楽しく遊ぶための初心者にもわかる電子工作のヒント

ろーそくIC を使ってみましょう

  

ローソクの炎のように、ゆらゆら光るLEDを見ることがあると思います。

これは「ローソクIC」と呼ばれるものでLEDの光を加工しています。 LED自体の中にその機能が組み込まれたLED]もありますが、ここでは、ローソクICを使って、炎のゆらぎをLEDで再現する方法を試してみます。 

ここでは CDT社のIC「CDT3460」を使用して、ローソクの炎のゆらぎの様子を紹介します。

(参考)同様の型番以外に、R5.4月時点で、秋月電子さんでは、OSCDIC6441:5個140円のほかに、OS1CDY3A010:5個80円、OS1CDY3A015:5個100円などの、一定点滅用の製品も販売されています。

安価なICで、大きさも2SC1815などのバイポーラトランジスタと同じ形です。何かの使い方を試してみるのも面白いでしょう。

ろーそくIC CDT3460 ろーそくIC CDT3460

DCT3460のデータシートには、「発振器を備えたLED用のろーそくのシュミレート点滅用」と書いてあります。

同様のオプトサプライ社のOSCDIC6441の製品は、「ランダム点滅」とあって、両方とも、外付けのLEDを制御して、揺らいでいる光を表現するためのICのようです。接続方法も簡単です。

基本的な接続図使い方の例

さらに、WEBで「キャンドルLED」で検索すると、オプトサプライ社から、ICが不要で単体で”ゆらめく光のLED(正式名は知りません)”なども販売されています。こちらのほうが手っ取り早いかもしれませんが、・・・。 

PR

このキャンドル機能が組み込まれたLEDは、通常のLEDと同じように単体で使えて安価ですので、あえてここに紹介するICとLEDを組み合わせて使う必要もないかもしれないのですが、逆にここでは、「なにか他の使いみちがないかなぁ・・・」という見方をして、このローソクICの使い方を見ていこうと思います。

ろーそくIC CDT3460 

これを用いて、まず、手元にあった各色のLEDを独立して光らせてみました。

5つのLEDをつけてみました

電源電圧が高めのとき

電圧を少し下げたとき

普通のLEDを接続してみても、このように、加える電圧を変えると見え方が変わるので、ろーそくの炎を再現するという方法以外に、何かの使い方を考えると、結構面白いかもしれません。

PR

本来は「ろーそく」用ですので、それらしい感じに近づけるためには、上の5色のような派手なLEDは不向きです。 ローソク感を出すためには、オレンジ系で乳白色のLEDなどが良さそうです。

ここでは、手持ちの黄色LEDを使って、ゆらぎの様子を動画に撮りましたので、その様子を御覧ください。

こちらにユーチューブの動画があります →こちらのユーチューブで紹介

ここでは炎の感じを出すために、LEDにティシュペーパーをかぶせて撮影しています。色々工夫すると、ローソク効果を演出できますので、いろいろな演出をやってみてください。

ローソクらしく見えるためには、裸のままのLEDではなくて、シェード(覆い・かさ)を工夫すると、「ろーそく」らしくなります。

黄色のLEDを点灯してみます

紙でおおうと、ろうそくらしくなります

このように、上の写真は、白い紙を巻いたものを上から被せただけですが、雰囲気がガラッと変わります。

「電子ろうそく」などの名称でWEB検索をすると、神仏具として販売されているものもたくさんありますし、それらはやはりそれなりに、様々な「上手な工夫」がされているようです。

PR

使い方は簡単です。もう一度紹介します

直付けのための基本回路

最も簡単に使うには、この回路図のように外付け部品なしで直結して使います

加える電圧はMax5Vです。 そこで、規定以下の電圧を加えて、2番の端子で、LEDに流れる電流電圧を測定しました。

電圧と電流の測定値2番端子での電流と電圧

この結果では、4Vではかなり明るすぎる感じなので、3V前後で使うのが良さそうですね。

電源電圧が1.5Vでは点灯しません。 1.6Vでようやく点灯する・・・という感じですので、乾電池1本では、新品時の電圧は1.6Vですが、電圧が下がって、1.5V程度になると、下の写真のように、充分に明るく点灯しない場合がありそうです。

