楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

バイナリーカウンターをアナログ感覚で使ってみよう

この記事は主に電子工作で使えそうな電子部品をアナログ的に、気軽に使うためのヒントにしていただくもので、初心者に理解しやすいように実例を交えて紹介しているものです。


カウンターという名前ですが、アナログの電子工作用としては、タイマーやスイッチのような使い方ができそうです。

ここで使用したIC類

これからの説明はデジタル的なものもありますが、難しくないように説明します。わかりにくかったら読み流してください。


手元にあるICで説明します。 真ん中は発振回路付き14段の74HC4060、右は発振回路なしの74H4020となっています。

14段と書いていますが、基準クロックの発信に対して、2進で順に出力され、これらのICでは、基準クロックの電圧が下がるときからカウントして20=1、 21=2、 22=4、 23=8・・・の時点で別の端子に出力が移っていく動作をします。

これらはCMOSのICですので、静電気には注意して、除電してからICにふれるなどの注意をして扱うことを忘れないようにしましょう。

発振回路がないICであれば、写真左のタイマーICの「555」などを使って周期のタイミングをクロック入力として与えます。

バイナリーカウンターのタイミングチャート

CK(データシートにはバー付きCKを「CK」と書いています)は基準クロックの発振波形で、この図は4段目までのON-OFFのタイミングを示していますが、74HC4020や4060は14段のICですから、10段目であれば210=2024周期目に、14段目は214=16384周期目にONになります。 (これを「分周」といいます)

1段目のQAは「クロックの2周期分」で動作します。 つまり、クロックの電圧が下がるタイミングでON(High)になり、クロックの電圧が次に下がるときまでON状態で、下がるタイミングでOFF(Low)の状態になります。 

後段になるにつれて、ON-OFの時間が長くなるので、時間を選ぶことができるタイマーとして使ったり、LEDを接続すると、その点滅時間が変わる面白い点滅状態を見ることができるでしょう。

2進数の沿って次々の出力が出るので、「バイナリカウンター」と呼ばれています。

2段目QBになるとクロックの4周期分ですので、基準クロックの2周期分がON、あとの2周期分がOFFになります。


繰り返しての説明ですが、この図の例では、クロックはデューティ比(ON時間とOFF時間の割合)が50%のものとして書かれていますので、基準クロック周期が1秒の場合には、QAの場合でいうと、クロック周期の最初の立ち下がり(HighからLowになるとき)時にQAがON(High)になり、1秒後までONの状態が続き、次のクロックの立ち下がりでOFFになり、それが1秒間OFFの状態になり、それを繰り返す・・・という動作になります。

14段目であれば、基準クロックの16384周期目にONになり、それが16384クロック周期間続きますので、そのピンにつなぐと、非常にスパンの長い「タイマー」や「スイッチ」として使用できそうなので、これならアナログにも使えるということですね。

さらに、デューティ比を変えたクロック周期を入力すると、ON-OFFの時間を変えたスイッチに使えるということです。

さらにもう少し具体的に見ていきます。


74HC4020 と 74HC4060

74HC4060と4020のピン配置図

どちらも16ピンのICですが、4060は内部クロック用の端子(9-11ピン)があるのに対して、それがない4020は少し多くの「出力端子」に割り当てられている・・・という違いがあるようです。

この出力(の端子)は、「Q*」と表されていますが、4020はQ1から始まって次はQ4になっていて、それから最後はQ14までの12出力であるのに対して、4060はいきなり「Q4」から始まって、Q11がなくて、Q14の10出力で終わっています。

(東芝のデータシートを見ると、Q2-Q12まで連続した出力端子のある74HC4040 というICがありますが、電子工作で使うのであれば、厳密に「こうでないといけない」ということもないでしょう)

Q1というのは、上のタイミング図でのQAにあたる「1段目」にあたり、Q4はQDで4段目ということになります。 つまり、74HC4020のQ11は211クロック周期の2048周期目にONになる端子・・・ということになります。

使い方の一例

東芝のデータシートが日本語で見やすいので、これを利用させて頂いて使い方を見ましょう。

74HC4060と74HC74HC4020のデータシートによる接続図

これは「論理図」と書かれた図ですが、結線図としてみていいでしょう。 1から15の番号はピン番号で、書かれていないNo.8はGND(アース)、No.16は電源です。

電源はともに、2-6Vで使用可能ですので、常用している5Vの電源が使用できます。 4060ではNo.11ピン、4020ではNo.10ピンにクロックの発振電圧を入力すると動作します。

