楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

ろーそくIC を使ってみましょう

  

ローソクの炎のように、ゆらゆら光るLEDを見ることがあると思います。

これは「ローソクIC」と呼ばれるものでLEDの光を加工しています。 現在は、LEDにその機能が組み込まれたものもありますが、ここでは、ローソクICを使って、炎のゆらぎをLEDで再現する方法を試してみます。 

ここでは秋月電子さんで購入した、CDT社のIC「CDT3460」 を使用して、ローソクの炎のゆらぎの様子を紹介します。(R4.12月時点で、秋月さんでは、OSCDIC6441:5個140円という品番もあります)

安価なICで、大きさも2SC1815などのバイポーラトランジスタと同じ形です。何かの使い方を試してみるのも面白いでしょう。

ろーそくIC CDT3460 ろーそくIC CDT3460

DCT3460のデータシートには、「発振器を備えたLED用のろーそくのシュミレート点滅用」と書いてあります。

同様のものでオプトサプライ社のOSCDIC6441などがあり、これは、「ランダム点滅」とあって、両方とも、外付けのLEDを制御して、揺らいでいる光を表現するためのICのようです。接続方法も簡単です。

基本的な接続図使い方の例

さらに、WEBで「キャンドルLED」で検索すると、オプトサプライ社から、ICが不要で単体で”ゆらめく光のLED(正式名は知りません)”なども販売されています。こちらのほうが手っ取り早いかもしれませんね。 

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このキャンドル機能が組み込まれたLEDは、通常のLEDと同じように単体で使えて安価ですので、あえてここに紹介するICとLEDを組み合わせて使う必要もないかもしれないのですが、逆にここでは、「なにか他の使いみちがないかなぁ・・・」という見方をして、このローソクICの使い方を見ていこうと思います。

ろーそくIC CDT3460 

このICは、秋月電子さんでは、5個セットで販売されています。 まず、手元にあった各色のLEDを独立して光らせてみました。

5つのLEDをつけてみました

電源電圧が高めのとき

電圧を少し下げたとき

普通のLEDを接続してみても、このように、加える電圧を変えると見え方が変わるので、ろーそくの炎を再現するという方法以外に、何かの使い方を考えると、結構面白いかもしれません。

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本来は「ろーそく」用ですので、それらしい感じに近づけるためには、上の5色のような派手なLEDは不向きで、使うとすれば、オレンジ系で乳白色のLEDなどが良さそうです。

ここでは、手持ちの黄色LEDを使って、ゆらぎの様子を動画に撮りましたので、その様子を御覧ください。

こちらにユーチューブの動画があります →こちらのユーチューブで紹介

ここでは炎の感じを出すために、LEDにティシュペーパーをかぶせて撮影しています。色々工夫すると、ローソク効果を演出できますので、いろいろな演出をやってみてください。

ローソクらしく見えるためには、裸のままのLEDではなくて、シェード(覆い・かさ)を工夫すると、「ろーそく」らしくなります。

黄色のLEDを点灯してみます

紙でおおうと、ろうそくらしくなります

このように、上の写真は、白い紙を巻いたものを上から被せただけですが、雰囲気がガラッと変わります。

「電子ろうそく」などの名称でWEB検索をすると、神仏具として販売されているものもたくさんありますし、それらはやはりそれなりに、様々な工夫がされているようです。

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使い方は簡単です。もう一度紹介します

直付けのための基本回路

最も簡単に使うには、この回路図のように外付け部品なしで直結して使います

加える電圧はMax5Vです。 そこで、規定以下の電圧を加えて、2番の端子で、LEDに流れる電流電圧を測定しました。

電圧と電流の測定値2番端子での電流と電圧

この結果では、4Vではかなり明るすぎる感じなので、3V前後で使うのが良さそうですね。

電源電圧が1.5Vでは点灯しません。 1.6Vでようやく点灯する・・・という感じですので、乾電池1本では、新品時の電圧は1.6Vですが、電圧が下がって、1.5V程度になると、下の写真のように、充分に明るく点灯しない場合がありそうですね。

1.6Vでようやく光り始めました 1.5Vでの点灯状態

このICを使った点灯の様子は、たしかに「風が吹いた時のろうそくの状態」を再現しているようですが、WEBに記事を書いている方の中に「デジタル的な光だ・・・」と表現されておられる方がおられたように、何か、「カドカドした」感じは否めません。

そこで、データシートにある、もう一つの回路図をアレンジして、それにコンデンサを加えて「なめらかに」なるかどうかを試してみました。

トランジスタを使った回路図例

電源電圧を3Vにして、C1のコンデンサをなし~1000μFを取り付けて、※印の位置で、オシロスコープで波形をみました。

オシロスコープでの観察例

コンデンサを変えた時の波形の様子

コンデンサを付けると、トゲトゲしい感じは若干少なくなっている感じですが、点滅周期は同じです。

さらに、コンデンサ容量を大きくしても、波形が大きく変わりません。 

コンデンサーによって、なんとなくなめらかになった感じもしますが、どうも、これは、「好みの問題」と言える程度のようです。

紙を間に入れて、コンデンサなしと100μFのときの様子を動画に撮ってユーチューブにあげています。よければ、御覧ください。

こちらにユーチューブ動画があります →ユーチューブの動画へ

このローソクICは安価なものですので、難しく考えないで、ボタン電池3VでLEDを組み込んで、竹灯篭のようなものを作って、玄関やアプローチを「ほんのり」と照らすというのもおもしろいかもしれません。

竹灯篭を作ってみるのはいかがでしょう こんなイメージは?

LED関連記事は、これでひとまず終わりますが、LED用の調光器やドライバーモジュールなどを使って、いろいろな光の演出なども面白そうです。電子工作で使う部品は、安価なので、アイデアが浮かべば、ともかくなんでもやってみると、結構楽しめます。

   →次の記事では、DCモーターを使います

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(来歴)R3.1 記事作成  最終R4.12に見直し
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