1.6Vでようやく光り始めました 1.5Vでの点灯状態

このICを使った点灯の様子は、たしかに「風が吹いた時のろうそくの状態」を再現しているようですが、WEBに記事を書いている方の中に「デジタル的な光だ・・・」と表現されておられる方がおられたように、何か、「カドカドした」感じは否めません。

そこで、上の直結での点灯ではなく、データシートにある、もう一つの回路図をアレンジして、それにコンデンサを加えて「なめらかに」なるかどうかを試してみました。

PR

トランジスタを使った回路図例

電源電圧を3Vにして、C1のコンデンサをなし~1000μFを取り付けて、※印の位置で、オシロスコープで波形をみました。

オシロスコープでの観察例

コンデンサを変えた時の波形の様子

コンデンサを付けると、トゲトゲしい感じは若干少なくなっている感じですが、点滅周期は同じです。

さらに、コンデンサ容量を大きくしたのですが、波形は大きく変わっていません。 

コンデンサーによって、なんとなくなめらかになった感じもしますが、どうも、これは、「好みの問題」と言える程度のようです。

ユーチューブに、炎をそれらしく見えるように、紙を間に入れたうえで、コンデンサなしと100μFのときの様子を動画に撮ってあげていますので御覧いただけます。

こちらにユーチューブ動画があります →ユーチューブの動画へ

このローソクICは安価なものですので、難しく考えないで、ボタン電池3VでLEDを組み込んで、竹灯篭のようなものを作って、玄関やアプローチを「ほんのり」と照らすというのもおもしろいでしょう。

竹灯篭を作ってみるのはいかがでしょう こんなイメージは?

LED関連記事は、これでひとまず終わります。

電子工作においては、LEDは無限の楽しみ方があります。 調光器やドライバーモジュールなどを使って、いろいろな光の演出なども面白そうです。 

電子工作で使う部品類は、安価ですので、アイデアが浮かべば、ともかくなんでもやってみることができますし、それで、結構楽しめます。ぜひ、面白いアイデアがあれば、試してみてください。

   →次の記事では、DCモーターを使います

   → INDEX(目次)のページへ その他の電子工作へのヒントに


PR
Page Top▲
(来歴)R3.1 記事作成  最終R6.1月に確認
PR
電子工作の記事

関連する最初の記事にリンクしています。全記事の目次はINDEXのページに。

電子工作を始めましょう(4記事)
まず5000円で始める
電源を用意します
知っておくといい知識
部品購入はWEBが便利

LEDで遊ぶ(11記事)
LEDの基礎
LEDを複数個点灯する
7セグメントLED
バータイプLED
ローソクIC

DCモーターを使ってみよう(4記事)
小型DCモーター
DCモーターの回転数を変える
DCモーター用のドライバー
小さなドライバーを使ってみる

トランジスタで遊ぶ(4記事)
バイポーラトランジスタ
Trの互換性
ダーリントン接続
電界効果トランジスタFET

いろいろな発振(5記事)
発振でBEEP音を出す
マルチバイブレータ
PUTを利用した発振
弛張発振
水晶発振器  

電子工作に使うパーツ類(11記事)
フォトレジスター(CdSセル)
スイッチとノイズ対策
スイッチとリレー
リレーを使う自己保持回路
ホールIC
磁気抵抗素子
音楽を奏でるIC部品
サーミスタと温度センサIC
光を利用する発光受光素子
フォトインタラプタ・リフレクタ
フォトカプラー・フォトリレー

オペアンプを使う(5記事)
オペアンプと電源
コンパレータとして使う
増幅回路
オペアンプを使うヒント
発振回路

タイマーIC 555(2記事)
タイマー回路
発振回路 

ECM用ミニアンプ試作(1記事)

デジタルICを使う(3記事)
10進カウンタ・シフトレジスタ
ボルテージデタクタ・リセットIC
リップルカウンターIC

★電子工作の全目次ページ

★応用のページの目次ページ

★関連記事の目次ページ

★私の全記事(目次)

  PR