出力の電流は±25mAとなっていますので、直接にLEDを点灯できますので、ここでは、LEDの点灯の様子を見ますが、各端子(何段目かの端子)を利用してリレーなどの少し大きな電流を必要とする場合では、トランジスタを使って増幅すれば、時限スイッチとして色々な使い方が考えられそうですね。

説明用の回路図

ここで使った回路図

このような回路を考えます。

74HC4060は発振回路を内蔵しています。 しかしここでは、9・10番をオープンにして、何もつながずにNo.11番に外部のクロックを入力すると74HC4020と同じように使えますので、ここでは、このHPでしばしば使っている、タイマーIC「555」を同電圧の5V電源で使ってクロック入力端子に入力してその様子を見ます。

タイマーIC「555」の回路図例

なお、確認用のブレッドボードに組んだ回路では、LEDをすべて集合して、1つの220Ωの制限抵抗を使って回路を組んでいます。

タイマーICを使った74HC4060の動作用回路

LEDの点灯の様子

ブレッドボードの配線の様子

発振周期を0.5秒以下にゆっくりにすると、LEDを左からQ4→Q5→Q6・・・→Q14と、若い順番に並べているのがわかります。

規則正しい順番で右側の周期の長いLEDに移っていくのを見ていると、結構楽しいものです。

0.5秒では、1周期が全部完了するのが 214/2秒と、気の遠くなる時間ですので、クロック周期を早めて、最も右側のLEDの点滅を見ると、出力の端子順(4060ではQ4からQ14)に遅延して点滅していくのがわかります。

この「555を使った回路」で、R1=2.2k、R2=33k、C1=22μにすると、周期は1秒少しで、22μを0.1μに変えると0.05秒程度になりますので、タイマーICのR・Cを変えてその様子を見てください。

このタイマーIC「555」については、いろいろなところで紹介していますが、こちらを参考にしていただくといいのですが、発振周波数によって様々な波形になりますし、スイッチの時間設定をするには、半固定抵抗を使うなどの工夫がいりそうですが、タイマーIC「555」側でデューティ比を決めてやって、カウンターIC側で時間を選ぶことでタイマースイッチとして使えそうだということがわかります。

74H4060の自己発振回路について

データシートには下のように、クロック発振の例が紹介されています。

データシートにある発振クロックの例

左は、これまでやった「外部発振を利用する方法」です。

次の真ん中のずは、CR発振で、これを使うと部品が少なくなるので、74HC4060のほうが使いやすいように思うのですが、この図通りではうまく発振しませんでした。

それを、下のように結線するとうまく行ったのですが、データシートどおりに発振しなかった理由がよくわかりません。

うまく発振した改造回路例

データシートどおりでうまく行かなかった結線の様子

C=0.1μFでR=400kΩで1秒程度の周期、50kΩで0.1秒程度の周期、また、C=0.01μFで400kΩ程度で0.1秒程度の周期でしたので、半固定抵抗を使って、目的の秒数にできるでしょう。

ただし、このようにすると、発振の周期はやや不安定で、微妙に周期が揺らいでいます。

私の場合だけかもしれませんが、回路をテストされる場合は、それらもあわせて確認いただくようにお願いします。

さらに次の右側のXtal(水晶発振子)を用いる場合ですが、図のRf=1kΩ、C1=C0=100pFとすると、下の写真のようにサイン波を発振しているようなのですが、カウンターはうまく動作しません。Xtalで発振しても動作しなかった様子

下のような別の回路のXtal発振をさせて、「外部発振を利用する方法」でNo.11ピンにつないでもうまく動作しませんでしたので、これについても、理由がわかりませんので、別の機会に調べてみようと思います。

Xtalを使った発振回路例

以上、大雑把な内容ですが、デジタル用のICと割り切らないで、いろんなところに、とにかく使ってみようとすれば、何かのアイデアが出てくるかもしれません。


以上ですが、このHPに書いた内容は、データシートの回路を参考に、ともかくブレッドボードに回路を作って、実際に作って動くことなどを確かめたものです。しかし、それらが理論や考え方などが正しいかどうかは専門家でないのでわかりませんので、もしも大きな問題点などがあればこちらのメールフォームからお送りいただくと検討させていただきますが、必ず対応できるかどうかはわからないことをご了承ください。何かのお役に立てたらと思っています。

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