱がたまらないように放熱など、温度を意識することを忘れないようにしてください。 

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LEDは発光部が一度焼損すると使えなくなります 

そして、電流を多く流すにつれてLED内部の熱が上がります。 充分な放熱ができないと焼損します。 

私の勤務した工場の天井灯を省エネ化するために、水銀灯からLEDランプに変えたのですが、工場は火を使う作業をしており、LED器具付近の環境温度が60℃~80℃と高温でしたので、このLED照明器具は半年(約5000時間)程度しか使えませんでした。

LEDメーカーの日亜化学さんの資料にあるように、LEDは高温環境には非常に弱いということを知っておく必要があります。(寿命時間のデータは見当たりませんでした)

周囲温度は重要な要素で、LEDにカバーを付けて放熱を妨げるるだけでも寿命を縮めます。 だから、LEDに変えると省エネになるはずが、正しい使い方をしないとコスト高になってしまいます。

LEDはこのような「環境温度」だけではなく、電流を流しすぎると内部で熱が発生しますので、ともかく「LEDは熱に弱い」というイメージを持っておいてください。

LEDは電流を多く流しても、そんなに明るくなりません

砲弾型LEDのカバーの先端はレンズになっているので、3~5mA程度の少ない電流量で適当な明るさがあって、小さな電流量でも、ほとんどの用途では使えますし、それで暗いようなら、高輝度タイプを使うようにすればいいのですから、15mA以上の電流を流さないようにして使うと短寿命になりません。

下は、2VタイプのLEDで電流量を変えた時の明るさを比較したものです。(簡単な実験ですので、イメージ図としてみてください) 

流れる電流量につれて明るくなっているのがわかります。 このLEDは10~15mA程度が推奨電流値で、10mA程度でもそんなに暗くないし、電流量を多くしても、そんなに明るさは増えないので、10mA程度の電流で使うようにしておれば、使用中に切れてしまうことはないので安心でしょう。


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